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斉藤和義「純風」を聴いてありふれた日常の美しさを思いだそう

テレビ朝日「じゅん散歩」のテーマソングとして書き下ろされた斉藤和義ニューシングル『純風』。まさしく”散歩”のようなゆったりとしたリズムに乗せたメロディが心地よい、日常を描いたロックンロールナンバーの歌詞を考察していきます。

散歩がテーマの曲を聴いてリラックス


斉藤和義の新曲『純風』は、高田順次がパーソナリティを務めるテレビ朝日の紀行・情報番組「じゅん散歩」の新テーマ曲として書き下ろされました。

この楽曲は7月1日のオンエアから使用され、それに合わせて同日からデジタルシングルとして発売されています。

番組で散歩をする高田順次をイメージして作られたというこの楽曲の歌詞は、そのテーマどおり、散歩のような些細な日常を切り取った内容となっています。

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風の吹くまま 気の向くまんま
歩いていたら 遠くまで来てた
足跡なんて どうでもいいさ
なんにも知らない事ばかり
まだこの世は楽しい
≪純風 歌詞より抜粋≫
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楽曲のテーマと斉藤和義に抱くイメージがうまく合わさった、風来坊のようなセリフの歌詞からこの楽曲は始まります。

「気づいていたら遠くまで来てた」からこの散歩が目的の定まったものではないことがわかります。


毎日のルーティーンに従ったような規則的な散歩ではなく、体の赴くまま、惹かれるままに街を徘徊しているのですね。

「足跡なんてどうでもいいさ」と来た道を振り返らないことからも、当てのない散歩だということが強調されています。

目的を持って行動したり、スケジュールに従って毎日を過ごす現代人に対して、新しい生き方を提案しているかのようにも思えますね。

スマートフォンがあれば基本的に道に迷うこともありませんし、どこに何があるか、遠い国のことさえも知ることが出来ます。

「それを決して否定するわけではないけれど、何も考えないで歩いてみてもいいんじゃない」

そんな意味が込められているように感じます。

同様に、情報社会においては、知識は絶え間なく供給され続け「なんにも知らないことばかり」と思う機会は少なくなっているように思います。

この楽曲は肩肘を張って生きている私たちにとって、真に必要な曲なのかもしれません。

ありふれていたはずの日常を描く


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綺麗な人と すれ違ったり
知らない人に 絡まれちゃったり
腹が減ったな コロッケを買おう
最高!もう一つくださいな
まだこの世は楽しい
≪純風 歌詞より抜粋≫
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街を歩いてもスマートフォンを眺めてばかり、そんなことはありませんか?

今やスマートフォンで映画も見れる時代ですから、歩いている時間すらも余暇に割くことができる時間に変わったと言えます。

他にも友達からの連絡、SNSのチェック、スケジュールや行き先の確認など歩いている時にスマートフォンを操作する理由はいくらでもあるでしょう。

ですが、たまにはスマートフォンを手放して、街を眺めながら歩いてみませんか。

すれ違った人が好みのタイプで、嬉しくなったり興奮したということも少なくなってきたのではないでしょうか。

街を歩くことで起こる些細な出来事が、生活を彩っていた時代は過ぎ去ってしまったのでしょうか。

そんなことはありません。

あなたが目に見える景色に興味を少しだけ向けることさえ出来れば、ありふれた美しい日常はすぐに手に入ります。

時には「知らない人に絡まれちゃったり」するかも知れません。

それでも「気まぐれで買ったコロッケが美味しい」。

そんな些細な幸せにきっと出会えるはずです。

顔を上げて散歩をしてみませんか


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ヒュルー 風が吹いてる
希望の風だ 涙を飛ばし
スカートめくる
次を曲がろうか まっすぐ行こか
路地裏の猫 屋根に飛び乗った
≪純風 歌詞より抜粋≫
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風がスカートをめくって喜ぶなんて、いかにも斉藤和義らしい歌詞ですね。

野良猫の挙動を視線で追ってしまうというのも散歩あるあるかもしれません。

この曲で描かれるのは、ありふれたなんでもない日常かもしれませんが、その風景はあなた次第で陳腐にも美しくもなります。

考え方一つで、目に映る景色の色はどんな色にも変わるということです。

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なんにも知らない事ばかり
まだこの世は楽しい
何が起きるかわからない
まだこの世は美しい
≪純風 歌詞より抜粋≫
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何にも知らないことを楽しいと感じる。

何が起きるかわからないことを美しいと感じる。

そんな新たな考え方を得る第一歩として『純風』を聴きながら散歩に出てみてはいかがでしょうか。


TEXT 富本A吉

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