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【インタビュー】大原櫻子「迷った時に聴いて、少しでも元気になってもらえたら」 (2/2)


ファンの方に届いて欲しい内容の曲


―-そして次のノスタルジックな「同級生」ですが、最初の冒頭のボーカルがささやく感じで、胸をつかまれますね。

大原櫻子:たぶん聴いた人は、そこに私がいるんじゃないかと感じるくらい、語りかけるようなレコーディングをさせてもらっています。プロデューサーは(徳澤)青弦さん(チェリスト、作曲家、編曲家)ということで、歌い方にもこだわりがあって、「歌を歌っている感じではなく、しゃべりかけてるような感じにして欲しい」といったことをアドバイスしてくださったりしました。

それこそ最初は近い距離で歌ってるのが、最後の方になったら歌い上げる感じになっているので、歌の中で物語が見えたらいいな、と思います。


──「同級生」については、どんな曲と受け取って歌われましたか?

大原櫻子:この曲を聴いて「懐かしいな」というのを感じてほしい、というか。「同級生」を作ってくださった山本加津彦さん(作詞家、作曲家、編曲家、ピアニスト)と私は年代が違うけど、共通して懐かしさをすごく感じる曲なので。人は懐かしさを感じた時に、その時の感情だったりを思い出すものだから、それで何かを感じてほしいなと思います。

メロディもすごく繊細で美しく、でもユニークで。整頓されてないのがいいな、と思いました。あえてくずしがある、というか。



──4曲目の大切な人への思いをつづった「Love Letter」もアンニュイな雰囲気で、アルバムの世界を広げていますね。

大原櫻子:「Love Letter」もここまで色っぽい曲をあまり歌ったことがなかったので、新鮮でした。最初、作詞作曲を担当してくださったAAAMYYYさん(シンガーソングライター、トラックメイカー)が仮歌で入れてくださったんですけれど、AAAMYYYさんが歌うとすごくしっくきて。逆に「これを私が歌ってどうなのかな? 自分が歌っているのが想像つかないな」と思っていて。

結果、Shinくん(Shin Sakiura/プロデューサー、ギタリスト/「Love Letter」のアレンジ・プロデュースを担当)がすごくいい、と言ってくれたので。これもファンの方がどう受け取るのか楽しみです。


──とても大人っぽいです。

大原櫻子:ここまで繊細に吐息を含んで歌ったのは、初めてでした。大人っぽい曲で、しかもアルバムの中でも異色なので、いいスパイスになっていると思います。



──大原さんを独り占めしてる感じがしました。あと3曲目の「Long Distance」はゆったりしているけれどポップな楽曲です。

大原櫻子:ちょっと海外のポップスをイメージして作っていただいた感じですね。Distanceがここまで身近な言葉になるとは思っていなかったので、感じ方はもしかしたら以前と違うかもしれません。



──そして12枚目のシングル曲でもある「#やっぱもっと-Album Version-」がアルバムバージョンになって6曲目に収録されています。

大原櫻子:シーケンスがすごく豪華になって。前までのバージョンから、よりゴージャス感というか、世界観が広がっている感じになります。


──「#やっぱもっと」は素直な気持ちを言えなかった後悔、を描いていますが、これもまた今までと違う扉が開いた楽曲でしたよね。

大原櫻子:一青窈さんが書いてくださったんですけれど、窈さんも私の経験談をたくさん聴いてくださってできた楽曲なので、私自身もすごくこの曲と近い距離にいるなと思っていて。そしてとても歌いやすいんです。



──11曲目の“離れていても愛し続けたい”と歌う雄大なナンバー「抱きしめる日まで」は、大原さんの作詞曲です。12曲目が「チューリップ-Duo-」なので、楽曲としては最後の曲になっていますが、ラストにしたいと思ったのは?

大原櫻子:締めくくりの曲として書いたわけではなく、メロディを聴いた時に最初の2行が頭にふっと思い浮かんで、「いけるな」と思ったので。「チューリップ」とはまったく違う角度からアプローチしたくて、「書かせてください」とお願いしました。


──メロディから導かれたんですね。

大原櫻子:遠距離みたいなラブストーリーになったんですけれど、最初は「どうしようかな?」という、まっさらなところから始まったんです。


──<2人で聴いたあの曲は 君の声で刻まれてる>というところは特にグッときます。

大原櫻子:これはファンの方々のことを思って書きました。私の中では、みんなが歌ってくれている声で刻まれているから。それをあえて1対1の2人としていますけれど。


──ファンの人はすごくうれしいと思います。でもこの曲がラストになって、どんな締めくくりになったと思いますか?

大原櫻子:作品の最初と最後は、アルバムのテーマや、自分が一番伝えたいメッセージが表れやすいと思うのですが。今のこういう情勢で、自分が感じてきたことがたぶん素直に出ているのが、最初の「STARTLINE」とこの曲だと感じています。「抱きしめる日まで」はファンの方に届いてほしい内容ですし。




──アルバムの中で、大原さんのお気に入りのフレーズを教えてください。

大原櫻子:うわあ、難しいですね。うーん。「抱きしめる日まで」の<君からもらった思い出の 点と線 なぞって 見つめてるんだ>というのは、共感してもらえたらうれしいな、と思います。でも悩みますね。どれなんだろう? 選びきれないですね(笑)。


──「l(エル)」は状況が混沌とした中でも前を向く大原さんの心情がとても表れたアルバムだと思いましたが、この作品はどのように届けたいですか?

大原櫻子:今のご時世で元気が出る曲を、という意味合いで作ったわけではないのですが、今、私が伝えたいことはそこに共感してくるし。若い世代の方々はいろいろ道に迷うことも多いと思いますけども、何か迷った時にこのアルバム聴いて、少しでも元気になってもらえたらうれしいな、と思います。


TEXT キャベトンコ
PHOTO 井野友樹



リリース情報

●2021年3月3日(水)リリース
5th Album「l(エル)」

新年から大量オンエアーで話題沸騰のBOAT RACE 2021 TVCMイメージソング「STARTLINE」、長屋晴子(緑黄色社会)書下ろしの「透ケルトン」、一青窈作詞のシングル「# やっぱもっと」、Coo&RIKUタイアップソング「抱きしめる日まで」、そして自身初の単独作詞/作曲ナンバー「チューリップ」を含む全12曲を収録。


★初回限定盤 A
価格:4,950円(税込)
品番:VIZL-1866
内容:CD+DVD


★初回限定盤 B
価格:4,550円(税込)
品番:VIZL-1867
内容:CD+全36PBOOKLET 八角形ジャケット仕様


★通常盤
価格:3,300円(税込)
品番:VICL-65479
内容:CD

【CD収録曲】
1. STARTLINE ※BOAT RACE 2021 TVCM イメージソング
2. Carnival!
3. Long Distance
4. Love Letter
5. miss you tonight
6. # やっぱもっと -Album Version7. チューリップ
8. 同級生
9. だってこのままじゃ
10. 透ケルトン
11. 抱きしめる日まで ※Coo&RIKU タイアップソング
12. チューリップ -Duo-

【DVD収録内容】※初回限定盤 A 収録
STARTLINE(Music Video)
透ケルトン(Music Video)
同級生(Studio Live at VICTOR STUDIO)
チューリップ -Duo-(Studio Live at Bang On Studio Daikanyama)

ライブ情報

●大原櫻子CONCERTTOUR2021“Which?”

4月7日(水)横須賀芸術劇場
Lver16:00/16:45Pver19:15/20:00

4月10日(土)フェスティバルホール
Lver15:00/16:00Pver18:30/19:30

4月11日(日)フェスティバルホール
Pver15:00/16:00Lver18:30/19:30

4月17日(土)広島上野学園ホール
Pver15:00/15:45Lver18:15/19:00

4月30日(金)大宮ソニックシティ
Lver16:00/16:45Pver19:15/20:00

5月4日(火・祝)福岡サンパレス
Pver15:00/15:45Lver18:15/19:00

5月9日(日)愛知県芸術劇場大ホール
Lver15:00/15:45Pver18:15/19:00

5月15日(土)オリンパスホール八王子
Lver15:00/15:45Pver18:15/19:00

5月23日(日)岡山市民会館
Pver15:00/15:45Lver18:15/19:00

5月28日(金)カナモトホール(札幌市民ホール)
Lver16:00/16:45Pver19:15/20:00

6月4日(金)カルッツかわさき
Pver16:00/16:45Lver19:15/20:00

6月12日(土)ロームシアター京都メインホール
Lver15:00/15:45Pver18:15/19:00

6月13日(日)神戸国際会館こくさいホール
Lver15:00/16:00Pver18:00/19:00

6月18日(金)東京ガーデンシアター
Pver15:00/16:00Lver19:00/20:00

※コンセプトが異なる2演目のコンサートツアーとなります。
(公演時間は約70分を予定しております)

【チケット料金】
◉全席指定¥6,600(税込)
※未就学児童のご入場はご遠慮いただいております。

1996年、東京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科卒業。 2013年、映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」全国ヒロインオーディションで5,000 人の中から抜擢され、スクリーン&CD 同時デビューを果たす。 2014年、女優として『日本映画批評家大賞 “新人賞”』、歌手として『第56 回輝く!日本レコード···

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