クリエイター集団!サカナクションとは?
サカナクションは、2007年にアルバム『GO TO THE FUTURE』でメジャーデビュー。
メンバーは全員北海道出身で、山口一郎(ボーカル・ギター)、岩寺基晴(ギター・コーラス)、草刈愛美(ベース・コーラス)、岡崎英美(キーボード・コーラス)、江島啓一(ドラム)の男女5人。
メンバーの山口一郎が語る「良い違和感」を探すことを大事に音楽活動を続け、ロックミュージックやフォークミュージックに四つ打ちのクラブミュージックを融合させた個性的なサウンドは真新しく、サカナクション独自の音楽を生み出しています。
全国ツアーやライブのチケットは軒並みソールド・アウト、夏フェスなどの大型フェスティバルではヘッドライナーを務めるなど、人気実力共に日本の音楽シーンを代表するバンドです。
活動の幅は広く、2015年10月に公開された映画「バクマン。」では、劇中音楽をサカナクションが手がけました。
第39回日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞する快挙を音楽家としても成し遂げます。
2016年11月には株式会社NF(エヌエフ)を設立。音楽にまつわるカルチャーイベントを開催するなど、規定の枠にはまらない活動をさらに広げていきます。
ファッションブランド「アンリアレイジ(ANREALAGE)」のパリコレクションでの音楽を、山口一郎とNFメンバーの青山翔太郎が担当したことも話題になりました。
音楽に対して真摯に向き合う姿は、職人気質のようなストイックさもありつつ楽しむ柔軟性も持ち合わせていて、新しいバンドの在り方や可能性を秘めていますよね。
歌詞に対する山口一郎の繊細なこだわり
楽曲の歌詞を手掛けている山口一郎は、文学を愛しており歌詞を書くことの苦悩を度々Twitterのツイートやインタビューで話しています。ナビゲーターを務めたNHKスペシャルのダビンチ・ミステリーでは、ダビンチから自身の歌詞作業や、自問自答していた「ライスワークとライフワークについて」影響を受けたことを自身のアカウントから発信。
それに対しファンからのリツイートや応援する返信で溢れました。
ファンも山口一郎がデビュー当時から、歌詞に対して強い思い入れを持っているのを共感していることが、サカナクションの個性の一つなのかなと感じます。
そんなサカナクションの独創的なオススメ曲!
多分、風。
アルバム『834.194』に収録されている『多分、風。』。MVは田中裕介監督が指揮をとり、視覚的にもこだわった作品になっています。
このMVの裏コンセプトは「コム・デ・ギャルソンの80年代リバイバル」になっていて、衣装にも注目して見ると面白いですよ。
ライブではメンバーのコーラスが幻想的なレイヤーを演出していて、どこか厳かな雰囲気さえ感じられます。
煌びやかなシンセの音色が、クラブミュージック的な踊れるビートに合わさることで、80年代のドラマチックな雰囲気を再現しているかのように感じました。
SAKANAQUARIUMと名付けられたツアーは、音響設備やスクリーン上映など、プロによる贅沢なクリエイションを堪能できるライブです。
チームサカナクションの技術を五感で味わってみましょう!
ミュージック
ストレートなタイトルの曲『ミュージック』。
アルバム『Sakanaction』に収録されている、この曲はメンバー全員で作曲が行われた、ファンからの人気も高い曲です。
ループする耳触りの良い四つ打ちと情緒的な詩が、どこかシリアスながらも不思議な中毒性があります。
やるせない想いの歌詞から大サビへと大合唱で盛り上がる高揚感は、他とは形容しがたい「まさにサカナクションの音楽!」という曲だと感じました。
ライブでも盛り上がる代表曲の一つです。
忘れられないの
80年代へのオマージュがたっぷり詰まったMVが印象的な『忘れられないの』。
肩パットの入った白いスーツ、ヤシの木のあるスタジオ、夏っぽさが満開のこのMVは、杉山清貴やオメガトライブを思い起こさせます。
『多分、風。』でも80年代が裏コンセプトにありましたが、サカナクションは「80年代」をキーワードに出すことが度々あります。
しかし、こういったシティ・ポップやAORに寄せたテイストの曲は珍しく、新しいバンドの一面を見せた一曲です。
メロウでファンクネスなベースソロや、軽く明るい音色は80年代のサウンドの特徴ですが、サカナクション流にアレンジするセンスがMVのみならず、楽曲にも表れています。
細部の1音1音にこだわる想いが現れたような曲ですね。
バンドの新しい可能性を創っていくサカナクションに期待!
つねに「トライ&エラーを繰り返す」と山口一郎が語るように、変化を恐れず新しいことにチャレンジし続けるサカナクション。
バイノーラルなど前衛的な音響システムを取り入れたり、PAやチームサカナクションの仕事ぶりをテレビで公開するなど、バンドの形としては新しくともコアな部分で音楽への揺るぎない愛が流れています。
ファンもそんなサカナクションのチャレンジし続ける姿勢に、活力をもらっていることでしょう。
これからどんな音楽を聞かせてくれるのか、どんなチャレンジを起こしてくれるのか、ますます楽しみですね。
TEXT Blueb