歌詞をたどりながら、一緒に考えてみましょう。
「君」を知ったことで変わってゆく
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甘いお菓子 消えた跡には
寂しそうな男の子
雲一つ無い summer day
日に焼けた手足 白いワンピースが
汚れようがおかまい無し
無意識の楽園
≪Goodbye Happiness 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞の情景は、まるで映画のように印象的。夏の青い空、お菓子を食べる向かいには、はにかんだ男の子がいる。そのまま彼女は波にたわむれに行き、白いワンピースが汚れるのもかまわずはしゃぐ。
「無意識の楽園」とは、自分では無意識だけれど、まるで楽園のように楽しい様子のことでしょう。この部分が、あとの歌詞の伏線にもなっています。
そして、そんな幸せな夢のような日常は、このあと終わりを告げます。「君」を知ったことによって。
相手を想うコト
----------------孤独にさよならするとは、自分という世界に、相手という存在が現れることです。「わたしは笑った」のではなく、「あなたの瞳に映る私は笑っている」のです。
So goodbye loneliness
恋の歌 口ずさんで
あなたの瞳に映る私は笑っているわ
So goodbye happiness
何も知らずにはしゃいでた
あの頃へはもう戻れないね
≪Goodbye Happiness 歌詞より抜粋≫
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自分ひとりだけの世界が、ふたりの世界になったこと。無意識の楽園から、あなたという存在を「意識」する世界がはじまったことを、これらの歌詞で表しています。
相手に恋することなく、何も考えずにひとりぶんの世界で遊んでいた時期。それはとても楽しいものだったのでしょう。でも、もう戻れません。
なぜなら、もう相手への思いに気付いてしまったからです。愛されたいと思ってしまったら、今までと同じようには振る舞えません。相手のことを想い、胸苦しい日々を過ごさなければなりませんから。だから、「Goodbye Happiness」です。
この曲のMVは、宇多田ヒカル自身がプレゼンテーションしています。
おおまかにいうと、一人暮らしの女性のワンルームを舞台に、色々な仕掛けが繰り出されるのですが、「過ぎ去りしdays~」と過去のことを歌う場面で、自身の「Automatic」のMVに出てきた黄色いソファが登場したり、くまが満載だったりと楽しいので、ご覧になることをおすすめします。
それと、このMVは、ぜひ最後までみてくださいね。
Goodbye Happiness 歌詞
TEXT 毛布