話題となったドラマの主題歌
日テレ系テレビドラマ「女王の教室」の主題歌だったEXILEの『EXIT』。
このドラマの主演は天海裕希、脚本家はのちに「家政婦のミタ」を書く遊川和彦。2005年の作品です。
「女王の教室」って?
ある小学校に謎の黒づくめの女教師阿久津真矢がやってきます。悪魔と呼ばれるこの鬼教師は生徒達にやたら厳しい冷血漢。子供達に一切笑顔を見せません。とにかく何でもこなせる阿久津真矢は生徒たちにたくさん勉強させ、徹底的に追い込んでいきます。生徒達を追いこんで、そこから自らの力で乗り越えさせるという意図だったことが徐々に判明していくストーリー。
14.4%で始まった視聴率は最終話では25.3%まで伸びました。前日譚にあたるエピソード1、2のスペシャルドラマも製作されたほどのヒット作です。
この「無表情で何でもこなせる女キャラ」は後に発表される「家政婦のミタ」につながります。
このドラマは結構サスペンスフルな内容です。教師が生徒に厳しいことを言って子供が泣く場面などがあったので、PTAから批判され、スポンサーが提供表示を自粛する自体まで起きました。
イメージを払拭するような一曲
このドラマの主題歌EXILEの『EXIT』はドラマとは全く逆のイメージの明るい曲。だからこそハマりました。本編では全く笑顔を見せない天海裕希が、エンディングではこの曲に合わせて明るい表情で踊ります。天海裕希本人が「ドラマの内容が重いのでエンディングだけは明るいものにしたい」と、この演出を提案したそうです。
実際この試みは成功していました。エンディングが重いドラマの「出口」になっていたのです。
これからのヒット作を生み出す巨匠達のコラボドラマだった…!!
この曲の作詞は秋元康。EXILEとしては第1章の最後のほうに当たります。
この後ますます拡大していったEXILE。この数年後、AKBがブレイクする秋元康。この後、「家政婦のミタ」がヒットする遊川和彦。曲もドラマの内容もこの時期だからこそ出せた魅力なのではないでしょうか。
この歌詞が「You’ll find a big dream. いつの日か」と歌うように、それぞれがより大きな夢をつかんでいく直前の高揚感の中で生まれた作品なのではないかと思います。
EXIT
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誰にも目指しているゴールがある
古い地図は役に立たないのさ
孤独の向こう側で待っているんだ
初めて会う 新しい自分
≪EXIT 歌詞より抜粋≫
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ドラマの中で生徒達は重圧を乗り越えて成長し、この歌詞のとおり「新しい自分」に出会います。
そしてリアルでもこの曲を歌ったアーティスト、この曲の作詞家、この曲が使われたドラマの脚本家が「新しい自分」に出会っていくのです。
TEXT:改訂木魚(じゃぶけん東京本部)