35年間愛され続ける人気アニメ!
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1985年から放送された『機動戦士Zガンダム』は、人型ロボット兵器「モビルスーツ」のパイロットであるアムロやシャアが活躍した、『機動戦士ガンダム』の戦争から7年後の世界を舞台に描いた作品です。
放送当時は主人公が強敵に立ち向かっていく姿や、悲劇性の強い脚本が視聴者に衝撃を与えました。
2018年にNHK BSで放送された『発表!全ガンダム大投票』では、初代作に次ぐ第2位にランクインするなど、放送から30年以上経った現在もファンから愛されてます。
ガンダムシリーズの方向性を示したアニメ『機動戦士Zガンダム』のあらすじや見どころを紹介していきましょう。
「機動戦士Zガンダム」あらすじと魅力を紹介
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地球連邦軍とジオン軍が繰り広げた一年戦争から7年後の世界。
勝利を収めた連邦軍は特殊部隊ティターンズを結成し、ジオン軍の残党狩りを名目に宇宙に住む人々を弾圧していたのです。
そして、毒ガス兵器を使用するなど非道な方法で人々を支配するティターンズに反対する人々がエゥーゴを結成し、ティターンズと戦闘を繰り広げていました。
ある日、エゥーゴのクワトロ・バジーナ大尉は、ティターンズの拠点と人型ロボット兵器「ガンダムMk-Ⅱ」の偵察へ向かいます。
その頃、民間人の少年カミーユ・ビダンはティターンズの軍人と喧嘩を起こしたため、取調べを受けていました。
そこに試験中の「ガンダムMk-II」が墜落し、カミーユはそれを奪って取調官を攻撃します。
その後カミーユはクワトロ・バジーナ大尉と出会い、エゥーゴと行動を共にすることになりました。
しかしカミーユはティターンズに目をつけられ、両親を目の前で失ってしまいます。
両親の死と毒ガス兵器を使用された凄惨な現場を見て、ティターンズへの憎悪を強めたカミーユは戦うことを決意するのでした。
『機動戦士Zガンダム』は、戦争により命が失われ、悲しみが広がっていく連鎖を断ち切ろうと奮闘する少年カミーユと、彼に影響を受けて過去と向き合うシャアの物語です。
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『機動戦士Zガンダム』は、戦争の愚かさや命の尊さが描れています。
命の限り戦うパイロット達の生き様を観ることで、戦争について考えさせられるのです。
様々な思惑が入り乱れていく戦場や政治情勢は現代社会に通じるところがあり、引き込まれるでしょう。
それぞれの勢力に正義があり、戦争に巻き込まれた主人公の視点を通して何が善で何が悪なのか考えさせられます。
敵味方問わず多くの人物との出会いと別れを経て、戦争を作り出す要因を探っていくカミーユ。
人々が理解し合えることを願いながら前進していく彼を応援したくなるでしょう。
心に残る名ゼリフも多く、惹きつけられること間違いなしです。
また、モビルスーツと呼ばれるロボット兵器がたくさん登場し、それぞれの正義をぶつけ合う見応え抜群の戦闘が繰り広げられます。
本作の恋愛要素や主人公機の乗り換えなどが、ガンダムシリーズの土台を築き上げたといってもいいでしょう。
強い魅力と存在感を放つ登場人物達に注目
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『機動戦士Zガンダム』には、現在も絶大の人気を誇るキャラクター達が多く登場します。
なかでも活躍の多い登場人物を中心に紹介しましょう。
■シャア・アズナブル/クワトロ・バジーナ(cv.池田秀一)
かつてアムロ・レイと対戦を繰り広げたジオン軍のエースパイロット。本作ではエゥーゴのパイロットとして活動。
■カミーユ・ビダン(cv.飛田展男)
繊細で感情の起伏が大きい17歳の少年。許せない気持ちを武器に多くの敵に立ち向かう。
■アムロ・レイ(cv.古谷徹)
一年戦争の英雄である22歳の青年。本作では政府の監視下に置かれており、愛する人を撃ってしまったことを悔やみ続けていた。因縁の敵であるシャアと7年振りの再会を果たす。
■ファ・ユイリィ(cv.松岡ミユキ/劇場版:新井里美)
カミーユの幼なじみで彼の世話をよく焼いている。カミーユの力になるためパイロットを志願する。
■ジェリド・メサ(cv.井上和彦)
ティターンズに所属するパイロット。高いエリート意識と強いプライドの持ち主でカミーユと何度も衝突する。
■パプテマス・シロッコ(cv.島田敏)
カミーユと戦う強敵。洞察力が高い天才的なパイロットであり、オリジナル機体開発も得意としている。
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■フォウ・ムラサメ(cv.島津冴子/劇場版:ゆかな)
投薬や洗脳で人の潜在能力を引き出した強化人間。失った過去の記憶を取り戻すために戦っている。
■ハマーン・カーン(cv.榊原良子)
一年戦争で負けたジオン軍の残党勢力を指揮する女性。パイロットとしても高い技量を持ち、エースパイロットと互角の戦いを繰り広げる。
他にも多彩な人物が登場しますが、『機動戦士Zガンダム』には完全な悪人も完全な善人もいません。
それぞれに抱えている過去の苦しみや信念があり、その心に従って動いているのです。
戦時下の人々の心理を繊細に描いており、胸が締め付けられるでしょう。
色褪せない格好良さにあふれた「Z・刻を越えて」
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23話までの主題歌『Z・刻を越えて』を歌うのは、シンガーソングライターの鮎川麻弥です。
『重戦機エルガイム』の後期主題歌や『機甲戦記ドラグナー』の主題歌など、ロボットアニメファンを唸らす主題歌を歌い上げた実力派歌手です。
この楽曲はニール・セダカの『Better Days Are Coming』をアレンジし、ガンダムシリーズの監督を務める富野由悠季が井荻麟名義で作詞した楽曲となります。
都会的でリズム感のある音楽と鮎川麻弥の艶やかでハリのある歌声がクールな世界観を演出し、リズムが心地いいですよ。
当時ロボットアニメの主題歌が、オシャレな歌謡曲風のメロディーというのは珍しく、視聴者に衝撃を与えました。
「若さをもって時代を切り拓け」という歌詞からは、次世代への富野監督の期待や願いが感じられます。
苦しくても戦うことを選んだカミーユや過去と向き合うことを決めたシャアの心情とマッチしています。
音楽が放つ懐かしさや格好良さに鮎川麻弥の歌声が見事に調和した、素敵な楽曲です。
オープニング映像も美麗なタッチで描かれており、キャラクターやモビルスーツの魅力があふれています。
観れば釘付けになる素晴らしい映像と共に堪能してみてください。
悲しみを優しい歌声で包み込む名曲「水の星へ愛を込めて」
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24話以降の主題歌『水の星へ愛をこめて』を歌うのは、歌手の森口博子。
この楽曲は彼女のデビュー曲で、30年以上経過した今もコンサートで歌っているほど森口博子にとって思い入れの深い楽曲でしょう。
また、NHKガンダム総選挙のミュージック部門で1位に輝いたほどファンから長く愛される主題歌でもあります。
この楽曲は、人々が争うことなく地球と共存することを願ったメッセージソング。
人は争うものではなく、手を取り合うものだと教えてくれるでしょう。
切なく壮大な音楽、森口博子の透明感のある歌声が、アニメ後半の切ない物語と見事にマッチしています。
サビの「もう泣かないで今あなたを探してる人がいるから」という歌詞がシリアスな物語に対する救いのように感じ取れるでしょう。
悲しみや孤独も包み込むような歌声に惹かれ、何度も聴きたくなる名曲です。
ヒロインの祈りが心を救うED「星空のBelieve」
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エンディングテーマ『星空のBelieve』は、『Z・刻を越えて』を歌う鮎川麻弥の楽曲です。
エンディングアニメではヒロインのファ・ユイリィがマスコットロボのハロと一緒に宇宙を駆け抜ける姿が描かれています。
ファ・ユイリィの幸せは、温かく平和な世の中でカミーユと寄り添いながら生きること。
しかし戦争でそれが叶わない以上、彼女は同じパイロットとして彼を支えることを選びます。
この楽曲には、彼と笑顔で平和に生きることを願う彼女の祈りが込められているのでしょう。
星が瞬くようなキラキラしたサウンドと鮎川麻弥の爽やかな歌声が、聴く人を癒してくれます。
重たく暗い展開が起きても、心を救ってくれるエンディングテーマです。
苦しい時こそ前向きに生きていくことを伝えたこの楽曲は、新型コロナウイルス感染症により閉塞した世の中で生きていく私たちにも元気を与えてくれます。
30年以上経った今聴いても心が潤う名曲です。
一話きりの放送で視聴者の心を掴んだ名曲「銀色ドレス」
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挿入歌『銀色ドレス』は『水の星へ愛を込めて』を歌った森口博子の楽曲。
第20話「灼熱の脱出」でフォウが命がけでカミーユを宇宙へ送り出す場面の挿入歌です。
この楽曲が使われたのは第20話のみですが、現在も多くのファンから愛されています。
作詞を担当したのは、井荻麟こと富野由悠季監督。
一人称は「僕」ですが、女性の口調で綴られており、カミーユとフォウのことを歌っていると想像できます。
フォウとカミーユは12時までという限られた時間で密会を重ね、互いの心の穴を埋め合っていました。
そんなシンデレラのような密会をしていたことからタイトル名に「ドレス」を付けたと考えられます。
「今日という日はよかった」と互いに喜びながら、もう二度と会えないかもしれない彼らの別れを歌った切ない名曲です。
カミーユとフォウを思い浮かべながら、森口博子の透明感のある美しい歌声を聴いてみてください。
音楽、ストーリー、心理描写どれも心に刻まれる傑作
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アニメ『機動戦士Zガンダム』は、何年経っても何度見ても胸に沁みる作品です。
人々の思惑が交錯するリアルな社会情勢と登場人物の繊細な心理描写。
手に汗握る戦闘シーンや作品を印象的に彩る主題歌など、心を掴む要素がたくさんあります。
なかでもクライマックスの戦闘シーンは主人公カミーユの健闘に胸が躍り、結末に涙するでしょう。
心に刻まれる傑作をぜひ堪能してみてくださいね。
TEXT Asakura Mika