僕たちの思い入れのある曲を集約した
──1stアルバム「LAST DANCE」が完成しましたが、2枚組で全22曲とボリュームたっぷりです。皆さんは、どんなアルバムにしたいと話し合われたのでしょうか?
K.B:今回、3枚シングルを出させていただいてからのファーストアルバムなので、「たくさんの曲を収録しよう」ということになしました。メジャーデビューしてからメンバーのPEACEが加入したり抜けた人もいたりしたので、新しい5人でリメイク、リマスターしたものや、その前にインディーズで出したアルバムに入っていた曲をリメイクして新しい形で入れました。
またライブでやっていても音源になっていない曲がたくさんあるので、そういう曲も詰め込んで。せっかくのメジャーの1stアルバムということで、今までの僕たちの思い入れのある曲を集約させて、それを届けられたら、という思いでこのアルバムを作りました。
──ファンの方からすると、音源にしてほしかった曲がたくさん入っていて、まさに待ちに待ったという感じなのですね。
K.B:きっと皆さんが待ってくれていたような音源もあると思うし。またちょっとパワーアップして皆さんにお届けできるので、きっとファンの方には喜んでいただけるんじゃないかと思います。
──曲順については、どんな方向性で決めましたか?
MYUJI:今回、たくさんの曲があるので考えるのが大変だったんですけれど、1枚目は1stシングル、2ndの曲を主において。2枚目のCDでは今までの復活曲といいますか、新しく音源化される曲などを含めて、バラードであったり、盛り上がる曲などバラエティ豊かに収録されています。
アルバムはこれから先もたくさん聴いてもらうし、車とかでもCDをかけたらその順番で聴くことが多いですよね。だから曲順は1つのライブだと思って決めました。
──特にこだわった順番はありますか?
MYUJI:最後の「LAST DANCE」という新曲は切ない感じなんですけど、アップテンポで聴きやすいので、最後さわやかでありつつ、アルバムが終わってしまう切なさも一緒に楽しんでもらえたら、と思います。
──「LAST DANCE」は喜びと寂しさがまざったようなダンスナンバーですよね。歌ってみていかがでしたか?
MYUJI:難しかったですね。単純に曲のスピードが早い、というのもありますし、なかなかやったことのない楽曲の世界観だったので。
名前を隠しても作詞した人が分かる
──今回アルバムが完成して、皆さんの魅力がどのあたりに出ていると思いますか?JOSHUA:曲の幅が広いというのは推しポイントなのかな、と思うんです。アップテンポの曲があったり、パーティーチューンもあったり。メンバーも作詞を手掛けているから、そういうのもチェックしていただいて。1曲1曲、いろいろな色があるから、聴いた人の心に残るような楽曲が1つでもあったらいいな、と思っています。
ASCH:今JOSHUAが言ったように収録されている楽曲はメンバーが作詞しているので、歌詞にも注目してほしいです。あと今回は録り直した曲があるので、もともと「聴いたことがあるよ」という方がこのアルバムを聴く場合は、今の歌い方で歌っているところにも注目してもらえたら、と思います。
──特に比較してほしいところは?
ASCH:「Pieces of Happiness」という曲は2年以上前に作った曲なんですけれど、それを僕は全部撮り直しているんです。その曲の落ちサビのところで、当時僕は納得のいかない部分があって。でも今回は自分が思うようにレコーディングさせていただいたので、僕は「Pieces of Happiness」を聴いてほしいです。
──今回、繊細なバラード曲も何曲か入っていますが、K.Bさんの「Last song」も感動的ですね。
K.B:これも以前リリースした「Party in the SKY」(2019年4月9日リリースのセカンドアルバム)というアルバムで収録されていた曲です。この曲は昔やっていた曲の中でも、ずっとライブでやり続けているので。すごく切ない歌詞ですし。あとバラード曲といえば、僕的にはPEACEが書いた「Not alone」がお勧めかな、と。PEACEが書いたと思うと、泣けてきます。
──泣けるということは、歌詞にPEACEさんの意外な一面が出ているのでしょうか? ちなみに普段のイメージは?
PEACE:本当に僕は、誰よりも人情に熱くて……。
K.B:すみません。さっきの言葉、却下してください(笑)。
MYUJI:だいたい自分で言う人って違うから(笑)。
──PEACEさんが書いた歌詞を皆さんが見た時、どんな印象を受けましたか?
K.B:今回のアルバムには、全員がそれぞれ作詞を手掛けた曲があるんですけれど、みんな本当に色が違います。個人的にちょっとやりたいな、と思っているゲームがあって。たとえば1曲歌詞がない曲を用意して、30分で全員が歌詞を書く。それで誰が書いたかを当てる、というもので。でもたぶん、それは分かると思うんですよ。
──おもしろそうですね! ファンの人なら分かりますか?
K.B:ファンの人も分かりますし、メンバーでもその歌詞を見たら、「これはたぶんJOSHUAっぽい」とか、「これASCHっぽい」みたいな感じになるくらい、やっぱり違いますね。
ASCH:そうそう。言葉の選び方に個性があって。
K.B:だからPEACEもまた違った部類の人間だったな、と。
ASCH:でも初めて作詞をしたんだよね。
──PEACEさんにとって、作詞はいかがでしたか?
PEACE:この曲は自分の中で「孤独」というものをテーマに書かせてもらったんです。孤独を感じるのは、絶対にみんなが通ってきた道だし、まさに今、孤独を感じている人もいるかもしれない。この曲は一見、すごく重たい歌詞なんですけれど、その中に1つぽっと明かりがあるような、寄り添ってくれるような曲になったらいいなと思って書きました。でもとても難しかったです。
──他に「ADDICTION の強みが特に出ている」と感じる曲は何でしょうか?
K.B:昔やっていた曲の中で「Tomorrow」というナンバーがあるんですけれど、メジャー前のアルバムの中に入っていて、お客さんの反響もすごくあった曲なんです。個人的にも作詞させていただいて思い入れのある曲なんですけれど、今回はピアノバージョンにしたところも注目してほしいポイントです。以前の「Tomorrow」と違って音もシンプルにピアノだけですし、PEACEはすごくコーラスやハモリが上手なので、さらにハモリとコーラスがより入った曲になっていて。以前とはまた違った感覚で聴いていただけるんじゃないかな、と。そういう意味では、僕の中では「Tomorrow」が注目かなと思います。
──ピアノバージョンにしたいと思ったのはなぜですか?
K.B:ちょっと前のコンサートか何かで、「ピアノバージョンをやろう」となりまして。そこでライブではピアノパーションを結構やっていて、そちらがライブでは定番化したんです。でも音源的にはなかったので、アルバムでピアノバージョンを収録できたら、ということになりました。
──JOSHUAさんの思い入れが強い曲は?
JOSHUA:「AWAKENING」はすごく思い出がある曲なんです。K-POP寄りのとてもかっこいいトラックで。リリースイベントを回っていた時に、1曲目に必ずかかる曲があって。それが「AWAKENING」だったので、この曲が始まると、気持ちが昂るというか、懐かしい気持ちになれます。
──この曲はMYUJIさんが作詞を手掛けていますよね。
MYUJI:はい。「AWAKENING」は結構、思っていることをぶつけている、みたいな歌詞で攻めている曲調ですね。AWAKENINGは「覚醒」という意味ですけど、僕たちはもう1つステップアップしていこうという、当時の思いや気持ちを込めた曲で。その時期は毎回1曲目がこの曲だったので、確かにこれを聴くと、あの時のリリースイベントとか、コンサートのことを思い出します。
──とてもかっこいい楽曲ですが、皆さんがこの曲を歌っている時はどんなモードですか?
MYUJI:1曲目に歌うことが多いのでライブでも気合を入れるんですけど、僕がこの曲で面白いと思うところがあって(笑)。まずジャンプするという振付があるんですよね。そこも見どころなんですけど、K.Bが場所的に飛ぶかな?と思う位置なのに、実際は飛ばない、というのもユニークで(笑)。
ASCH:そう。「K.Bも飛ぶのかな?」と思っていたら。
MYUJI:違う人が飛ぶ、という(笑)。あとは途中でK.Bが手を斜めに振り下ろすところがあるんですけど、そこで「ジャキーン!」といった音が鳴るんですよ。でも以前、「ジャキーン!」という音がないバージョンがあって、僕が間違えてしまい、その曲を使っちゃった時があったんです。当然、無音だったという(笑)。でも今回は「ジャキーン!」がしっかり入っているバージョンですし、とてもかっこいいので、ライブを見てきた方は、ぜひそこも聴いてほしいです。あと、初めてADDICTIONを聴く人もK.Bがやっている、という想像をして聴いてほしいです。