ピカイチでハレンチな青春
あなたは、「ピカイチでハレンチ」な青春を過ごしたことはあるだろうか。そんな青春を描いた物語を描いた作品の話を紹介しよう。
嵐5人出演の映画「ピカンチ」。このシリーズは、2002年・2004年・2014年と2.5作公開された映画だ。
2014年公開の作品はスピンオフとしての公開のため、2.5作目という位置づけだ。ストーリーは東京の品川に建ち並ぶマンモス団地・八潮団地というちょっとヘンテコな団地を舞台に、中学校以来のクサレ縁で結ばれた5人組が繰り広げる青春ストーリー。
この映画主題歌を担当したのは、嵐。そして原案は、事務所の先輩であるV6の井ノ原快彦の青春時代であり、彼自身も出演をしている。
そもそもピカンチってなんだ?と思った人もいるだろう。これは、「青春とはピカイチでハレンチ」を略して「ピカンチ」とされている。いわゆる造語だ。
実は売上が最低枚数だった隠れ名曲
ご存じだろうか?2作目の主題歌と2.5作目のオープニングになった曲『PIKA★★NCHI DOUBLE』が今までの嵐の楽曲の中で売り上げが最低枚数なのだ。ファンの間では「隠れた名曲」とされているが、メンバーの二宮は「隠れてないよ」と主張している。では、そんな曲に、何が隠れているのだろうか。
【特集】国民的アイドルグループ・嵐の魅力を追求&解説!
PIKA★★NCHI DOUBLE
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見慣れた街なみ いつもの仲間が 離れてくなんて 旅だってゆくなんて
自分を探して 孤独に怯えて 共に過ごした 最高の退屈な日々
≪PIKA★★NCHI DOUBLE 歌詞より抜粋≫
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いつも一緒にいた学生時代の仲間。いつかは別々の道を歩むことになる。学校を卒業すると、疎遠になってしまったりしがち。やがて、大人になりそれぞれ仕事に就き、恋人ができ、結婚する…。でも、ふと青春時代を思い出すときはないだろうか。
くだらないことで大笑いしたり、無茶をしたり。あのときはそれが当たり前だったのに、今となってはそれが恥ずかしい思い出となって、でもとても大切で愛おしくさえもあるいい思い出でもあるはず。
再び青春が動き出す…
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終わったはずの夢がまだ 僕らの背中に迫る 刻まれた想い出が騒ぎ出す
限られた愛と時間を 両手に抱きしめる せめて今日だけは消えないで
≪PIKA★★NCHI DOUBLE 歌詞より抜粋≫
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だが、まだ青春は終わっちゃいない。思い出すだけじゃない、あの子は今何してるんだろうか?と連絡してみる。そして再会した瞬間、また青春の歯車が動き出す。
嵐を見ていると、仲がよく強い絆で結ばれているイメージがある。きっと、嵐はずっと青春が続いているのだ。
彼らはまもなく結成20年目。そう、20年も一緒に青春を共に過ごしているのだ。いくつになっても絆があれば突っ走っていける。そう彼らが伝えている。青春は終わらない。一生青春なんだ。
メンバーの櫻井翔がRap詩で最後にこう綴っている。
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動き続けた長針と短針は
振り返ってみると いやに短期間
あかさたな 習った頃から現在
俺ら若過ぎた ただ若過ぎた
≪PIKA★★NCHI DOUBLE 歌詞より抜粋≫
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夢を追いかけていたあの頃を思い出し、なんであんなに若気の至りでキラキラ輝いて楽しかったのに現在はHAPPYと言い切れないのだろう。
大人になって、現実は厳しく描いていた理想や夢通りにうまくいかないことに気づき、葛藤していることをこのRapで伝えている。私たちは日々の生活に必死になり過ぎてしまっている。
「それ」が見えなかった。青い時代に、必死に抱いていた熱意や情熱を日々の忙しさを理由に、どこかに置いてきている。だから『PIKA★★NCHI DOUBLE』は「隠れた名曲」と言われる理由です。
今一度、この歌を聴いて、あの頃の思いを、大切にしていたモノを思い出し振り返っててみてはいかがだろう。
TEXT ナナ
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