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ミスチルファン投票1位の隠れた名曲。等身大のラブソング「口笛」

ファン投票で1位を獲得した『口笛』はミスチルの数多くの名曲の一つで、素朴で日常的な幸せに満ちた曲です。桜井和寿による共感力の高い歌詞に誰もがほっこりしてしまうでしょう。この記事ではそんな『口笛』の歌詞の魅力を紹介します。

桜井和寿の鋭い観察眼が光る美しい歌詞


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頼り無く二つ並んだ不揃いの影が 北風に揺れながら延びてゆく
凸凹のまま膨らんだ君への想いは この胸のほころびから顔を出した
口笛を遠く 永遠に祈る様に遠く 響かせるよ
≪口笛 歌詞より抜粋≫
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こんな一節で始まるのがMr.Childrenの『口笛』。

以前ファンクラブで行われた人気曲ランキングでは見事1位を獲得するなど、隠れた名曲として知られています。

その要因は、やはり桜井和寿の鋭い観察眼を通してアウトプットされたディテイールの細かい歌詞でしょう。

長く伸びた二つの影。それだけでなく「不揃いの」という表現を添えることで、背丈の違う若い男女が並んで歩く光景が浮かんできますね。

どんなに付き合いが長く、相手のことを信用していても時には誤解や齟齬は生まれてしまうもの。

ふとしたことで不安になったり、それでもやっぱり安心させられたり。だからこそ恋愛には人を惹きつけてやまない魅力があるように感じます。

凸凹のまま膨らんだ想いをもしも相手に伝え続けなかったら、だんだんと二人の信頼関係は崩れていってしまうかもしれません。

そうならないためにも、胸にこみ上げてきた想いを素直に伝える。

「口笛」というキーワードと共にそんな情景が描かれています。

オトナになっても、素直に生きて欲しい


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さあ 手を繋いで 僕らの現在が途切れない様に
その香り その身体 その全てで僕は生き返る
≪口笛 歌詞より抜粋≫
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歌詞に登場する男性は、「手を繋いで」と素直な気持ちを伝えます。

かつての恋愛でなかなか素直になれずに恥ずかしがってしまった、そんな経験は男女問わず誰しもにあるのではないでしょうか。

そしてそんな時は決まって後になって後悔してしまうものです。

しかし、そんな経験を経てある程度大人になってくると、意識的にカッコつけることがなんだか恥ずかしくなり、素直に気持ちを伝えることの大切さに気づくのでしょう。

『口笛』はそんなちょっぴりオトナになってしまった若者に向けられた曲です。

「思い切って気持ちを伝えて欲しい」というメッセージが込められています。

探してたものは自分の身近にあった


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子供の頃に
夢中で探してたものが
ほら 今 目の前で手を広げている
恐がらないで踏み出しておいで
≪口笛 歌詞より抜粋≫
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人は誰しも学生時代を経験し、そして社会人になっていわゆる「大人」と言われる存在になっていきます。

子供の頃に、誰しもが無我夢中で探し求めていたものとは、喜びや楽しさ、愛情といったポジティブな感情を与えてくれる者の存在ともいえるでしょう。

『口笛』では人生の決して短くはない時間を使ってやっと出会えた「探し物」、それは目の前にいる君のことなのだと歌っています。

桜井和寿による歌詞の大きな特徴として、とても普遍的で「誰にでも当てはまる」ような共感力の高さが挙げられます。

どんな人も思わず昔を思い出して共感してしまう。

これこそ『口笛』が隠れた名曲としてファンから親しまれている理由なのでしょう。


TEXT ヨギ イチロウ

1992年ミニアルバム「EVERYTHING」でデビュー。 1994年シングル「innocent world」で第36回日本レコード大賞、2004年シングル「Sign」で第46回日本レコード大賞を受賞。 「Tomorrow never knows」「名もなき詩」「終わりなき旅」「しるし」「足音 〜Be Strong」など数々の大ヒット・シングル···

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