Honey Works feat. Kotoha「誇り高きアイドル」はmonaが主人公
2010年に活動開始し、ニコニコ動画やYouTubeなどの動画サイトで人気を集めている日本のクリエイターユニット『Honey Works』。
メンバーは、作曲・プロデュースなどを手掛ける「Gom」「shito」と、イラスト・ムービーを手掛ける「ヤマコ」で構成されています。
また、Honey Worksの音楽を元にしたキャラクターシリーズ『告白実行委員会』は、小説や漫画、映画などさまざまなメディアミックスが行われてきました。
『誇り高きアイドル』は、HoneyWorksが2021年3月26日にリリースしたアルバム『告白実行委員会 -FLYING SONGS- 愛してる』の収録曲。
曲の主人公は「mona」としてアイドル活動をしているキャラクター「成海萌奈」です。
優しい歌声が印象的な『Kotoha』をボーカルに迎え、monaの素直な気持ちを表現した楽曲『誇り高きアイドル』。
「泣ける」とのレビューも多い、『誇り高きアイドル』の歌詞の意味を考察していきます。
アイドルの不安と強い意思を歌った「誇り高きアイドル」
mona 視点で歌われたHoney Worksの楽曲は、「成海萌奈」という1人の人間の気持ちを見せつつも、アイドルとして明るく振舞うmonaの姿を描いてきました。
一方、『誇り高きアイドル』は、より「成海萌奈」の気持ちが色濃く描かれているように思います。
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私のこと知ってますか?
可愛く見えてますか?
私の歌どうだろうな
うまく歌えてますか?
衣装だとかメイクだとか
可愛く見えてますか?
振付とかファンサとかも
喜んでもらえますか?
≪誇り高きアイドル feat. Kotoha 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞は、まさにファンに問いかけるような内容。
アイドル「mona」として活動する中での萌奈の不安が伝わってくるようです。
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プライベート見えないから
分からないと思います
性格とか悪い方です
騙しちゃっていますか?
≪誇り高きアイドル feat. Kotoha 歌詞より抜粋≫
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テレビで見ている側からすれば、アイドルは遠く離れた存在ですよね。
自分と生きている世界が違うような、あるいは実在するのかさえ疑ってしまうような存在でしょう。
しかし、アイドルも1人の人間なのです。
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きっと可愛くない 全部分かってる
≪誇り高きアイドル feat. Kotoha 歌詞より抜粋≫
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遠い存在であるあまり、人によっては、アイドルに対して傷つく言葉を投げてしまうことも。
しかし、どんな言葉も投げられた側には届いているのです。
『誇り高きアイドル』のMVでも、以前に萌奈が受けたのであろう批判的な言葉が映し出されます。
特に、現在はSNSやインターネットの記事を使い、すぐに情報が手に入る時代。
表舞台に立つ人にとって、自分の評判を知るのも簡単でしょう。
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歓声が減っても
飽きられちゃっても
それでも笑っていたい
アイドルだから
≪誇り高きアイドル feat. Kotoha 歌詞より抜粋≫
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また、芸能界では次々に新しいスターが登場するため、今のファンがずっと自分を見てくれるとは限りません。
それを、萌奈は知っています。
すべてを理解したうえで、不安な気持ちがありつつも「アイドルを続けたい」と思っているのでしょう。
『誇り高きアイドル』の歌詞から萌奈の心情を考察
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手は冷たくなって 足は震える
それでも戦いたい アイドルだから
≪誇り高きアイドル feat. Kotoha 歌詞より抜粋≫
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世間からさまざまな意見を言われ、舞台に上がるのが怖いと思う日もあるでしょう。
しかし、「それでも戦いたい」と萌奈は強い意思を見せています。
『誇り高きアイドル』は、萌奈が自分自身を奮い立たせている歌なのかもしれません。
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バカにする奴は嫌いだ
見下されるのも嫌いだ
”アイドルなんか”という言葉を
見てもいないくせに言うな
頑張りを当然と言うな
イメージとか強制するな
”アイドルなんか”という言葉は
この世で一番大嫌いだ
≪誇り高きアイドル feat. Kotoha 歌詞より抜粋≫
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サビの歌詞で登場するのは、萌奈の本音であり強い感情ではないでしょうか。
平気で自分をバカにしたり、見下したりしてくる人へ向けて、「自分は軽い気持ちでアイドルをやっているわけじゃない」と叫んでいるようですね。
また、「嫌いだ」「言うな」などの力強い言葉が並ぶ様子は、「何を言われようが負けない」と自分自身を鼓舞しているようにも感じます。
一見、「アイドルなんか」と唱える人と戦っているように思えますが、実は萌奈が戦っているのは自分自身なのかもしれません。
本音を言えずに戦っている人へ
アイドルキャラクター「mona(成海萌奈)」の視点で描かれたHoney Works feat. Kotoha『誇り高きアイドル』の歌詞を考察しました。
歌詞の内容から『誇り高きアイドル』は、実際のアイドルやタレントの方が「ハマっている曲」として紹介する場面も多く、芸能人にも評価が高い曲といえるでしょう。
ただし、アイドル目線で描かれた曲だとしても、『誇り高きアイドル』の歌詞は芸能人以外にも当てはまる内容に感じます。
そもそも、どんな時でも本音を言える人はなかなかいないのではないでしょうか。
例えば会社や家庭など、ほとんどの人が立場や相手との関係性を気にして本音を言えない場面に遭遇するでしょう。
『誇り高きアイドル』は、本当の感情を押し殺して笑って過ごす人たちへの応援歌なのかもしれません。
なお、萌奈が主役の楽曲は、『ファンサ』や『No.1』など他にも多数存在します。
『誇り高きアイドル』で興味を持った方は、ぜひ他の楽曲もあわせて聴いてみてくださいね。
HoneyWorksは、日本のクリエイターユニット。2010年からニコニコ動画、YouTubeなどの動画投稿サイトに動画を投稿して活動している。関連動画再生回数は4億回を超えている。事務所はインクストゥエンター所属。レーベルはミュージックレイン。 メンバーは、作編曲・プロデュースを担当するGom、作···