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【インタビュー】話題の安斉かれんは、吹奏楽オタク? 京都橘高校・吹奏楽部を迎えた新曲リリース (2/2)


力強さを出したかった


──『僕らは強くなれる。』にブラスバンドアレンジを入れたいと思ったのは、やっぱり歌詞の内容とリンクしてる?

安斉かれん:そうですね。歌詞の内容から、力強い感じを出したいなとは思いましたね。


──YouTubeで吹奏楽部の映像とか観てると、それだけでうるっときちゃうんですよね。

安斉かれん:わかります! ありますよ、あります。本当にそうなっちゃう、私も。

──なんでしょうね、あれ(笑)。

安斉かれん:本当、なんなんでしょうね。……たぶん、一生懸命さが伝わってくるっていうか。思いが伝わってくるからじゃないでしょうか。


──なるほど。安斉さんの中で、一生懸命であること……つまり頑張ることは普通? 「頑張る」って言葉についてはどんな印象がある?

安斉かれん:うわぁ、それ……むずかしいですね(笑)。


──すみません(笑)。

「頑張れ」と「頑張る」の違い

安斉かれん:いえ、全然! 大丈夫です!…(考え中)……私「頑張れ」は嫌いなんです。言われて、その人に対してありがたいなとは思うけど、正直言うと、言うのも言われるのも嫌い。でも「頑張る」は自分の意志が入ってるから、いいかな。


──頑張って当たり前とかは思う?

安斉かれん:あー……どうなんだろう。ものによるかな。うーん……やっぱり当たり前なのかな、難しいです、すごく(笑)。でも、当たり前が普通に出来ないことも、たくさんありますから。


──おっしゃる通りですよね。当たり前を普通にすることの難しさって、この半年で誰もが痛感したことでもあるでしょうしね。

安斉かれん:そうですよね。あと、当たり前って、人によって違いますしね。

──そうですね。当たり前の基準がね、人によって違う。

安斉かれん:だから難しいです。だから、簡単に「頑張れ」とか言えないんです。


──中学で吹奏楽部に入部したきっかけ、理由は? 

安斉かれん:小学生の頃、お父さんにローリングストーンズのライブに連れて行ってもらったんです。そのライブで、ストーンズのバックで管楽器を吹いているメンバーがいて。アルトサックスかテナーサックスだったと思うんですけど、めっちゃカッコいいと思って。私もやりたいなと思ったんです。それで吹奏楽部に入ったんです。

赤じゃなくてピンク

──そこでアルトサックスにいったところが……ちょっと変わってますよね。これがジャズやビックバンドのライブだったら、サックスにいくのもわかる。でもローリングストーンズだったんでしょう? 面白いです(笑)。


安斉かれん:その時観たローリングストーンズの曲の中でも、やっぱりジャズっぽい曲で「サックスかっこいい!」ってなったんですよ。だから私は、ジャズに憧れてサックスを始めたんですけど、吹奏楽部はクラッシックだった。でも、実際にやってみて、クラシックもカッコいいと思ったんですよ。今だったら、サックスだけで言えば、クラッシックの方が好きかもしれない。


──なるほど。もう少しつっこみますね。管楽器でどんな音色が好きです? 吹く人によっても指揮者によっても変わるじゃないですか。

安斉かれん:そうなんです。同じ楽器でも吹く人によってまったく違う音が出るんです。そこがすごく面白い。例えば、管楽器って、パキッと元気な音を出す人ってカッコいいタイプだと思うんです。


──あぁ、なるほど。例えば「美爆音」で目立つのは、そういうシャープなパキッとしたパターンですよね。

安斉かれん:そうです! 色に例えたら、赤とかオレンジみたいな。それも素敵ですが、よりもう少し丸みがあるような……黄色とかピンクみたいな、ふわっとした優しい音の方が好きなんです。


──あぁ、なるほど。言われてみて『僕らは強くなれる。』のブラスバンドアレンジに通ずるものがありますね。

安斉かれん:そうですか? 嬉しいです、それは。中学の時「黄色とかピンクのパステルカラーの音を出したい」と言って、楽譜のファイルをピンクとか黄色とかにしてずっと想像しながら吹いてました。そういうので、本当変わるんですよ。すごく楽しかったですね。


──面白いですね。今回の曲のボーカルレコーディングの際に、その経験は役立ちました?

安斉かれん:そこは、楽器と歌はまた違うというか。私が歌をまだそこまで理解出来ていないというか。声は変えられないから、色では考えたことがまだ無いですね。クリアにキレイにっていうとこで、精一杯。

自分の歌声について

──最初に自分の歌声を聴いた時のこと覚えています?

安斉かれん:めっちゃ嫌だったなぁ(笑)。自分が普段聞いてる声と、全然違うので。元々、動画とかで自分の声を聴くのもめっちゃ嫌いだったんです。恥ずかしかった。今はさすがに慣れましたけど。


──自分の歌を聴いて、例えば“もっとこう歌いたい”みたいなビジョンは出てきました?

安斉かれん:歌い始めたばっかり、それこそ初めて自分の歌声を聴いた時には、正直、無かったです。レコーディングでブースに入って歌うというのも初めてだったし、どう受け止めたらいいかもわからないし、どういう方向にいけばいいのかとか、どういう形のボーカルがあるのかも、わからなかったから。喉も楽器だと思っていて、そこをどう鳴らせばいいのかがわからなかった。今は少しずつ見えては来ていると思うんですけど、まだまだわからないことばかりで、すごく難しいです。



──そんな中、今、ボーカリストとしての自分をどう分析してる?

安斉かれん:私、曲調によって、歌い方が変わるタイプだと思うんです。曲で変わっちゃうんです。今回の曲は、歌詞の内容もあって、真っ直ぐ歌う、伝えるってところが重要だと思ったから、そうなるように歌いました。

歌い方よりも、歌詞の意味や内容を考えながら歌うようにしました。でも例えば、趣味とかでR&Bを歌ったりするときは、全然違う歌い方したりしますし。いろんな挑戦をしてる最中。本当、もっといろいろ挑戦したいし、いろいろ出来るようになりたいです。

落ち込んだ時の対処法


──ちょっと質問のアプロ―チを変えて。新曲の歌詞から言葉を拝借してイメージした質問です。失敗した時の立ち直り方は?

安斉かれん:なんだろう・・・


──小さなことでもいいんです。落ち込んだ時の立ち直り方を教えてください。

安斉かれん:えーと……落ち込むのも必要だと思うんです。けど、長く落ち込まなくていいというか。失敗を失敗だと思わないことかな。やらないよりは良いというか。切り替えていくのが大事だと思うんですけど、でもすごく落ちた時って、そういう切り替えが出来ないこともある。そういう時は……寝ます(一同爆笑)


──賢い!(笑)

安斉かれん:それが1番いいと思うんです。後悔しても出来なかったことは変わらないし、今出来ないことも、次は出来るかもしれない。だから、次に頑張ろうと思うことが大事かな、と。そのためには、1度スイッチ切るのがいいと思うから、寝ちゃう(笑)。


──健全。脳が疲れてたら、判断も出来ないから。

安斉かれん:そうなんですよ。考えても答えが出ないことなんて、本当にたくさんあるから。でも、どっぷり落ちたい時もあって。そういうときは、音楽聴いたり、泣ける映画観たりします。でも立ち直る時は、とりあえず寝る! それで次の日はすっきり。これは、私が寝るとリセットされるタイプだからだと思うんですけど。そういうタイプじゃない人もいらっしゃると思うから、この方法がすべてじゃないと思うんですけれど。


──わかりました。ありがとうございます。歌詞を書く際、喜怒哀楽の中でテーマになりやすい感情は何です?

爆弾発言?デビュー前は…

安斉かれん:哀かな。ハッピーな時って、浮かぶんですけど、こう……書きたいみたいな感じになることは少ない。堕ちている時に、いっぱい思ったりする中で、書きたい言葉が出て来る。


──この曲を書いたときは?

安斉かれん:えーと……こんなこと言ったら……スタッフの皆さんに申し訳ないかもしれないけど……この曲の歌詞を書いた時は、結構、病んでたと思う。デビュー前で不安だったからからかな(笑)。


──笑い飛ばせるくらい過去のことなのかぁ。

安斉かれん:そうですね。今、全然違うから。


──歌ってて、当時の事を思い出して、哀しくなったり、ネガティヴになったりはしない?

安斉かれん:なる時もあるけど、ならない時もあるって感じです。歌詞を書く時もその曲を歌う時も、それぞれの感情ってあると思ってて。その時、その時の感情を大切にしたいなと思ってるんですね。だから、変にネガティヴにならずに、その時の感情で歌いたいと思ってます。


──あぁ、素敵ですね。それって、1曲でもいろんな曲になるってことに通ずると思いますから。では最後に。これからの「安斉かれん」のビジョンを教えてください。

安斉かれん:作曲にも挑戦したいし、たくさんの音楽をもっと自分の中に取り込んでいって、いろんなジャンルの音楽が出来るようになりたいなと思ってます。


TEXT 伊藤亜希
PHOTO 片山拓

1999年生まれ 神奈川県藤沢市出身の20歳。 『ポス(ポストミレニアル)ギャル』と呼ばれる次世代型ギャルの一人。 渋谷の人気ショップ 「RELECT by RUNWAY CHANNEL Lab.」で店員として働きながら、デビュー前から多くのファッション・メディアに登場し、コスメティックブランドM・A・Cの店頭コレ···

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