聴く人を元気づける3人組ボーカルユニット
聴き手に寄り添うストレートな歌詞と、温かさと力強さを持つ歌声が魅力的な「ベリーグッドマン」。
RoverとMOCA、HiDEXの3人組で結成されたボーカルユニットです。
これまで『友達の歌』『大切なもの』など、聴き手の生活に寄り添う楽曲、恋する人やスポーツに打ち込む人への応援歌などを歌ってきました。
彼らの楽曲は共感できる歌詞が多く、曲を聴くと前向きな気持ちや温かい気持ちにさせてくれます。
そんな彼らが、2020年10月28日に6枚目となるアルバム『TEPPAN』をリリース。
収録された楽曲のなかでもYouTubeで先行公開された『アイカタ』のMVは、公開から1ヶ月で再生回数110万回を突破し、SNSでも話題となりました。
この楽曲は、お笑い芸人ミルクボーイの2人に向けて作詞したそうです。
『アイカタ』というタイトルに込めた想いとは何でしょうか?
早速、歌詞を読み解いていきましょう。
強い信頼と同じ夢
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お前の隣は俺しか似合わない
俺の隣はお前しか似合わない
同じように 歩いたストーリー
また同じように あの日の夢に
辿り着こうぜ 相方
≪アイカタ 歌詞より抜粋≫
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歌い出しから、パートナーを心から信頼していることが伝わってきます。
同じ目標に向かって歩いてきた2人。
しかし、昔掲げた目標にまだたどり着いていないことが分かります。
失敗や挫折を経て、もう一度夢を叶えようとパートナーに声をかけているのでしょう。
MVに出演したお笑い芸人・ミルクボーイも、2010年にM-1グランプリが一度終了したことをきっかけに目標を失い、大会再開までの5年間は2人の関係がギクシャクしていたそうです。
駒場は、TV番組の仕事が思うようにいかなかった時、相方の大切さに気づき、内海に「もう一度漫才をやろう」と話したといいます。
「また同じように あの日の夢に辿り着こうぜ相方」は、再びM1グランプリ優勝の夢に向かって歩み始めたミルクボーイの2人を歌っているのでしょう。
コンビとは、互いに信頼し合い、共に同じ目標に進んでいく大切な存在。
そんな関係が素敵だと思わせる歌詞に感動ですね。
家族よりも深い絆
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「いつもありがとう」
「感謝してるよ」
なかなか口にはできないけど
お前がいない人生に意味などない
今ある幸せ 分け合いたい
家族みたいであり家族以上の
彼女みたいであり彼女以上の
兄弟みたいであり兄弟以上の
最高の相方
≪アイカタ 歌詞より抜粋≫
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続くフレーズは、ラップで歌われています。
いつもそばにいて、支えてくれる相方への感謝の気持ちが溢れていますね。
面と向かって感謝の気持ちを伝えたくても、素直になれないこともあるでしょう。
親しい人だからこそ、改まって感謝を伝えることが照れくさくて、伝えられない。
それだけパートナーは自分にとって親しい人であり、家族や恋人、兄弟のように欠かせない存在なのでしょう。
苦楽を分かち合った2人は、それら以上の固い絆で結ばれているのではないでしょうか。
「お前がいない人生に意味などない 今ある幸せ分け合いたい」という歌詞からも、相手がどれだけ大切なのか伝わってきます。
相方とは、強い信頼関係で結ばれ、家族にも言えない胸の内を語り合える、唯一無二の存在なのでしょう。
君がいてよかった
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新しい風に吹かれてもまだ道の途中
挫けるくらいのプライドはとうに捨てたんだ
怖いけど不安だけど一緒なら大丈夫
うるさいぐらいの相方で心強いんだ
≪アイカタ 歌詞より抜粋≫
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今が夢へ向かう「道の途中」だと信じ、失敗や傷つくことをいとわない意志が伝わってきますね。
しかし初めてのことに挑戦する時、恐怖心や不安がよぎることもあるでしょう。
その時に、強く手を引いてくれるようなパートナーがいてくれたらどれほど頼もしいでしょうか。
時に、パートナーの言動をうるさいと感じることもあるかもしれません。
それでも、自分の知らない世界へ導いてくれたおかげで、様々な経験やかけがえのない思い出ができたのでしょう。
「うるさいぐらいの相方で心強いんだ」という言葉には、この人が相方で良かったという感謝の気持ちが込められています。
ここまでやってきてよかった
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この空のように 広がるストーリー
また同じように あの頃のように
笑わせあって
「もっとお互い頑張ろうな」って
誓って、ここまでやってきて良かった
≪アイカタ 歌詞より抜粋≫
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「この空のように広がるストーリー」とあるように、これまでも、そしてこれからも2人で人生を歩み続けていくことが想像できます。
かつてお互いを笑わせながら、楽しく過ごしていた2人。
時に、失敗して目標に届かなくても「もっとお互い頑張ろうな」と励まし合い、夢を目指してきたのでしょう。
2人の努力がようやく実り、成功を収めた喜びが「ここまでやってきて良かった」という言葉に集約されています。
ミルクボーイの2人が、2019年のM-1グランプリで大会史上最高点で優勝した時、きっとこの歌詞と同じ心境になったでしょう。
また、部活動などを仲間と打ち込んだ経験のある人にとっても、共感できるフレーズではないでしょうか。
人生は奇跡に満ちている
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何かの縁で俺らは今も
こうして一緒に笑いあってる
不思議なくらい奇跡が重なって
同じ夢を見ている
≪アイカタ 歌詞より抜粋≫
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この歌詞では、主人公がパートナーと過ごした日々を思い起こしている場面が描かれています。
偶然の出会いから始まり、一緒に同じ夢を見て、今も一緒にいることが有り難いことに感じているのでしょう。
このフレーズからは、日常が有り難い奇跡の連続だということに気づかされますね。
ミルクボーイの2人もきっと、この曲の主人公達と同じなのでしょう。
2人の出会いは、大学の落語研究会でした。
内海はサークルを迷っていたそうで、もし内海が落語研究会に入らなければ、きっとコンビは結成されなかったでしょう。
また、2人が一度漫才から離れた時、駒場は先輩に「そんなのでいいか」と言われたことをきっかけに、コンビでの活動再会を考えたそうです。
相方の内海は、母が病気で倒れて将来を考えたことをきっかけに、漫才と再び向き合うことになったといいます。
同時期に転機が訪れ、再びコンビとして漫才に向き合えたことは、きっと「何かの縁」であり「奇跡」なのでしょう。
そうした小さな縁や奇跡は身近にあふれており、人生は素晴らしいものだと教えてくれますね。
夢は2人で見る方が強くなれる
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冷たい雨に打たれてもまだ旅の途中
諦めるくらいの夢なら
ここまで熱くなれないんだ
泣いても悔しくても一緒なら大丈夫
弱音も出ないぐらいがむしゃらに
走っていこうな
≪アイカタ 歌詞より抜粋≫
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「冷たい雨に打たれてもまだ旅の途中」という歌詞に、逆境に負けない強い心を感じ取れます。
失敗や挫折を繰り返すと辛くなり、辞める正当な理由を探し始めたり、別に挑戦したい物を探したり、現実逃避することもあるでしょう。
それでも、同じ夢を見るパートナーの励ましの言葉で、立ち上がることが出来るのではないでしょうか。
誰かと一緒に夢を見ることは、一人で夢見るより、元気と勇気を与えてくれるものなのかもしれません。
パートナーの励ましの言葉は、きっと自分を今より強く、自分達をより高いところに、そして夢を現実に導いてくれるでしょう。
「アイカタ」に込められた感謝と愛
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改めて言うよ、出会えて良かった
照れくさいけれど、感謝してるよ
腹をくくって この夢を食って
かっこ悪くても誰かに届くって
信じて頑張ろう
この空のように 広がるストーリー
また同じように あの頃のように
笑わせあって
「もっとお互い頑張ろうな」って
≪アイカタ 歌詞より抜粋≫
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ラストサビでは、今まで自分を支えてくれたパートナーへの感謝と、これからもずっと相方でいようというメッセージが描かれています。
表情を包み隠さない歌詞と気持ちのこもった歌声が、とても胸に響きますよね。
聴いた後も「ありがとう」や「いつまでも相方」の言葉が持つ温かさで胸がいっぱいになるでしょう。
この楽曲を聴くと、人生とは、家族や友達、恋人といった大切なパートナーと支え合っていくことであり、自分達のストーリーを幸せで満たすことだと気付かせてくれます。
タイトルの「アイカタ」とは、漫才コンビの相方や大切なパートナーという意味だけでなく、愛にあふれた生き方のことも表しているのかもしれません。
相方という呼び方も、恋人や友人などを特別な存在だと思い、これからも長く付き合いたいから呼ぶのでしょう。
そこにも、深い愛情が込められているのではないでしょうか。
この楽曲を聴いて、人と人の絆の強さや、愛の深さを感じ取ってみるのもいいかもしれませんね。
TEXT Asakura Mika