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LUNA SEA『ROSIER』は、何故ここまで私たちの心を鷲づかみするのか!?

圧倒的な美意識にファンを「SLAVE(奴隷)」と呼んでしまうほどのカリスマ性を持つバンド「LUNA SEA」。1989年に結成された彼らだが、デビュー当時から不動の人気を誇る。

音楽性への「違い」


メンバーそれぞれの音楽性も違い、個々人の個性も桁違いに強い。それでもバンドを続けられた理由の一つは、「リーダーを決めない」「メンバーの一人でも反対だと否決」などのルールを決めているからであろう。

彼らは、作曲のクレジットもバンドである「LUNA SEA」と表記しているのだ。しかし、多くのバンドがそうであるように彼らも2000年に一度解散をした。河村隆一は「自分の夢だったはずが、いつの間にか呼吸ができなくなった」と発言している。

バンドは音楽性の違いなどで解散するというのをよく耳にするが、そもそも彼らには集まった時から音楽性に「違い」があったという。その中で「成功をつかむ」という意志を持ち、一気に駆け上がってきたのだ。片道切符を握りしめ、解散に至るまで突っ走ったのだろう。

その勢いは1994年に発売された大ヒット曲『Rosie』からも感じられる。大人になり人として成長することが音楽に対しどう影響するかは不確かだ。再結成後も活躍するLUNA SEAだが、やはり若い時のLUNA SEAの方が新鮮味があるように感じる。

それは、良し悪しを超えた「好み」の判断となるが、今回は解散前の勢いに乗っていた時代の楽曲『ROSIER』を解明しLUNA SEAの魅力に迫りたい。

LUNA SEA『ROSIER』の魅力

ROSIER


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輝く事さえ忘れた街は ネオンの洪水
夢遊病の群れ 腐った野望の
吹き溜りの中 見上げた夜空を
切り刻んでいたビル 夢のない この世界
≪ROSIER 歌詞より抜粋≫
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LUNA SEAが美しいのは外見だけではない。その音も歌詞も「美」を意識している。「夢遊病の群れ」や「腐った野望」など、字に起こすと少し仰々しいと感じる人もいるのかもしれない。

しかし、特異で美しい世界観を構築するためには、リスナーの普段の日常とは全く別の次元で作り上げなければならないのだ。LUNA SEAはその法則を熟知し次元の違う「美」と戯れているのだ。

世界観の統一性はLUNA SEAというバンド名にも表れている。LUNAはラテン語で「月」を意味しており、彼らは「月と海」という壮大なバンド名を名乗る。
自らの世界観に没入し「LUNA SEA」のプレイヤーとしてメンバーは存在する。その一方で、自分たちの世界観を外から眺める「LUNA SEA」も存在するのだ。

両者のどちらが欠けても美しい世界観を創造することは出来なかったはずだ。その関係性を「月と海」と表現したのではないだろうか。

ボーカル河村隆一の超絶的なカリスマ性


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輝く星さえ 見えない都会で
夜空に終りを探し求めて
この夜にかざした細い指先
答えを探し求めている
≪ROSIER 歌詞より抜粋≫
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音へのこだわりを捨てないのも大切だが、世界観を創るにはやはりボーカルのカリスマ性も重要なのである。LUNA SEAの場合は全く心配するに及ばない。

彼らの世界観はボーカルの河村隆一の超絶的なカリスマ性によるところが大きいと誰もが納得できるはずだ。少し切れ長で憂いを帯びた瞳にリスナーは吸い込まれていく。さらにその瞳と呼応した声は、耽美的で捉えたリスナーの心を決して離さないのだ。

強い世界観に引き込まれる


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揺れて揺れて 今心が 何も信じられないまま
咲いていたのは my rosy heart
揺れて揺れて この世界で 愛することも出来ぬまま
はかなく散ってゆくのか 花弁の様に
≪ROSIER 歌詞より抜粋≫
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人は「通常」を凌駕したものに出会った時、呆れるか陶酔するかのどちらかを選択する。強い世界観を持つものと、良い距離間を保つことは難しいのだ。

そう、LUNA SEAの音楽と対峙するならば、無意識的ではあるにしろ陶酔するか避けるかの選択をしなければらないのだ。

浸かってしまえばLUNA SEAの世界からは抜けられない。彼らは美しく咲き誇る薔薇のように強靭と危険を併せ持つカリスマ的なバンドなのだ。

TEXT:笹谷創

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1989年、RYUICHI(Vo)、SUGIZO(Gt/Violin)、INORAN(Gt)、J(Ba)、真矢(Dr)のメンバーにて、町田プレイハウスを拠点にライヴ活動を開始。(当時の表記はLUNACY) 1990年にバンドの表記をLUNA SEAに変更し、翌1991年、エクスタシー・レコードより、1stアルバム『LUNA SEA』をリリース。 1992年、···

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