中国の大ヒットアニメ「白蛇:縁起」の日本語版主題歌をSnow Manが担当
2021年7月14日にリリースされたSnow Manの4thシングル『HELLO HELLO』の収録曲『縁-YUÁN-』が注目を集めています。
『縁-YUÁN-』は、メンバーの佐久間大介が声優を務めたフル3DCGアニメ映画『白蛇:縁起』の日本語吹き替え版主題歌に起用されている一曲。
中国で大ヒットを記録した『白蛇:縁起』は、中国の四大民間説話の一つである「白蛇伝」の前世の物語で、白蛇の妖怪・白と少年・宣の千年の時を超える恋を描いた作品です。
その主題歌となる『縁-YUÁN-』には中国の楽器である二胡が取り入れられ、映画の壮大なラブストーリーにマッチする美しく切ないバラード曲となっています。
特に印象的なのは、日本語と中国語を織り交ぜて主人公・宣の心情を描いた歌詞です。
ストレートでロマンチックな歌詞の意味を徹底考察していきましょう。
運命に抗ってでも叶えたい恋
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千年続く恋に落ちて
運命は巡りめぐり それでも
永遠に我愛你 宙の果て
赤い糸を手繰ろう/(红线牵)
何度も巡り逢う 縁 よ
あなたへと
(Fake)
≪縁 -YUÁN- 歌詞より抜粋≫
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サビ冒頭の「千年続く恋におちて」という歌詞は、この映画の肝である時を越えるほどの深い愛情を感じさせます。
さらに「運命は巡りめぐり それでも 永遠に我愛你(ウォー・アイ・ニー/愛している)」と歌われる構成も魅力。
妖怪と人間という相容れない種族の二人の前に立ちはだかる運命の過酷さと、現実を理解していても互いに惹かれてしまう愛の引力の強さの両方が表現されていますね。
「赤い糸を手繰ろう」のフレーズの後にコーラスで歌われる中国語の「红线牵(ホン・シェン・チェン)」は、「赤い糸を結ぶ」という意味があります。
そして、ここでこの楽曲のキーワードであり、タイトルにもなっている「縁(ユェン)」という言葉が登場します。
たとえ運命によってこの縁が断ち切られようとも、必ずまた巡り逢えるように赤い糸を強く結びたい。
そして離れる度にその赤い糸を手繰り、何度でもあなたを見つけ出したいという熱い想いが伝わる歌詞に引き込まれます。
赤い糸で繋がっているからまた巡り逢える
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後悔の傷を塞いでは
夜毎に忘れようとした
涙がとめどなく溢れて
ふたたび 悔いは舞い戻った
花散る季節 あなたを夢に見る
瞼 閉じるたびに深く
心 捕らえる白き蛇
≪縁 -YUÁN- 歌詞より抜粋≫
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「後悔の傷を塞いでは 夜毎に忘れようとした」という歌詞からすると、二人を引き裂こうとする運命に逆らえない出来事があったのでしょう。
もしくは前世で縁が断ち切れてしまった記憶を覚えていて、新しい人生を送る度に前世を後悔しているとも考えられます。
主人公はあの時こうしていればと後悔しながらも、仕方なかったと抱いた想いを忘れようとしているようです。
しかし、あなたへの愛情が簡単には捨てられないほど大きくなっていることに気づきます。
「瞼閉じるたびに深く 心捕える白き蛇」というフレーズは、目の前にいなくても記憶の中の彼女を思い浮かべるだけで愛情が深まっていく様子を想像できますね。
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たとえ別れを繰り返しても
憶えていようと誓った (Fake) ・・・
命の灯火を焚べて
あなたを見つけ出すその日まで
星の降る夜 彼方で繋がってる
何時かでも 何処かでもない
今も(今も) 此処にある慕情
生まれ変わり 逢いに行くから
≪縁 -YUÁN- 歌詞より抜粋≫
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二番では別れる結果になっても、命を燃やして必ず彼女を見つけ出してみせるという強い決意が感じられます。
赤い糸で結ばれているから、まだ見つけられていなくても「彼方で繋がっている」。
彼女を愛したのは過去の「何時かでも 何処かでも」なく、すべての瞬間で常に想い続けていて変わることがないものだということがこの歌詞で表されています。
もし現世で結ばれないのなら「生まれ変わり 逢いに行くから」と真っ直ぐ歌われるのも、宣にとって白がどれほどかけがえのない存在であるかを物語っていますね。
「同じ河を渡ろう」の意味とは
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千年之恋 いま時を超え
積もるこの想いすべて 伝えて
永遠に我愛你 旅の果て
同じ河を渡ろう(红线牵)
≪縁 -YUÁN- 歌詞より抜粋≫
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2番のサビで出てくる「千年之恋(チェン・ニェン・ズィ・リェン)」は、文字通り千年続く恋や愛情を指す中国語です。
もしかしたらこの部分は、千年先で出会う彼女を思いながら言葉にしているイメージなのかもしれません。
千年後また巡り会ったその時にはこれまでの「積もるこの想いすべて伝えて」「同じ河を渡ろう」と歌っています。
この河はおそらく中国の伝説に登場する、忘川河のことだと解釈できるでしょう。
忘川河とは日本でいう三途の川のことで、人の寿命が尽きて輪廻転生する際に辿る黄泉の道の果てにある河。
今世の生き方によってその河を渡る方法は異なり、善人は橋、軽い罪人は浅瀬、重罪人は深瀬の難所を渡るとされています。
本来は忘川河を渡って今世の記憶をすべて忘れなければなりません。
しかし、ここまでの歌詞を考えると彼は前世の記憶を持ったまま、次の命を生きるという重罪を犯していると思われます。
ここで「同じ河を渡ろう」とわざわざ言葉にしているのは、罪を犯してでも人ならざる彼女と人生を全うしたいという気持ちを表現しているのではないでしょうか。
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無限に巡り逢う 縁よ
あなたへと
還ろう
≪縁 -YUÁN- 歌詞より抜粋≫
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ラストの大サビでは冒頭と一番のサビとは少し表現が変化し「無限に巡り逢う縁よ」となっています。
そして、また新たに出会うのではなく「あなたへと 還ろう」と締めくくられ、彼女のいる場所が自身のいるべき場所だと考えていることが伝わってきます。
一度結び合わされた繋がりを決して絶やそうとしない、執念にも似た宣の愛。
こんな風に強く自分を愛してくれる人がいると思うだけで、胸が熱くなるような至極のラブソングです。
「縁-YUÁN-」で誓う永遠の愛が胸を打つ
SnowManの『縁-YUÁN-』は、終わりのない永遠の愛を誓うフレーズが詰まった歌詞が素敵ですよね。
また、得意のダンスやアクロバットを封印し、切ない表情を浮かべながらしっとりと歌い上げるメンバーの色気あふれるMVやパフォーマンスも注目を集めています。
人と人との繋がりや出会えた縁を大切にする、時を超える壮大な愛に触れてください。