耳に残る印象的なサビから始まる
欅坂46は2015年に結成されたアイドルグループ。
1stシングル『サイレントマジョリティー』を発売し、「笑わないアイドル」として有名になりました。
不動のセンター・平手友梨奈が2020年の1月に脱退し、10月14日に「櫻坂46」として再始動。
秋元康作詞の『二人セゾン』は、2016年11月30日にリリースされた欅坂46の代表曲で、タイトルの「セゾン」はフランス語で「季節」という意味を持ちます。
洗練されたメロディに、垢抜けていない可愛らしい歌声が特徴的な『二人セゾン』にはどのような意味があるのか、歌詞から読み解きます。
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二人セゾン
二人セゾン
春夏で恋をして
二人セゾン
二人セゾン
秋冬で去って行く
一緒に過ごした季節よ
後悔はしてないか?
二人セゾン
≪二人セゾン 歌詞より抜粋≫
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冒頭は耳に残るメロディから始まります。
「春夏」「秋冬」といった歌詞から、一年の思い出を振り返っている姿が想像できるのではないでしょうか。
この一部分で2人の「出会い」と「別れ」が伺えます。
本当の「僕」に出会うきっかけをくれた「君」
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道端咲いてる雑草にも
名前があるなんて忘れてた
気づかれず踏まれても
悲鳴を上げない存在
誰かと話すのが面倒で
目を伏せて聴こえない振りしてた
君は突然
僕のイアホン外した
What did you say now?
太陽が戻って来るまでに
大切な人ときっと出会える
見過ごしちゃもったいない
愛を拒否しないで
≪二人セゾン 歌詞より抜粋≫
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この歌詞の主人公は「僕」。『二人セゾン』のMVを見ると、年齢は高校生くらいだと推定できます。
「僕」は道端の雑草を自分自身に例えているのでしょう。
クラスでも友達を作らず、常に音楽を聴いていて過ごしている姿が想像できます。
自分から行動するのが怖かったのかもしれませんね。
そこに突然現れた「君」は、「そのままだともったいない。自分から愛を受け入れて」と「僕」に伝えます。
正反対の性格である「君」と「僕」の出会いが描かれています。
「モノクロ」の世界で生きていた「僕」に「君」が教えてくれた
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君はセゾン
君はセゾン
僕の前に現れて
君はセゾン
君はセゾン
日常を輝かせる
昨日と違った景色よ
生きるとは変わること
君はセゾン
≪二人セゾン 歌詞より抜粋≫
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ここの歌詞では「僕」が「君」に向けて歌っていると同時に「君」の人物像も見えてきます。
明るく天真爛漫な「君」。
「君」は狭い世界で生きていた「僕」の見ている景色を変えてくれました。
「春」「夏」「秋」「冬」それぞれの季節にイメージカラーがありますよね。
「僕」はきっと全部同じ色に見えていたのでしょう。そこに色を差してくれたのは「君」だったのです。
「四季」のように人も日々生まれ変われる
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秋冬で去って行く
儚く切ない月日よ
忘れないで
花のない桜を見上げて
満開の日を想ったことはあったか?
想像しなきゃ
夢は見られない
心の窓
春夏秋冬 生まれ変われると
別れ際 君に教えられた
≪二人セゾン 歌詞より抜粋≫
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ここの歌詞では「僕」に「君」が教えてくれたメッセージが並べられています。
「別れ際」という歌詞から「僕」と「君」は別れた様子が伺えます。
ところが「僕」は別れに対して後ろ向きでなく、前に向かって歩き出している姿が想像できるのではないでしょうか。
「世界はカラフルで素晴らしい」と教えてくれた「君」に感謝している「僕」。
『二人セゾン』は、「出会い」や「別れ」を恐れる人たちに向けた「自ら行動していこう。別れは決してマイナスではなく、自分が前に進んでいる証拠」といったメッセージが込められた応援ソングなのです。