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【インタビュー】坂本冬美が語る、桑田佳祐による女の魂の物語

2021年にデビュー35周年を迎える坂本冬美の新曲は、桑田佳祐が作詞と作曲を手掛けた『ブッダのように私は死んだ』。タイトル同様、歌詞の内容も衝撃的で、桑田が坂本を主人公に見立て作成した楽曲だ。桑田が描いた楽曲への想いを坂本冬美が語る。

公開日:2020年12月28日 更新日:2021年1月13日

Interview

伊藤亜希


この記事の目次 []
  1. ・タイトルで驚きました
  2. ・思い切って手紙を…
  3. ・この曲の面白さ
  4. ・桑田さんのイメージを大切に…
  5. ・冬美が思う主人公像
  6. ・REC時とは違う解釈も…
  7. ・2021年、デビュー35周年
  8. ・プレゼント応募について

タイトルで驚きました



──初めてこの曲を聴いた時の感想から伺えますか?

坂本冬美:まずタイトルで驚きました。


──『ブッダのように私は死んだ』ですもんね。

坂本冬美:そうなんです。それから歌詞を読んで、1行目でまた驚きましたね。「目を覚ませばそこは土の中」ですから。この主人公、つまり私は、この世にはもういない設定なの?って思いが出て来て、そこからひきこまれるように読ませていただきました。その後スタジオに入りまして。桑田さんがお歌いになっている音源を聴かせていただきました。アレンジもほぼ、今の形になっていました。



──中学時代からサザンオールスターズが好きだったと伺いました。

坂本冬美:今でもお逢いするとドキドキしますし、それこそ、サザンオールスターズの初期の曲とか聴くと、もう中学時代の自分に戻ってしまいます(笑)。私、デビュー以降、自分のプロフィールには、好きなアーティストは石川さゆりさんとサザンオールスターズって、いつも書いていたんですね。

私もデビューして来年で35周年を迎えるんですけど、初めて桑田さんとお逢いしたのが、2018年の紅白歌合戦だったんです。それまで歌番組でご一緒することも無かったんですね。だから、もう……ご縁が無いんだ、曲をかいて頂くなんてとんでもなくて、お逢いすることさえ出来ないんだなぁ……って諦めていたんです。

ジャンルが違うと、同じ音楽の世界にいても、滅多にお逢いすることが無いから。以前、忌野清志郎さんとユニットをやらせていただいた時、ジャンルを超えることってすごいことだと思いましたけど、改めて特別なことなんだと思ったんですよね。


思い切って手紙を…

──なるほど。桑田さんと初めてお逢いになったのは2018年の紅白歌合戦でしたよね?

坂本冬美:そうです。ちょうど2年前。そこでご本人にお逢いして、曲を書いて欲しいっていう思いが再燃して、お手紙を書かせて頂いたんです。その手紙は、桑田さんの歌が昔から大好きだったこと、お逢いできて光栄だという思いがメインだったんですけど、最後の最後に、思い切って(自分に)曲を書いて頂きたい……と書いたんです。それが現実となって、今回のシングルに至ったんです。もう正直、きっとダメだろうと思っていたんですが。


──じゃあ、曲をいただいた時も、夢が叶ったって心境でした?

坂本冬美:夢が叶ったというか……これは夢じゃないよね? 現実のことだよね? みたいな感じでした(笑)。


──では、桑田さんが歌う『ブッダのように私は死んだ』を、初めて聴いた時の坂本さんの様子を教えてください。

坂本冬美:この曲のレコーディング自体は、1年前になるんですね。初めて聴かせて頂いた時にはもう……曲がどうとかいう前に、ただただ感動で。最初は地に足が着いてないような、宙に浮いたような気持ちで聴かせていただきました。気持ちが落ち着くまでだいぶかかりましたね。

──気持ちが落ち着いてから感じた曲の印象は?

坂本冬美:詞をみたときに、今まで触れたことの無いような歌だったっていうのが、第一印象だったんですよね。これはどのジャンルに入るの?このような世界観の歌は聴いたことない……って思いました。桑田さんがお歌いになると、やっぱり桑田さんワールドなんですよね。それで桑田さんが歌われたものを2~3回聴かせていただきました。

そしたら桑田さんがギターを弾きながら「ここのフレーズは、こんな風に歌っていただけますか」とか、アドバイスをしてくださって。もうすごいことですよね。スタジオからの帰り道で、スタッフと「本当だよね、これ夢じゃないよね」って話をして。それで、このまま帰ったら、気持ちの整理がつかないって思って、スタッフと帰りにちょっと……本当にスタジオの近くの焼き鳥屋さんに飛び込んで。カウンターに4人並んで飲みながら、「夢じゃないよね、桑田さんが私のために書いてくださったんだよねって。」そうして家に帰ってから、これを歌うんだ、じゃあ私はどう表現すればいいんだろうって、やっと考えられるようになりました。


この曲の面白さ



──1年前以上前のエピソードですが、今でも鮮明に思い出せるほど美味しいお酒だったのでは?

坂本冬美:はい、もう本当に。


──私も、今は出来なくなっちゃったんですけど、いいインタビューが出来たり、いいライヴを観たりした後は、あぁ、このままじゃ帰れないって、1人で飲みに行ったりしてましたね。

坂本冬美:ですよね、その心境です、まさに(笑)。それで気持ちが鎮まるわけでは無いんですけどね。で、詞も何度も読んで、自分の身体の中に入れていったんですよね。朝起きたらまず聴いて、時間があったらまた聴いてって、何百回も聴かせていただいてレコーディングに臨んだんです。


──レコーディングは、緊張しませんでした?

坂本冬美:第一声はものすごく緊張しました。万が一、桑田さんがイメージしてくださっている声と違ったら……って考えると怖かったですね。とっても。桑田さんは、私が演歌以外のジャンル……ポップスを歌う坂本冬美も、YouTubeなどでご覧になってくれたそうなんですね。だから『ブッダのように私は死んだ』は、演歌っぽいところもあれば、ポップスの要素もある。いろんな要素が含まれている曲だと思うんです。


──おっしゃる通りだと思います。

坂本冬美:で、思うのは、基本は演歌歌手の坂本冬美がいて、ポップスの要素をいただいたり、今回も桑田さんのエッセンスをいただいて、それを演歌歌手として表現するというのが、皆さんが面白がってくれるところなのかな、と。

例えば私がポップス的に歌っちゃったら、何にも面白みがないと思う。そういう意味で言うと、今回の曲はド演歌っぽく歌っていないし、こぶしを回したりしてないんです。だけど、私が演歌っぽさを抑えようとしても自然と出て来る演歌っぽさがあって。そこが面白さのひとつだとも思うんですね。


桑田さんのイメージを大切に…

──そうですね。タメも少ないし、こぶしも回してない。このボーカルアプローチは、桑田さんのリクエストだったんですか?

坂本冬美:歌入れのレコーディングは2日間あったんですけど、さっきも言ったように、私の声が桑田さんにどんな風に届くんだろうっていう気持ちで、緊張と怖さがあったんで、初日は探りながら歌ったんですね。その歌い方が、桑田さんがおっしゃるには、「言葉を置きに行く」という形だったんです。

で、2日目はガラッと変えて、私なりの演歌っぽい歌い方をしたんです。その後、桑田さんは、「それはそれでライブ感があっていいけれど、最初の方の置きにいく歌い方のテイクを使いました。」とおっしゃっていました。もしかしたら、あまり重くならないように、バランスをとっていただいたのかなと思って。だからなるべく、今、歌番組とかで歌う時も、CDに近いイメージで歌うように心がけています。ついつい感情過多になるので、そこは抑えて歌っているんですよね。


──感情を抑えて歌うっていうのも、なかなかハードルが高いですよね。

坂本冬美:はい、難しいいんですよね。で、レコーディングから1年経って、今歌わせていただいている中で、新たな発見が次から次へと生まれるんですね。


冬美が思う主人公像



──そこを是非、詳しく教えてください。

坂本冬美:まずこの歌の主人公の女性は、幾つかの恋愛経験もして来たけれども、これが最後の恋愛かもしれないって思ってる。結婚して家庭を持って子供が欲しいって夢があるかもしれない。若い頃って、純粋な気持ちで恋愛するじゃないですか。でも年齢を重ねていくにつれ、純粋な気持ち+αが出て来ると思うんですね。ただ好きだけじゃないですよね。


──そうですね。好きって気持ちだけでは、恋愛を語れなくなるというか、測れなくなるっていうか(笑)。

坂本冬美:ね?(笑)でもそれは、幾つかの経験をしてきたから得たものだったりもするから。そうやって恋愛を重ねてきた中で、最後の相手だと思った人に、尽くして尽くして、あなたのために危ない橋を渡ったのよ、なのに私に手を掛けちゃって……。でも主人公は、手を掛けられたことに気が付かないで、魂が彷徨っているわけです。

彷徨って、怒りがゲリラ豪雨(あめ)になったり、落電(いなびかり)になったりしている。あなたのことを殴ってやりたいし殴るけど、殴るのはお釈迦さまなのよ。お釈迦さまは全部みてて、私がそのお釈迦様の変わりに殴ってるのよっていう事だと思うんです。まだ相手を愛しているんですよね。だから、この歌は、恨み節はあまり言ってないんです。「ただ箸の持ち方だけは無理でした」っていう、この一言だけしか言ってない。


──坂本さんの言う恨み節っていうのは、相手の悪口……というか、ダメなところを具体的に言ってるって部分を指しています? これは私の個人的な感想ですが、あなたが言ったから危ない橋も渡ったじゃない……みたいな感情は、恨み節に入ると思っていました。坂本さんにとって、それはそうじゃない?

坂本冬美:この主人公は、自分がこんなに愛して尽くしたのに手をかけられちゃって、そのことに気が付いた時には、もう魂だけだったっていう状況をまだ受け止められないでいるんだと思うんですよね。でもそういう中で、一言だけ言わせてもらう、箸の持ち方が本当は無理だったのよ……っていう。


──あぁ、そうか、心の中の言葉じゃなくて、このワンフレーズだけ相手に言ってる……ってことですよね?

坂本冬美:そうなんです。一言だけ言って、この世を出ていくわっていう。だから私は、恨み節は一言だけだと思ったんです。


──恨み節を言った後、悟ってますよね、この主人公。

坂本冬美:そう。それは、お釈迦様にはなれないって悟ったんだと思うんです。それから生まれ変わっても、また同じことを繰り返すかもしれない……ってことも悟った。でも最後に「やっぱり私は男を抱くわ」って歌詞で、生まれ変わったら、今度は男にだまされないわ、掌の上で転がすくらいの女になるわって思ってる。


REC時とは違う解釈も…

──なるほど。

坂本冬美:……と、レコーディングの時は思ってたんですね。でも今は少し違う見方も出てきていて。過ちを犯した男性を、いいよ、よしよし、みたいな。許してギュッと抱きしめてあげる、母性に近いような感覚が、「やっぱり私は男を抱くわ」の「抱くわ」に含まれていたのかな、と。今は男を抱いてやるって気持ちプラス、よしよしって、ニュアンスも入れたいなと思って歌っています。


──この歌の主人公って、最後に相手を許してるんですよね。

坂本冬美:そうよね、そこに愛があるからでしょうね。本当だったら自分が殴ってやりたいけど、それが出来ない。だからお釈迦さまに変わって殴るよ、なんですよね。そこは怒っているようで怒ってない。


──そうか、修羅場になってないんだ、この歌の物語は。

坂本冬美:そう、修羅場じゃないの。魂になってから言ってるから。全部、魂になってから言ってる言葉なのね。相手には届いてないと思いますけど、だから恨み節じゃないと思う。


──あぁ、腑に落ちました。なるほど、違う解釈が出てきました。でも、魂になっちゃった女性の立場、その気持ちで歌うって……。

坂本冬美:初めてでしたね。


2021年、デビュー35周年

▲坂本冬美 - 「ブッダのように私は死んだ」Music Video

──この歌、尊いなぁ。

坂本冬美:深いんですよ、とっても深いんですよ、この歌は。恋愛すればいろいろあると思うんです。女性もいろいろ思い出したり、考えたりする部分もあるだろうし。男性は男性で、ドキッとする部分もあると思う。前の彼女に悪い事しちゃったな、とかね。


──そういう男性には反省して欲しいですよね。まぁ、女性も反省しなければならないドキッとする部分、あると思いますけど。

坂本冬美:はははははは(笑)


──この曲の歌詞の中で、坂本さんが1番好きなフレーズは?

坂本冬美:「お釈迦さまに代わって殴るよ」ってところと(軽く歌いながら)「♪私 女だもん♪」ってとこですね。女だもんってところが、すべてだと思うんです。私、女だからこうなったし、私女だから、やっぱり生まれ変わっても、愛する人を抱いちゃうんだよねっていう。だってしようがないじゃん、私、女なんだもんっていう。


──あぁ、その一言に尽きることって、恋愛においても、人生においても結構ありますよね。私、男性と女性って、そもそも脳味噌の構造とか違うと思ってるんです。

坂本冬美:ははははは(笑)。それはあるかもしれない(笑)。


──坂本さん、ありますか? 自分の中で処理できない出来事や、納得できない矛盾をだって女だもんって落としどころつけるっていうか、納得させることとか。

坂本冬美:言葉で説明するのは難しいんですけど……恋愛に限らず、納得いかないこととか、でもしようがないじゃないって思ったりすることも、時にはありますね。これは、後付けになっちゃうんだけど、女だもんって思っちゃえば、自分自身も納得できるところもあったりする。でも、ちょっと逃げの言葉になっちゃうかなって、思うこともあるから、気を付けてはいますけど(笑)。


──来年、2021年はデビュー35周年のアニバーサリーイヤーですね。

坂本冬美:そうなんです。この『ブッダのように私は死んだ』を持って35周年を迎えられることが本当に嬉しいですし、しっかり歌って、たくさんの人に届けたいと思っています。

TEXT 伊藤亜希

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