DREAMS COME TRUE「大阪LOVER」が今なお人気のワケとは。歌詞に描かれた恋人たちのふたつの距離

大阪と東京の近くて遠い距離

2007年に発売されたシングル『大阪LOVER』はユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「ハリウッド・ザ・ドリームライド」のために書き下ろされた楽曲。

「ハリウッド・ザ・ドリームライド」では歌詞の一部を変更した特別バージョン「大阪LOVER ～special edition for USJ～」が流れます。

アトラクションに乗らないと聴けないためドリカムファンはもちろん、「大阪に来たからこの曲」と『大阪LOVER』を選択する方も多いのではないでしょうか。

大阪の名所や大阪弁が取り入れられた歌詞がとても可愛らしく、発売から10年以上経った今も多くの人に愛されている『大阪LOVER』。

遠距離恋愛中のカップルが織りなす短編映画のような歌詞に迫ります。

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“最終に間に合ったよ 0時ちょい前にそっちに着くよ”
メール短すぎたかな? わたしもそっけないけど
新大阪駅まで むかえに来てくれたあなたを見たら
いつもはいてるスウェット 今日も家へ直行か…
≪大阪LOVER 歌詞より抜粋≫
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「最終に間に合った」ということは仕事終わりに新幹線に飛び乗ったのでしょうか。

少しでも早く会いたい気持ちが表れているように感じます。

そんな彼女をスウェットで向かいに来る彼氏。ラフな服装から長年の付き合いなのでしょう。

縮まらない二人の距離

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万博公園の太陽の塔 ひさびさ見たいなぁ!
明日さ、たまにはいいじゃん!!
「そやなぁ・・」って行くの? 行かないの?
≪大阪LOVER 歌詞より抜粋≫
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大阪の観光名所である太陽の塔を久しぶりに見たいと言っていることから、彼女は何度も大阪に来ていることが分かります。

しかし「そやなぁ」と言うだけでハッキリとした答えを出さない彼氏。

のんびりしているのか、優柔不断なのか、それとも彼女といればそれだけでいいと彼なりに考えているのか分かりませんが、その返事に対して彼女は少し不満を感じている様子が伺えます。

頻繁に会えないからこそ、思っていることは口に出して言わないと分かりませんよね。

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何度ここへ来てたって
「一緒に住まへんか?」とは言わないし
楽しそうにしてたって
そこは内心 めっちゃさびしいんよ
近そうでまだ遠い大阪
≪大阪LOVER 歌詞より抜粋≫
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彼女の心情が吐露された切ない歌詞です。

彼と一緒にいるから楽しいし、頻繁に会えないからなるべくケンカもしたくない。

そんな思いからいつも楽しそうにしているけど、決定的な言葉を言い出さない彼に不安やさびしさを感じています。

彼女の男前さとキュートさ

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東京タワーだって
あなたと見る通天閣にはかなわへんよ
なんで そんなに笑って!
一生に一度の告白やんか!
恋しくて憎らしい大阪
≪大阪LOVER 歌詞より抜粋≫
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ついに自分から告白をした彼女。

どっちとも取れない態度の彼氏に一気に思いをぶつけます。

東京タワーよりも彼と一緒に見る通天閣のほうが何十倍も素敵に見える。

きっと彼女は何気ない風景も彼と一緒に見ると特別な世界に映るのでしょう。

それほど彼は彼女にとって大切な人で、だからこそずっと一緒に同じ世界を見ていきたいと思ったのです。

しかし大阪の女になる覚悟を聞かされた彼氏は笑ってしまいます。

すでに自分は大阪の人間だと言わんばかりに大阪弁を使う東京の彼女。

きっと彼は自分の思いを不慣れな大阪弁を交えて必死に伝える彼女の姿を、愛おしく感じたのではないでしょうか。

もし相手が一生懸命に自分のことを好きだと言ってきたら、誰でも照れや可愛さで微笑んでしまうはずです。

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「もうこっち来いや」って言って
あぁ!!! 催促してしもたやないの
近そうでまだ遠いか? 大阪
恋しくて憎らしい大阪!
≪大阪LOVER 歌詞より抜粋≫
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笑っているだけの彼に「もうこっち来いやって言って」と思わず催促してしまいます。

東京と大阪の近いとも遠いとも言える距離が、遠距離恋愛のもどかしさを意味しています。

だから大阪＝あなたが恋しくて憎いんですね。

遠距離恋愛を経験した人なら共感せずにはいられない名曲。

いま遠距離恋愛中の人も、普段なかなか会えない状況の人も、この曲を聴いて相手のことを思うのもいいかもしれませんね。


TEXT サトイ　モノコ