三浦大知とKREVAのコラボ曲
2009年に発売された『Your Love feat.KREVA』。三浦大知とKREVAのコラボ曲である今作。KREVAに比べると、当時の三浦大知はまだ知名度も低く、この曲でその存在を知った人も多かったと思います。
「君との出会い方」で指を交差する動き、「鼓動が(Ha Ha) 早くなる(Ha Ha)」で胸を動かす動きの振付が入ります。今でも三浦大知は自分で振付も考えますが、この当時から「歌詞を視覚的に表現」していたんですね。
この曲はタイトルのフレーズ『Your Love』をサビで連呼する構成。「君」に「もう手に負えない容態」なほど夢中になり「どうしようもないくらい All I need is your love」を伝えたいバラードです。
バラードでもしっかりした振付
三浦大知がすごいのは、バラードであってもかなりしっかりした振付をつけること。
今作は特にそれが顕著です。そしてライブで踊りながら歌っても音がブレません。ちゃんとダンスと歌両方で音楽を作り上げているんですね。
Your Love feat.KREVA
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いつでも君に会うたびに
隠せない My heart is beatin'
歌ならそう いきなりサビに
Oh Dala-Lala-Lala
こんな状態 これ以上やばい
君のsweetな上目遣い
≪Your Love feat.KREVA 歌詞より抜粋≫
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最初のサビの直後のこのフレーズ。「たびーに」「びーてぃん」「さびーに」と韻を踏んで、さらに「じょうたい」「やばい」「うわめづかい」で「い」で韻を踏むかなりリズミカルな箇所。
口に出して歌うと分かりますが、歌詞が詰め込んであり早口で難しいんですね。
ここをさらっと歌い、さらに細かく振付を入れている三浦大知。ここがあることで、歌詞上の主人公の心が高鳴る感情、歌で例えたら…いきなりサビが来るような、おさえられない感情を表現しています。
ここをさらっと聴かせられるのが三浦大知のすごいところ。
KREVAの見逃せないテクニック
そしてKREVAが後半で三浦大知に負けない見せ場を作ります。後半に出てくるKREVAのラップパート。ここはわざと言葉をもたつかせて一つ一つの単語が聴こえるようにしています。
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もしも笑ってくれるならば
落ちてるバナナの皮で滑るからさ!
≪Your Love feat.KREVA 歌詞より抜粋≫
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というインパクトの大きいフレーズ。聴く者が思わずツッコミを入れたくなる歌詞。
しかもここは「滑るからさ!」の後に「ハハッ」と笑い声を入れているのです。
「自分でおかしいことを言って自分で笑うとは何事だ」と聴き手は無意識のうちに思います。それが「耳に残らせる」テクニック。
このKREVAのラップパートが三浦大知とのうまい対比になっているんですね。
ファンもリスペクト「ドクターK」
KREVAがゲスト出演しないかぎり三浦大知のライブではこのラップの箇所はカットされます。しかしファンはKREVAへのリスペクトを込めて「ドクターK!」という曲最初のコールを入れます。
KREVAは他にも数多くのアーティストとコラボし、実は「進撃の巨人」実写版にもカメオ出演しています。「滑るからさ」と言いつつ滑らない男なんですね。
三浦大知とKREVA、2人の良さが共に出た一曲。コラボはこうでありたいですね。
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TEXT 改訂木魚 (じゃぶけん東京本部)