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【歌詞コラム】米津玄師「ピースサイン」が示す、常識的でハラスメントなき“君と僕”の力関係

米津玄師はファンの性差が割れるアーティストだ。  例えば、iPadを入れたリュックを背負い、スーツ姿で自転車通勤してるイケメンモデル系男子に米津玄師ファンはいないが、通勤電車内で日経を読むできる女のi-Tunesから米津玄師が流れていたというシチュエーションはよくある話として現実味がある。

2018年10月9日


この記事の目次
  1. ・米津玄師「ピースサイン」
  2. ・無言の反論が隠れている
  3. ・ネットでその瓦解が懸念されるほどの神秘性
  4. ・等身大の姿を映す鏡
  5. ・米津玄師 最新情報
  6. ・米津玄師 最新リリース情報
  7. ・ライブ情報
  8. ・米津玄師 Profile
金もなく弱々しい男と、知的で趣味の質が高いリア充女に人気の米津玄師。そんなイメージの象徴ともいえるのが「BOOTLEG」に収録された「ピースサイン」だろう。

米津玄師「ピースサイン」

――――
不甲斐なくて泣いた日の夜に
ただ強くなりたいと願ってた
そのために必要な勇気を
探し求めてた
≪ピースサイン 歌詞 より抜粋≫
――――

彼は孤独で、とにかく自分一人の力で自分のためだけに問題を解決しなければいけない厳しい立場の人間であることがうかがえる。が、しかし、

――――
いつだって目を腫らした君が二度と
悲しまないように笑える
そんなヒーローになるための歌
さらば掲げろピースサイン
≪ピースサイン 歌詞 より抜粋≫
――――

といきなり“君”が登場する。「不甲斐なく・・・」の歌詞とは対称的に、彼は泣き虫の彼女を守るヒーローに変身している。

そして、ここからこの曲はダメ男への応援歌ではなく、前向きなブライダルソングへとシフトチェンジするかと思うと再び、
――――
守りたいだなんて言えるほど
君が弱くはないのわかってた
それ以上に僕は弱くてさ
君が大事だったんだ
≪ピースサイン 歌詞 より抜粋≫
――――

とまたネガティブな空気に戻る。



無言の反論が隠れている

君は何に対して弱くはないのか。そして僕は何に対して弱いのか。

それは「残酷な運命」だろう。と思いがちだが、彼は「それがいつの日か僕の前に現れるとして」と言っている。
つまり、「残酷な運命」に君も僕もまだ遭遇していないのだ。とすると、君が目を腫らして泣いている理由は、そこまで重大な問題ではないということが透けて見える。

つまり、この歌詞からほのかに見えるのは、まさに男女の力関係だ。君は何に対して弱く、僕は何に対して弱いかなど書く必要はないのだ。なぜならそれは“常識的に見て”だからだ。

常識としての前提条件として君は弱いけど、変態事項として僕が君より弱いのだということだ。そしてその裏側には、“でも君が目を腫らして泣いていることに対して僕は泣かないよ”という無言の反論が隠れているのだ。

言ってしまうと
「いつだって目を腫らした君が」の裏側には男は強いものだ。女は弱いものだ”という決まり事が、

そして、「それ以上に僕は弱くてさ君が大事だったんだ」には、“日本の常識では男は女性を守り、養うものですが、僕は常識を満たしていません。僕は弱いのです。”という例外がしっかりと棲んでいるのだ。

ネットでその瓦解が懸念されるほどの神秘性

ではどうして、米津玄師は平成も終わりに近づいた今、昭和の匂いのする男女の当たり前の姿を書きたかったのか。

それは“男は女より強いものだ”という常識が、彼の中で決して曲げてはいけないものだからだ。常識は残して、そこに付随して現れるハラスメントは葬り去りたい。

そのために彼は、「僕は弱くてさ」という言葉を使ったのだ。「僕は弱くてさ」は米津玄師にとって最強の武器だ。そこには「僕はこう思う」「これは違う」という彼の強い主張、そして彼女への愛の深さ、絶対2人は幸せになってやるという強い決意、すべてが凝縮されているのだ。

そこで私は思うのだ。米津玄師は一般的に言われるように、ミュージックシーンが形作るほど、日常生活から逸脱した存在なのだろうかと。

彼の隣にはいつも常識が座っていて、彼は四六時中たとえ睡眠中だろうが、“そいつ”からの微妙なずれ、ほとんど見えない隙間に怯え、苦しんでいる。裏を返せば、一般人なんかよりもずっと、典型的でありたい、標準でありたいという強く願っている人間だと思えるのだ。

そのため私は、彼が、ネットでその瓦解が懸念されるほどの神秘性を持っていることすら疑問を持つのだ。

米津玄師が尾崎豊と決定的に違うのは、尾崎が青春の一瞬の輝きをガッと両手にかき集めて歌にしたのに対し、米津玄師の歌は、擦り切れ、消費されていくダラダラの状態そのものだ。リスナーは彼が歌い叫ぶところを偶然に通りかかって覗き見たにすぎないのだ。

米津玄師は決してリスナーが守り、隠し、犯しがたい存在として祭り上げるものではない。

等身大の姿を映す鏡

彼はまさに、簡単に叶えられるはずの理想に対して、あと数cm足が届かなくて溺れかかっているけれど、前には泳いで行ける、そんな普通の人々の等身大の姿を映す鏡なのだ。

あと何年、彼を見ることが出来るかわからないが、できれば、中年になり枯れ果てた米津玄師にたどり着けるまで、この出口のない安定の中で頑張っていこうと思った。



TEXT:平田悦子

米津玄師 最新情報

米津玄師 最新リリース情報

米津玄師 New Single 『Flamingo / TEENAGE RIOT』


発売日:2018年10月31日(水)
フラミンゴ盤(初回限定):CD+おまけDVD+スマホリング
¥1,900+税 / SRCL-9959~9961
ティーンエイジ盤(初回限定):CD+サイコロ
¥1,600+税 / SRCL-9962~9963
通常盤:CD only
¥1,000+税 / SRCL-9964

〈収録内容〉
‐CD‐(全形態共通)
1、Flamingo
2、TEENAGE RIOT
3、ごめんね

〈全形態共通・初回封入〉
*初回生産分のみ封入、なくなり次第終了となります。
米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃
チケット最速先行抽選応募シリアルナンバー
応募期間:2018年10月30日(火)12:00?2018年11月4日(日)23:59

‐おまけDVD-(「フラミンゴ盤(初回限定)」のみに収録」
「Flamingo」 Special Video(1min)
<特設サイト URL>
http://reissuerecords.net/special/flamingo


【iTunes】https://itunes.apple.com/jp/album/id1439392774?at=10lpgB&ct=4547366382341_al&app=itunes
【レコチョク】http://recochoku.com/s0/flamingo_teenageriot-disc/
【mora】http://mora.jp/package/43000001/4547366382341/


ライブ情報

米津玄師 2019 TOUR / 脊椎がオパールになる頃
2019年1月19日(土)
徳島:アスティとくしま
OPEN 17:00 /START 18:00
2019年1月20日(日)
徳島:アスティとくしま
OPEN 16:00 /START 17:00
2019年1月26日(土)
神奈川:横浜アリーナ
OPEN 16:30 /START 18:00
2019年1月27日(日)
神奈川:横浜アリーナ
OPEN 15:30 /START 17:00

2019年2月2日(土)
宮城:セキスイハイムスーパーアリーナ
OPEN 17:00 /START 18:00
2019年2月3日(日)
宮城:セキスイハイムスーパーアリーナ
OPEN 16:00 /START 17:00
2019年2月9日(土)
福岡:マリンメッセ福岡
OPEN 17:00 /START 18:00
2019年2月10日(日)
福岡:マリンメッセ福岡
OPEN 16:00 /START 17:00
2019年2月16日(土)
北海道:北海きたえーる
OPEN 17:00 /START 18:00
2019年2月17日(日)
北海道:北海きたえーる
OPEN 16:00 /START 17:00
2019年2月23日(土)
福井:サンドーム福井
OPEN 17:00 /START 18:00
2019年2月24日(日)
福井:サンドーム福井
OPEN 16:00 /START 17:00

2019年3月2日(土)
大阪:大阪城ホール
OPEN 17:00 /START 18:00
2019年3月3日(日)
大阪:大阪城ホール
OPEN 16:00 /START 17:00
2019年3月10日(日)
千葉:幕張メッセ 展示ホール4~6
OPEN 16:30 /START 18:00
2019年3月11日(月)
千葉:幕張メッセ 展示ホール4~6
OPEN 17:30 /START 19:00

チケット料金:指定席・ファミリー席・幕張スタンディング \7,500(税込)

米津玄師 Profile

米津玄師(ヨネヅケンシ)
ハチ名義でボカロシーンを席巻し、2012年本名の米津玄師としての活動を開始。その独特なサウンドメイクをした楽曲の強さと、リアルな言葉の数々は圧倒的で、今の音楽シーンにはない新鮮さを鮮烈に刻み話題に。

2015年リリースの3rdアルバム「Bremen」ではオリコン週間チャート1位、iTunes週間チャート1位、Billboard Japan週間チャート1位という三冠を達成、2015年度レコード大賞優秀アルバム賞受賞した。2016年はユニバーサル・スタジオ・ジャパン15周年企画 “やり過ぎ” コラボ、ルーヴル美術館特別展「ルーヴル No.9 ~漫画、9番目の芸術~」公式イメージソング、佐藤健・有村架純らが主演の映画「何者」の主題歌を中田ヤスタカ×米津玄師として初のコラボレーション作品として発表したりと、多岐にわたる才能を披露した。同年9月に発売したシングル「LOSER / ナンバーナイン」はオリコン週間シングルランキング自身最高の2位を記録。

2017年2月には羽海野チカ原作のTVアニメ「3月のライオン」エンディングテーマを務め、自身初のアニメタイアップとなったシングル「orion」は、iTunesチャートを始め、各配信ダウンロードサイトで軒並み1位を獲得し、配信11冠という快挙を達成した。6月に発売したTV アニメ「僕のヒーローアカデミア」のオープニングテーマとして書き下ろした「ピースサイン」がオリコン週間シングルランキング2位を獲得。iTunesチャートでもシングル・バンドルと1位を獲得。

8月には、初音ミク10周年「マジカルミライ2017」テーマソングとして、ハチ名義の「砂の惑星」を発表し、ニコニコ動画でボカロ最速ミリオンの記録を樹立。また、映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」主題歌をプロデュースし、「打上花火」DAOKO×米津玄師として発表した。11月には4枚目のアルバム「BOOTLEG」を発表し、オリコン週間チャート1位、iTunes週間チャート1位、Billboard Japan週間チャート1位を始めウィークリー1位の23冠という快挙を達成。

2018年1月からはTBS金曜ドラマ「アンナチュラル」の主題歌として「Lemon」を書き下ろし“ミリオン”セールスを記録。「第96回ドラマアカデミー賞」にて【最優秀ドラマソング賞】を受賞。日本レコード協会にて「史上最速」の100万DL認定。2018年上半期チャートを席巻と、音楽史に残る記録を残している。8月には「<NHK>2020応援ソング」として、小学生ユニットFoorinがうたう「パプリカ」を発表。

また『Lemon』『アイネクライネ』『LOSER』『ピースサイン』という新作旧作が立て続けにYouTubeでの再生回数1億を超え、昨年発表し1億再生突破している『打上花火』含め、5作品が1億越えを達成。10/31発売となった「Flamingo / TEENAGE RIOT」の表題曲の1つ「Flamingo」Music VideoはYouTube公開から3時間で100万再生突破するなど、その注目度は群を抜けた存在となっている。

米津玄師 オフィシャルHP

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