初アルバム「unknown」をリリース
ハッと目を奪われるような可愛らしくも美しいルックスが印象的な女性シンガー『ReoNa』。「前を向いて頑張れ!」という応援ソングではなく、絶望に寄り添う曲を歌う「絶望系アニソンシンガー」として注目を集めています。
先日、YouTubeの人気チャンネル『THE FIRST TAKE』にて4枚目のシングル『ANIMA』を力強く歌い上げたことでも話題を呼びました。
そんな彼女が2020年10月7日、初のオリジナルアルバム『unknown』を発売。
早速、その表題曲でもある新曲『unknown』の歌詞や楽曲の内容に迫ります。
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友達の前の僕は優しくて
先生の前の僕は大人しい
家族の前の僕は無口で
本当の僕は誰も知らない
≪unknown 歌詞より抜粋≫
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冒頭からグッと心を掴まれる歌詞ですね。
周囲の人と円滑に付き合っていくためには、嘘も方便。
時には自分を偽ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、自分の意志よりも周囲との関係性を優先することに対して「これは本当の自分じゃない」なんて落ち込んでしまうこともあるのではないでしょうか。
『unknown』は、そんな疲れた心にそっと寄り添ってくれるような優しい楽曲なのです。
あなたのせいじゃない
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言いたいことを我慢して
思った心に蓋をした
何者かになれるように
人には名前がついてるけど
それだって自分で決めたんじゃない
≪unknown 歌詞より抜粋≫
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人はみんな「名前」を持っています。
でもそれは最初から持っていたものではなく、後から誰かがつけたもの。
つまり自分の意志とは関係なしに生まれた物です。
そしてそれはイメージも一緒。周囲が勝手に決める物ですよね。
それにもかかわらず、周りが自分に対して抱くイメージに合わせてしまうことがあるかもしれません。
しかし、それは周りのイメージに合わせようとする自分が悪いわけではないのです。
サビでは「あなたのせいじゃない」と温かく励ましてくれます。
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空が青いのは空のせいじゃない
夕焼けが赤いのも陽のせいじゃない
あなたらしく生きれないとしたら
それは優しいあなたのせいじゃない
≪unknown 歌詞より抜粋≫
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周囲を優先することで自分を見失いがちな方にとっては、じんわりと心に染みる歌詞ですね。
また、2番でも周りに気を配りながら自分を隠して過ごす様子が歌われています。
心が疲れている方はどっぷり共感できると思いますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
本当の自分を晒け出す恐怖
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本当の自分をさらけ出したら
きっと壊されてしまう
怖い、怖い、怖い
≪unknown 歌詞より抜粋≫
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こちらは3回目のサビの後の歌詞。
「壊れてしまう」ではなく、「壊されてしまう」と表現されているのはなぜでしょうか?
もしかしたら偽りの自分に慣れすぎて、「本当の自分」を別物として捉えているのかもしれませんね。
本当の自分によって、今まで築き上げてきた人間関係などが壊されてしまうかもしれない。
だから、本当の自分には出てきて欲しくない。
そんな思いを抱えながらも、自分の想いが溢れるシーンも描かれています。
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空が青いのは空のせいじゃないし
夕焼けが赤いのも陽のせいじゃないけど
泣けちゃうくらい綺麗だと思うのは
あなた自身が感じたから
≪unknown 歌詞より抜粋≫
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途中「本当の僕など何処にも無い」という歌詞がありますが、自分を偽りながらも、自分の中にはきちんと自分がいるようです。
綺麗なものを見たら綺麗だと思い、感動したら涙を流すくらいに心が生きていることがこの歌詞からわかりますね。
ちなみに、楽曲の最後は次のような温かいメッセージで締めくくられます。
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それは愛しいあなたのせいじゃない
≪unknown 歌詞より抜粋≫
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「愛しい」というフレーズに愛を感じますね。
どんな自分でも、愛しく思ってくれる人がきっと何処かにいる。
周りに合わせることが多くても、そんな自分すら好きになれるような心温まる一曲です。
周囲を気にして本当の自分を見失いかけている方、ぜひ『unknown』から勇気をもらってくださいね。
TEXT ゆとりーな