ドラマで監督さんから…
──まずは、土曜ナイトドラマ『M 愛すべき人がいて』に出演した感想を教えていただけますか?安斉かれん:お芝居はもちろん、本当に全部初めてのことばっかりだったので、不安なこともたくさんありましたけど、とても楽しく貴重な経験をさせていただいたなと思います。現場も和気藹々としていて楽しかったし、それで安心できたというのもあるけど。新しいことに飛び込むって大変だけど、やってみたら楽しかった。何でも楽しんじゃおうと思えば、楽しめるなと思いました。
──『M 愛すべき人がいて』は、ストーリー展開も早かったし、普段には無いテンションの高さを必要とされるドラマだったと思うんですね。そのテンションをキープするのが大変だったのでは?
安斉かれん:そこは、本当に難しかったです。1~2話って15~16歳の頃を演じたんですけど、普段の自分が出ちゃう時があって。それで監督さんから「今のテンション、おばさんっぽいよ」とか言われたりしていました(笑)。でも周囲の方の、カメラが回ると、本気でドラマの役のテンションになっていくんです。だからそこに引っ張られて、私もテンション高くいける……って感じでした。
──なるほど。普段の生活の中で、周囲の人のムードやテンションによって、自分がかわることはありますか?
安斉かれん:めっちゃ変わりますね!(笑)明るい人といたら明るくなるし。でもひっぱられても、それも自分。全部、自分だから。
制作期間4年の新曲
──新曲『僕らは強くなれる。』について伺います。資料を拝見したら、かなり制作期間が長かったみたいですね。安斉かれん:そうですね。歌詞を書きはじめたのが4年くらい前。今回は、京都橘高校の吹奏楽部の皆さんに演奏に参加していただいていて、この曲のミュージックビデオでも共演させていただいたんですが、コラボレーションすることが決まって、一緒に作り始めてからだけでも2年経ちます。ミュージックビデオを撮影したのは、去年の夏だったりするので、すごく長い時間をかけた作品です。
──元々あった曲に、歌詞をつけていった?
安斉かれん:そうです。
──それは4年くらい前ってことですね。
安斉かれん:そうです。まだ高1~高2くらいでした。最初は、ブラスバンドアレンジも無くて、ギターを活かしたシンプルなバンドアレンジだったんです。この曲、じつは4年間で4回レコーディングしてるんです。
──シンプルなバンドアレンジバージョン、今のようなブラスバンドアレンジバージョンと、いろいろなバージョンがあるってこと?
安斉かれん:はい。ブラスバンドアレンジからも2回レコーディングしていて。4年間、いろんな試行錯誤をして出来た曲なんです。
高1~高2で書いた歌詞
──4年前、歌詞を書いた当時のことを思い出せますか?安斉かれん:私、中学3年間、吹奏楽部だったんです。その時の想いを書いています。歌詞って、その瞬間、その瞬間にしか書けないものが出て来ると思っていて。だからこの曲の歌詞は、高1~高2の頃の自分そのまま。
──では、高1~高2の自分を、今改めて歌詞から振り返ってみるとどんな人だった?
安斉かれん:今、改めてみると、すごく真っ直ぐだな、と。この歌詞は、当時でしか書けなかっただろうなと思いますね。……昔の日記を読んでいるようなくすぐったい感覚も少しあります(笑)。
──4年前に書いた歌詞だからこそ、当時の自分を振り返ることが出来る。それはつまり、歌詞自体を俯瞰で捉えることが出来る状態でもあると思うんです。その視点をふまえて、自分がいいなと思うフレーズはどこですか?
安斉かれん:この曲の元々のテーマでもあるんですけど「破いたページの分だけ 僕らは強くなれる」って部分。ここは、とても気に入っています。今でもそうだと思うし、失敗でも成功でも挑戦することが大事だと思っています。
──挑戦するのは、エネルギーがいりますよね。
安斉かれん:いりますねーっ。でも最初から無理って思うよりは、挑戦したもの勝ちだなといつも思うんです。
歌うなら自分で歌詞を
──歌詞を書こうと思った理由は?安斉かれん:私、ずっと楽器だけやっていたんですよ。
──なるほど。吹奏楽部もインストゥルメンタルですしね。
安斉かれん:そうなんです。だから歌詞とかあまり意識してなかったんですけど、やっぱり音楽がやりたいと思った時に「音楽やるんだったら歌もやりたい」と。それで高校1年生の頃から歌もやり始めたんです。そのタイミングで、「歌うんだったら、やっぱり自分の歌詞がいいな」と思って、歌詞を書き始めました。最初は全然、歌詞がどういうものか、わかってなかった。わかってない中で、書き始めたんです(笑)。
──あぁ、歌詞のセオリーとか、メロディーに乗せるみたいなノウハウをまったく知らなかったということですね。
安斉かれん:そうなんです。もう、最初はまったく何もわからなかった。今回の曲を書いたときも、分からないまま書き進めて、今思うと、あぁ、曲に助けられたなぁと思う部分が多いです。
──知らないのに、書いちゃったって感覚?(笑)
安斉かれん:そうなんですよ。もう、今、びっくりしました!
──こっちがびっくりですよ(笑)。もしかしたら、耳でわかってたのかもしれないですね。譜わりとか、感覚的にわかっていたのかも
安斉かれん:どうでしょうね。自分ではわからないです(笑)。
──ですよね(笑)。いや、言葉がちゃんとメロにのってるから。でもそんな意識もなく書いたってことですもんね。いやぁ、びっくりした。
──すごいね。
安斉かれん:ありがとうございます。嬉しいです。
吹奏楽が好きで好きで
──さっきおっしゃった「挑戦」という意味では、ブラスバンドアレンジも斬新な挑戦ですよね。アイデアは安斉さんから出て来たそうですね。
安斉かれん:中学生の時に、吹奏楽をやっていて。ずっとアルトサックスをやっていたんです。そういうのもあって、いつか作品でもやっていた楽器を活かしたいなと思っていたんです。
今回の曲では、アルトではなく、ソプラノサックスをやらせていただいたんですけど。曲を作っていく中で、スタッフさんたちともいろいろ話させていただいて、私が普段見ているYouTubeとかも見ていただいたりして。その中に、京都橘高校の吹奏楽部の皆さんの映像があったんです。京都橘高校の吹奏楽部がすごいことは、ずっと前から、もちろん知ってはいたんですけど。この話をスタッフさんとしたのは、2年半前くらいだったかな。
──京都橘高校の吹奏楽部って、吹奏楽をやって来た人には別格なんでしょうね。「オレンジの悪魔」とも言われるマーチングの映像とか、めちゃくちゃカッコいいですし。
安斉かれん:ですよね!そうなんですよ。めっちゃカッコいいんですよね~!
──お、テンション上がりましたね。本当お好きなんですね、吹奏楽という音楽が。私も2年くらい前から「美爆音」という言葉から、吹奏楽部の存在にはまって。いろいろ検索して観ました。今でも時々観ます。
安斉かれん:本当ですか!いいですよねー。中学の頃から本当に好きで好きで。だからいろんな、高校の吹奏楽部の映像をYouTubeとかで観ていたんです。いつも、いいね、いいねって言いながら観てます。