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【インタビュー】主題歌「THE GIFT」を歌う平井 大が欲しいドラえもんの道具は? (2/2)

歌詞とメロディーに込めたこだわり



──『THE GIFT』の歌詞についてもお伺いしたいところがあって。「共に過ごした日々の記憶 優しい風のように」という歌詞のように、日々のことを「優しい風」っていう言葉に例えられていますけども、平井さんの中で“風”というものが持っている意味とはなんでしょう?

平井 大:“風”っていうとアメリカの文化では結構根付いてるものなんです。

例えば僕が尊敬しているミュージシャンでボブ・ディランっていう方がいるんですけど、彼の「Blowin’in the Wind」っていう曲は“風がいつか答えを教えてくれる”っていう内容で書かれている曲なんですが、その考え方っていうのはもともとネイティブアメリカンからきていて。

例えばその村で起こった問題だったりとか争いごとだったりとか、その人生の行方みたいなものは全て風が教えてくれるっていうそういう教えがあるんです。

そういうところから僕も風が吹いてくるとなにか教えてくれるような気持ちになるし、ちょっと落ち込んでる時だったりとかに海に行ってそして風を感じると背中を押してくれているようなそんな気持ちになったりとか、今は会えないけど愛しい人であったりとかそういう人たちからの応援が聞こえてきたりとかそういう部分がすごくあるので。僕にとっても風っていうのは1つすごく大きな大事なキーワードです。


──メロディや音色に関しては如何でしょう?懐かしい感じの音が使われていると感じました。

平井 大:そうですね。この曲に関してはお子さんを連れて映画館に行く親子が多いと思って。大体ドラえもんを観るような世代のお子さんを持っている世代って多分30代から40代前半くらいで、青春を80年代だったり90年代初頭に過ごした方が多いと思ったんです。

彼らが音楽を聴いた時に昔自分が青春時代を過ごしたような音像を思い出してくれたりとかしたら、すごくいいと思うし。


──確かに、80年代だったり90年代初頭のJ-POPシーンを彷彿とするような音色でした。

平井 大:そんな親が聴いてきた親の思い出がいっぱい詰まった音像というものを子供たちは新しいものとして認識すると思うんですけど、そうやってこう音楽だったり文化っていうのが受け継がれていったらすごく素敵だなっていう思いがあって、今回は“懐かしい音像”っていうところはすごく僕の中でもこだわりました。

80’s、そして90’sの初期の音楽をたくさん聴いて、どういう風にミックスしたらそういう風な音像になるのかっていうのを、いつもお世話になっているエンジニアと一緒に色々な話をしました。


──そんな中で特にこだわられたポイントは?

平井 大:結果的には全ての音をアナログの機器に通して、そこから手入れをしたんですけど、そうすることによって使われている機材がすべてアナログなのですごい懐かしい音像にすることができたんですね。

やっぱこうデジタルにはない温かみだったりとか、アナログのミックスをすることによって1番気持ちいい部分だけをピックアップしてくれるというか。
いらない部分は削ぎ落とされていくので、すごくいい混ざり具合になるんですけど。

そういう小さな積み重ねが今回は懐かしい音像を作るっていうところにすごく助けられたかなと思います。


──全体のメロディラインも日本人の耳に馴染みのある感じというか、これまでの作品と比べてキャッチーな気がしたのですが、平井さんの中でそう言った意識はありました?

平井 大:今J-POPと呼ばれている音楽の基盤って多分80‘sに築かれたと思うんですよね。80年代に使われていたコード進行だったりとかメロディラインももっと元をたどれば海外で基盤が作られたもので、80年代の曲って日本の曲を聴いても海外の曲を聴いてもそこまで今ほど大差がないというか。

その時代って日本人が多分お金がすごいある時代でしたし(笑)、海外に行くことも多かったですし、かといって今みたいに媒体がたくさんあるわけでもないので集中して海外の文化とかに触れる機会が多かった時代だと思うんですよね。

そういう時代背景からも根付いていった日本独特のPOPSっていうものがあって、音色だけじゃなくコード進行も80’sくらいの意識はしました。僕の場合、洋楽になっちゃうんですけど、色々なアメリカのその時代の音楽、日本ではAORって呼ばれているアメリカのその時代の音楽をもう1度勉強し直して作りました。

だから多分日本人が今考えるPOPSっていう部分に関してすごく馴染みのある音にはなってると思います。


──そんなに歴史が詰まったメロディだったとは!なるほどでした、ありがとうございます。ちなみに今回のミュージックビデオはどんなイメージで作られたのか、お伺いしてもいいですか?

平井 大:今回は世界的に活躍しているJAMES F. COTONというフランスのクリエイターがいるんですけど、その方に監督をお願いしました。今作の月っていうテーマから、月面だったりとか、僕のもとから持っているビーチカルチャーも入れつつ、ベーパーウェーブという世界観も取り入れたりとか。


──ベーパーウェーブ..ですか。

平井 大:ベーパーウェーブって言うのは日本では馴染みのあるアニメーションだったりとか、そういうものを海外の視点でどういう風に切り取ってサンプリングしたらかっこいいのかっていうものを研究している、そういうものを打ち出しているカルチャーなんです。

そのベーパーウェーブの要素もちょっと入れたりとかしていますね。


──ほぅ...。

監督もカメラマンも色々な海外のHIPHOPだったりとかのミュージックビデオを作ったり、色々なブランドのイメージ映像を作っていたりとかしている方で。
本当に世界で活躍する方々と一緒に作れたミュージックビデオになっているので、すごいおもしろいんじゃないかなと思います。

多分今までドラえもんっていう日本人が考えるアニメーションの世界観にはまたちょっとなかったような違った角度でアプローチできるようなミュージックビデオになっていると思いますし、先程話したようなどこでもドアなどもでてくるのでドラえもんが好きな方も楽しんでいただけるし、今のそういうアートなカルチャーが好きな方も楽しんでもらえるようなものになっているかなと思いますね。




ピックアップフレーズ

──楽しみにしてます。では続いて、『THE GIFT』中から平井さんがピックアップする歌詞のフレーズについて伺いたいと思うのですが、特に気に入られているフレーズだったりはございますか?

平井 大:話が重複しちゃうんですけど、「キセキは信じるものだけに贈られるモノ」っていうところはやっぱりこの曲の1番軸になっているメッセージかなと思います。

その奇跡を日々信じて周りにある小さな奇跡たちをうまくピックアップすることによって、素晴らしい人生やそういうスパイラルが生まれてくると思うので、ぜひみなさんもこの曲を聴いて奇跡を信じて、少しでも毎日が彩りのあるものになればいいなと思います。

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そしてキセキは信じるものだけに
贈られるモノ
≪THE GIFT 歌詞より抜粋≫
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──また今のお話と重複してくるところがあるかもしれないのですが、『THE GIFT』がリリースされる春には色々な出会い、「キセキ」ですね。に、巡り合う人が多くなると思います。UtaTenのユーザーは若い方が多いのですが、そこに向けてメッセージをいただけますか?

平井 大:若い人に対して僕が言えるのは、好きなように生きていってほしいなということです。
これはすごく思っていることで、僕も好きなように生きてきましたし。

日本に住んでいると海外に行くことも多くないと思うんですけども、日本というのは固定概念が強いんですよね。それが素晴らしくいい方向に向かうときもあれば、そうでもないときがあって。

だから固定概念っていうものを1回サラにして、“自分にはどういう決まりが必要なのか”っていうのをもう1度構築して、自分が自由に進みたい方向に進んでいくっていうことを伝えたいです。


──固定概念から抜け出すというのは、難しいことでもあったりしますよね。

平井 大:僕もすごく色々なわがままに生きてきましたけど、好きなものは好きだし嫌いなものは嫌いだし、極力嫌いなものは遠ざけて好きなものだけをまわりにおいて生きてきたんです(笑)。

そういう風にわがままに生きるっていうことは、素直に生きるっていうことだと僕は思っていて、わがままだろうと、そこに対して責任感を負わなきゃいけなくなってくるんですよね。

わがままに自分が進んだことに対しては責任を持って行動して、良い方向に向かわせていくっていう。だから最初若いときは好きなものだけをピックアップしてそこに対して探求していくっていうことが大事になってくるのかなと。僕はミュージシャンですから自由な職業ですけど。好きなことをして、それが自分の中で形になっていく喜びがありますしね。

やっぱり嫌いなものってどれだけ頑張ってもあんまり結果がでなかったりとかすることがとても多いと思うので、やっぱり物事は好きになって、そこから探求することによって上達していけるようなことを見つけられるような春になればいいんじゃないかなと思います。


──素敵なコメントありがとうございます。今後、公開記念スペシャルライブというのが行われるそうですが、その告知もいただけたらと思います。

平井 大:そうですね。もちろんドラえもんと一緒に、リリースと映画の公開を記念したイベントっていうのも全国で開かれるんですけど、そこにも足を運んでいただいて、映画や僕の主題歌に興味を持っていただければと思います。

僕は普段インストアライブも結構やっているんですけど、そこと違う部分っていうのはやっぱりドラえもんが遊びにきてくれるっていう部分なので、あまり堅苦しく“音楽を聴きにいかなきゃ”というのではなくて、お子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで家族の思い出を作りにくるような感覚で遊びにきていただければ嬉しいですね。


──確かに。公開記念スペシャルライブは家族で行くのも良いですね!

平井 大:是非!そして4月からまたツアーがございまして。2ヶ所の公演になるんですが「HIRAIDAI THE BEACH TRIP 2019」というタイトルで行います。沖縄の公演が4月の20日ぎのわん海浜公園トロピカルビーチで、5月11日にはは神奈川県サザンビーチちがさきで行われます。またこれもいつものツアーとは違った雰囲気になると思うので、楽しみにしていてください。

初めての屋外でのワンマンライブですし、やっぱり平井 大といえばビーチ、というところでたくさんの方に来ていただいて、その開放的な空間で僕の音楽を楽しんでいただければなと思ってます。


──ありがとうございます。最後に、平井さんにとって今作「THE GIFT」がどのような1枚になったか、コメントを頂いて締めたいと思います。

平井 大:そうですね、少なからず僕が今まで音楽に携わってきた人生の中で1番大きなタイアップですし、僕よりも大きいものに対してどういう風にアプローチできるのかっていうものであって。

多分必然的にたくさんの方が聴いてくれる作品になると思うので、そういうところにはいつも感謝の気持ちを表しながら、もっともっとみなさんの生活に寄り添えるような1枚になればいいなと思っています。


──ありがとうございました、インタビュー以上になります。

平井 大:ありがとうございました。



Text 愛香
Photo 大西基

1991年5月3日、東京都生まれの30歳。ギターとサーフィンが趣味の父の影響で幼少の頃より海に親しみ、3歳の時に祖母から貰ったウクレレがきっかけで音楽に興味を持つ。 印象的な耳に残る優しい歌声と歌詞、キャッチーなメロディラインは聴く人の気持ちを癒し、穏やかにしてくれる。 サーフミュ···

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