笑いあり涙ありの愛と絆の物語!
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『境界の彼方』は、KAエスマ文庫から刊行された鳥居なごむの小説が原作のアニメ作品です。
2013年にテレビアニメ化、監督は『日常』で助監督、後に『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の監督を務める、石立太一氏です。
脚本は、『響け!ユーフォニアム』、『ラブライブ!』など数々の感動作品を手がけた花田十輝氏が担当しています。
2015年にはテレビシリーズを再編集した劇場版『過去編』と、その後日談を描く『未来編』が公開されました。
物語の舞台は、人の怨念の集合体である異形の化物“妖夢”と、それを倒し、換金して生計を得る“異界士”が、人知れず戦いを繰り広げている街。
不死身で妖夢の強大な力を秘めた主人公・神原秋人、呪われた異界士一族の生き残りのメガネ美少女・栗山未来のふたりを中心に描いた、妖夢との激しいバトルあり、恋愛あり、クスッと笑える日常シーンありの見どころ満載のアニメです。
どこか残念で愛らしいキャラクター達!
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今作の魅力を支えるのは、かっこよさとかわいさ、残念な短所を持ったキャラクター達です。
メインの4人をご紹介しましょう。
神原秋人(声:KENN)
主人公。妖夢と人間の混血・半妖で、不死身の体を持つ男子高校生。メガネフェチ。
強大な力のせいで孤独になり、半妖の自分から目を背けています。
日常シーンでは、未来、美月、博臣にツッコミを入れる、視聴者の代弁者です。
栗山未来(声:種田梨沙)
ヒロインにして、もう一人の主人公。
血液を自在に操り、刀にして戦う異界士。
妖夢との戦闘で、親友を失い、妖夢を倒すのが怖くなり、収入が乏しく、いつも空腹。
メガネ美少女、ドジっ子、嘘が下手など愛らしい魅力を持った少女です。
名瀬美月(声:茅原実里)
異界士の名門・名瀬家の次女で、秋人のお目付役。
秋人へのサディスティックな言動が目立ちますが、秋人と未来を気にかける優しい少女です。
シスコンの兄に引きながらも、高い戦闘力を持つ彼に信頼を置いています。
名瀬博臣(声:鈴木達央)
美月の兄で、結界を張る能力に長けた異界士。
携帯の着信音を美月の声にするほどのシスコン。
戦闘シーンになると表情が凛々しく頼もしくなります!
普段とのギャップに注目です。
個性の強いキャラが多く、秋人がツッコミを入れることで、物語が明るくなり、最後まで楽しく見ることができますよ。
特に、6話はコミカルなシーンが多く、未来達が歌って踊るシーンが話題になりました。
特にダンスは必見!
すべて手書きで手や足の動きを滑らかに描き、リアリティあふれるかっこいいダンスに仕上がっていますよ。
“普通”に生きたいふたりの恋
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主人公・神原秋人は、屋上から飛び降りようとする眼鏡美少女・栗山未来を見つけます。
説得に来た秋人ですが、未来は彼を攻撃!
翌日も、その翌日も、未来は、不死身の秋人を狙ってきます。
未来が妖夢退治を苦手だと知った秋人は、自分の身を守るために、彼女を手伝うことに。
妖夢と異界士、敵対しているのに惹かれてしまうふたりの恋と、世界を揺るがす妖夢“境界の彼方”との戦いを、幻想的な色彩で、季節の移ろいとともに描いた作品です。
『劇場版 境界の彼方 -I’LL BE HERE-』の過去編は、未来の視点でテレビシリーズを編集し、再アフレコした総集編。
テレビアニメ6話で歌った『約束の絆』のアニメーションPVが本編の前に流れるので、そちらも注目です!
続編の未来編は、秋人との再会後、記憶を失ってしまった未来が、残酷な運命を乗り越え、本当の幸せを見つける物語。
謎の黒い影や妖夢、宿命と戦いながら、本当の幸せを見つけ出す未来と秋人に注目です!
テレビシリーズを見た後は、是非、劇場版2作品もチェックして下さいね。
原作とは違う?放っておけない栗山未来の魅力!
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実は、アニメと原作とは大きく異なる設定が多数あります。
特に栗山未来は、原作では実力派の異界士!
妖夢が倒せなくてお金がないアニメの彼女とはまるで別人ですね。
彼女に貧乏属性、天然ドジっ子、後ろ向きな性格を加えたことで、親しみやすい印象を受けますね。
口癖の“不愉快です!”は、本音、本心を隠すとき、照れ隠しなどで声の表情も変わり、本当は隠し事が苦手な女の子なんだと想像できます。
第10話では、彼女の背負っていた重荷、秋人と距離を置いていた理由が理解でき、感情移入しやすくなりましたね。
力になってあげたい、応援したいと思える彼女の丁寧な心理描写に注目して見てくださいね。
たった一人の君と幸せを見つける旅を描く「境界の彼方」
境界の彼方の美しさは映像だけではありません。
主題歌『境界の彼方』は、運命の出会いをドラマチックに表現されています。
作詞は、『涼宮ハルヒの憂鬱』の挿入歌『God knows...』や『らき☆すた』の『もってけセーラーふく』を手がけた畑亜貴。
作曲は、『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズのキャラクターソングや、水樹奈々の楽曲の編曲をしてきた菊田大介。
歌は、名瀬美月役の声優・茅原実里が担当しています。
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生まれた愛は優しい羽の音
傷付けたくない でも離さない
捕まえてよ何度も
巡り合う定め 夢で時を渡れ
痛みに引き裂かれ 胸は君を呼ぶ
虚ろな日々はもういらない
痛みに引き裂かれ 生きる喜びを
きっときっと ふたり確かめる
≪境界の彼方 歌詞より抜粋≫
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優雅で壮大なサビ、ピアノやストリングスの奏で
るメロディーが美しく響きます。
悲しい過去を背負い、孤独に生きてきた秋人と未来が、運命的に出会い、惹かれあい、別れ、再会し、生きることに喜びを見つける。
歌詞には、『境界の彼方』の物語がぎゅっと詰まっていますね。
ゆったりとした歌い出しからサビに向けて徐々に盛り上がっていくメロディーと、茅原実里の伸びやかな歌声がとても印象的。
「痛みに引き裂かれ 胸は君を呼ぶ 虚ろな日々はもういらない」というフレーズも、4話で、妖夢・“虚ろな影”に取り込まれた秋人が、未来に自分ごと貫くよう言った場面を思い起こさせますね。
聴いているだけで、盛り上がる場面や切ない展開と2人の再会を思い出され、泣けてくる名曲です。
暗闇を照らす希望にあふれたエンディングテーマ「Daisy」
エンディングテーマは、シンガーソングライターR・O・Nが、STEREO DIVE FOUNDATION名義で歌った『Daisy』。
Daisy(ヒナギク)の花言葉は希望。
エンディングテーマの映像も、暗闇や満天の星空の中で、未来が一人たたずみ誰かを待つ姿、それに応える秋人の手が描かれ、孤独な未来に希望を与える演出になっています。
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光彩を放つ未来焼付けた君の瞳は少し悲しそうで
Take a look into my eyes
最後の一滴を拭って
Every time you wanna see call me
最初に出会ったあの場所でさ
散り行く運命に抗って
そう鮮やかに咲き誇れ
Always
≪Daisy 歌詞より抜粋≫
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聴いていると、まるで秋人が歌っているような感覚になる歌声と温かい歌詞。
死ねない体を持ち、孤独を感じていた秋人が、同じ孤独を持つ未来の心に、寄り添いたい気持ちが歌詞に表れているようですね。
「散りゆく運命に抗って」というフレーズも、生まれながらの宿命に立ち向かう未来や秋人をイメージできますね。
メロディーに切なさや儚さを感じさせながらも、歌声と希望に満ちた歌詞。
聴くだけで、優しい気持ちに包まれるような一曲です。
“今ここにいるあなた”への愛を歌う!「会いたかった空」
最後に紹介するのは、『劇場版境界の彼方-I’LL BE HERE-』未来編の主題歌『会いたかった空』です。
歌うのは、『境界の彼方』に引き続き茅原実里!
作詞、作曲も『境界の彼方』のタッグが担当しています。
温かい茅原実里の歌声、優しさと愛情が詰まった歌詞は、『境界の彼方』の集大成とも呼べる泣ける曲です!
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誰かを探してた気がする
夢の中をさまよって
今ここにいるあなたの目が
私の悲しみ暖めるの
会いたかった人がいると 気がついた時から
強くなれるってことがわかったよ
いつも いついつまでも
共に生きると 誓いたいこの場所で
変わらずにいついつまでも
同じ熱さの愛で お互いをずっと追いかける
(ずっと) ずっと (ずっと) 共に生きて行こう
ずっと愛のままで…
≪会いたかった空 歌詞より抜粋≫
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歌詞もテレビ主題歌『境界の彼方』に続く内容になっていますね。
迷いながら探していた“君”が、最後には“あなた”と呼ばれるように、大切な人が隣にいる喜びを歌う、愛に満ちた楽曲です!
歌い出しの「誰かを探してた気がする 夢の中をさまよって」は、記憶を失った未来が、何故秋人が気になってしまうのか考える場面と似ています。
「さまよいながら君を見つけたよ」のフレーズで、終わった『境界の彼方』から、さまよっても誰を探していたのか分からない状態になっていますね。
「いつも いついつまでも」の繰り返しが、
未来と秋人の“ずっと一緒にいたい”気持ちを強調して表現していますね。
まっすぐな言葉で綴られた歌詞は、まるで素直な未来の性格のよう。
茅原実里の透き通る歌声からも、大切な人への思いの強さがしっかり伝わってきます!
泣いて、笑って、心が洗われるストーリー!
いかがでしたか?どの歌にも作品の魅力が凝縮されていましたね。
物語を通して、孤独だった秋人も未来も“大切な人を守るためなら、傷つくことを恐れない強さ”を持てるまでに成長。
その過程や苦悩をきちんと描いていたからこそ、クライマックスの共闘に心が躍る、2人の再開に涙がこみ上げてくるのでしょう。
バトルと青春ラブコメの融合ともいえる今作は、アクション作品が好きな方も、恋愛ストーリーが好きな方も、辛い過去や人間関係に苦悩し孤独感を感じていらっしゃる方も楽しめ、一歩踏み出す勇気が持てる作品になっています。
皆さんも是非、『境界の彼方』を見て、秋人と未来と一緒に泣いて笑って、心をスッキリさせて、自分の幸せを探してみて下さいね。
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TEXT Asakura Mika