「Laughter」は鳥の名前?
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Official髭男dismの最新曲『Laughter』は、大人気映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」の主題歌として書き下ろされました。
『ノーダウト』『Pretender』に続き三度目の「コンフィデンスマンJP」シリーズ主題歌となります。
この楽曲は2020年8月5日発売のニューEP「HELLO EP」の収録曲で、発売に先駆けて先行配信リリースされました。
この記事では、注目を集めるヒゲダン最新曲の歌詞を考察していきます。
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翼は動きますか?本当に飛べますか?
YesもNoも言わずに真っ直ぐに空を見てた
鳥の名前はラフター ケージを壊した
YesでもNoでもなくて 飛びたいとはしゃいでる声だけで
≪Laughter 歌詞より抜粋≫
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タイトルとなっている『Laughter』。
歌詞中では「鳥の名前はラフター」と、それが鳥の名前であることが言及されています。
本来の意味は「笑い声」ですが、なぜ鳥の名前になっているのでしょうか?
彼らがTOKYO FMのレギュラー番組に出演した際、ボーカルの藤原聡が
「『Laughter』って、笑い声っていう意味じゃん。みんなが心の底から笑えることを、人生の真ん中に持ってこれるように生きてってほしいなってすごく思ったわけ」
と語りました。
つまり心の中に存在する鳥を羽ばたかせることで、笑顔になって欲しいという意味が込められているのです。
心から笑うための「選択」
”心の中の笑顔の鳥”ということを念頭において歌詞をみていきましょう。
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鏡の中を覗いても 羽根ひとつも見つからないけど
空を待ち焦がれた 鳥の急かすような囀りが聞こえる
鉄格子みたいな街を抜け出す事に決めたよ 今
それを引き留める言葉も 気持ちだけ受け取るよ どうも有難う
≪Laughter 歌詞より抜粋≫
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歌詞の冒頭はこのようになっています。
「鏡の中を覗いても 羽根ひとつも見つからない」
つまり表面上に笑顔はなく、自分は笑えていないことがわかります。
ですが「空を待ち焦がれた 鳥の急かすような囀りが聞こえる」から、心の中にある”笑い”の気持ちは外に出たがっているようです。
その囀りを聞いて、笑顔のために街を出る決意をしたんですね。
周りから引き留められたようですが、その決心は固いようです。
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失うものや 諦めるものは 確かにどれも輝いて見えるけど
秤にかけた 自分で選んだ 悔やむ権利も捨て去ってた
≪Laughter 歌詞より抜粋≫
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街を出ることで失うものや諦めるものがあると言います。
「どれも輝いて見える」とそれらは手放し難いものですが秤にかけて、自分で選択をして心の中の『Laughter』を羽ばたかせるために進んでいきます。
『Laughter』は”笑顔”のことだと説明しましたが、おそらくただの笑顔ではないでしょう。
ここまでの歌詞から推測するに、自分が心から満足してやっと手に入れることができる笑顔のことだと考えられます。
人生には様々な選択があります。
職業の選択一つとっても、自分がやりたいことを仕事にする人、給与さえよければそれでいいという人、労働時間が短くて最低限の暮らしができればいいという人など。
どんな選択であれ、妥協で選んだ仕事を続ける限り満足することは出来ません。
お金に余裕がある生活を手に入れても、捨ててしまった夢があれば後悔し続けるでしょう。
そういった後悔をせず自分が選んだ道に満足し、未来で心から笑えることが「Laughter」なのではないでしょうか?
それが、この楽曲に込められたテーマのように思います。
人生には無限の選択肢がありますが、全てを選択することは出来ません。
その中から一つだけを「秤にかけて 自分で選択」をしなければならないと、このフレーズでは言っています。
「自分自身に勝利を告げるための歌」
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翼は動きますか?本当に飛べますか?
YesもNoも言わずに真っ直ぐに空を見てた
鳥の名前はラフター ケージを壊した
YesでもNoでもなくて 飛びたいとはしゃいでる声だけで
膝を抱えた昨日までの自分を 乗り越えたラフター 今日も歌い続けた
自分自身に勝利を告げるための歌
≪Laughter 歌詞より抜粋≫
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サビでは『Laughter』が羽ばたいている様子が描かれます。
覚悟を決めていても、まだ不安は残っていたようです。
ですが「真っ直ぐに空を見てた」「 飛びたいとはしゃいでる声だけで」とその選択が間違っていなかったことを告げています。
心のケージから飛び出した『Laughter』が歌っていたのは「自分自身の勝利を告げるための歌」。
この「自分自身に勝利を告げるための歌」こそ、タイトルに込められた真の意味であり、この楽曲を歌うまでの過程が描かれているのです。
歌詞中にもあるように、輝いて見える選択はたくさんあるでしょう。
ですが「自分自身に勝利を告げるため」の選択は一つしかないはずです。
勇気を出してその選択をするために『Laughter』を聴いてみませんか。
そうすれば「膝を抱えた昨日までの自分」も乗り越えられるはずです。
TEXT 富本A吉
Official髭男dism (オフィシャルヒゲダンディズム) 山陰発4人組ピアノPOPバンド。2012年6月7日結成、島根大学と松江高専の卒業生で結成されており、愛称は《ヒゲダン》。このバンド名には髭の似合う歳になっても、誰もがワクワクするような音楽をこのメンバーでずっと続けて行きたいという意思が···