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”人の心に残るような温もりと唯一無二の音楽を生み出すバンド”Absolute area「SABOTEN」[しゅかしゅんYUNA Urock!第111回]

大阪☆春夏秋冬・YUNAの連載歌詞コラム[しゅかしゅんYUNA Urock!]。9月は10月8、9、10日に開催されるFM802主催のサーキット・ライブイベント『MINAMI WHEEL』をテーマに選曲。今月は、Absolute area「SABOTEN」です。

大阪☆春夏秋冬のYUNA(ユウナ)です。

Urock!111回目になりました。



なんだかずいぶん肌寒い。

過ごしやすくて心地いいですが、夏の終わりを感じるとやっぱり寂しいですね。

夏から秋へとバトンを受け渡すこの季節に開催されるイベントは、毎年天気にドキドキさせられたり、まだ夏を終わらせたくないような独特な空気感がある印象。

実際思い出深いイベントも多いですし、文化が彩る秋に向かって、ワクワクを蓄えている真っ最中という感じでとても好きです。

さて、そんな今月は10月8、9、10日に開催されるFM802主催のサーキット・ライブイベント『MINAMI WHEEL』をテーマに選曲しております。

FM802でも、9月1ヶ月間の毎週木曜日 深夜3時から早朝6時までの3時間はMINAMI WHEEL 2021をピックアップした『MUSIC 180 -ミナホ EDITION-』が放送されています。

9/2 板東さえかさん
9/9 田中乃絵さん
9/16 桜井雅斗さん
9/23 豊田穂乃花さん
9/30 田村淳一さん

といったDJラインナップで行われているそうで。

他にも、公式ミナホアプリが出来たりと待ち遠しさ全開。

私もミナホを盛り上げる一員になれるよう、気になるアーティストをピックアップし、コラムを書かせていただきたいと思っております!

今週は10月8日出演のこのアーティストを。

Absolute area「SABOTEN」

山口諒也(ヴォーカル/ギター)、萩原知也(ベース)、高橋響(ドラムス)の3人で組まれたスリーピースバンド、Absolute area。

シンプルなテンポから癖になるようなリズムまで、幅広く技術の高さを生かしながらも人の心に残るような温かさを中心に作られている音楽だなあと感じました。

自分が何者かである不安や、人生においての躓きを共感に変えられる力は強みですし、歌詞が聞き取りやすく、真っ直ぐに伝わってくる軸がありながらも聴き手の感情までくすぐるような優しい歌声は本当に魅力的です。

時に青春を走り抜けるような疾走感を持ったり、愛を考えたり、夢の途中を走ったり。

いろんな情景や感情が思い出される歌詞の言葉選びには珍しさや美しさがあるために、唯一無二のこの音楽を求めてしまうのかもしれません。

誰もが共感できる愛や誰もが抱える悩みが歌われているにもかかわらず、この曲や言葉が自分だけのもののように感じるんですよね。

いつかは国民的に愛されるバンドになるんだろうと期待を込めながら、シンプルに心に残った良い音楽を共有したいという思いで今回は選曲させていただきました。


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まるで花を咲かせるには程遠くて
棘だけが立派に育ったサボテンみたいに
≪SABOTEN 歌詞より抜粋≫
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イントロやサビではなくAメロから始まる曲構成。

海底をゆっくり進んでいるかのような歌声と、その裏でリズムよく打たれるクラップがサボテンという存在の不思議さを表現しているようにも思えます。

花を咲かせる印象が薄く、花の一般的な認知もまだまだ少ないであろうサボテン。

周りから見られている印象や容姿が、自分なりに理解している自分と矛盾していれば、誰だってモヤモヤしてしまうはずです。

傷ついてしまっている心情では中々素直になれず、望んでもいない棘(トゲ)だけが成長してしまうのかもしれません。

ラストではドラムが加わり曲に厚みが増したにもかかわらず、流れるように次に繋がっていく滑らかさが心地いいです。

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誰かの言葉に疑問を覚えたとしても
口にする事もなくただ首を縦に振ってた
≪SABOTEN 歌詞より抜粋≫
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学生時代の独特な居心地の悪さは、大人になれば解消されると思っていたあの頃。

違うと思ったことを言葉として発する勇気がなかった若者と、空気を読んだり嫌われないように慎んで言葉を発しなくなった大人。

これってなんだか、成長したような成長していないような。

どんな年齢やどんな環境であろうと、人の言葉をそのままの意味で捉えたり、すんなり理解するのは難しいなあと実感する日々です。

疑問を投げかけても理解してもらえない事が続くと、「どうせ〜」が付き物になってしまって、言葉を発することさえも面倒になってしまうんですよね。

意思を通すも意思を曲げるも正解や間違いはないですが、正直対決しなくてもいい選択は楽ですよね。

ここでは、楽な方法を選んでただ首を縦に振っていた過去の自分を見つめ返しているようです。

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守りたいものを守る術が
未だに分からずもがいていた
触れようものなら 無邪気に傷付けていた
≪SABOTEN 歌詞より抜粋≫
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守りたいものを守る術とはなんでしょうか??

家族や好きな人。

恋愛に限らず、自分が信じてきた道や大切にしてきた場所があるかと思いますが、それらを守るために自分ができている事を考えたことはありますか?

私は今その渦に巻き込まれている真っ最中でして。

守る術がないというよりかは、ありすぎて選択ができないのかもしれないです。

考えても答えが出ない時は、何を選んでも上手くいかなさそうで先が不安になりますし、もし何かを守るために我慢が増えたり、自分がやりたいことを拒んでまでそれを守るべきなのか分からなくなります。

それに、1人で考えすぎている時って、感情的になりやすくて気づかぬ内に人に当たってしまっていることも。

誰かを守ろうとして発した言葉でも、また別の誰かを傷つけてしまっているかもしれないのです。

自分では気付いていなくても、人のためにやったことが、人に傷を与えているという事。

意外と日常に溢れているすれ違いだと感じています。

そうやって過去の自分を上手く理解しつつ、この後のサビではさらに感情的な歌詞へと続いていきます。

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何度も何度も消えたいと思った
どうせこんな空虚な人生ならば
あまりにくだらない不毛な世界なら
もういらないいらないや
≪SABOTEN 歌詞より抜粋≫
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裏声と地声が入り混じるような繊細で力強い歌声や、字余りな歌詞が複雑なリズムに乗せられているという違和感がどんどん体に溶け込んでは、心地の良い世界感として広がっていく壮大さが印象的でした。

想像もつかないようなメロディーなので良い意味で期待を裏切ってくれますし、このサビが全体のアンバランスさとバランスを保っている魅力なのかなあと感じます。

そんなメロディーとは裏腹に、AメロとBメロでは冷静に過去の自分を分析してきたはずですが、サビでは全てを放り出すような歌詞が書かれています。

“いっそのこと全部をやめてしまいたい”

やり続ける覚悟がない時には、全て投げやりになってしまうような瞬間がありますが、ここでは、誰か個人を責めるのではなく、アバウトな世界を対象として見ているようです。

誰も悪役にならない投げやりは、一度自分を解放させてあげるいい救いなのかもしれません。



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とどまる事もなく肥大していく棘は
僕の力ではもうどうにもできないみたいだ
≪SABOTEN 歌詞より抜粋≫
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宙ぶらりんになっていた悩みや問題は、解消されることはなく肥大していく一方。

なんとか自分1人で解決しようと試みましたが、諦めざるを得ない状況があるのです。

否定的な歌詞が多いにもかかわらず希望が見え隠れしている歌詞だからこそ、このバンドに明るいオーラを感じるのかもしれません。

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否定される事が怖かった
だから否定して丸め込んで
出来上がった世界は
何故か息苦しかった
≪SABOTEN 歌詞より抜粋≫
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誰かに否定されたり嫌われる事って怖いですよね。人に好かれなくとも、好きな事を否定されると居場所がなくなってしまいます。

人から否定されると、何故か自分まで人のことを否定してしまうようになってしまうことも。

人の事を否定から入ってしまうなんて、苦しいですよね。

ダメだなあ、惨めだなあ、情けないなあと思う気持ちが少しでもあれば余計に息苦しくもなるものです。

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何度も何度も自分を責めてた
鏡に映る滑稽な姿を
本当に欲しいのは許しじゃなかった
君と同じくらいの傷だ
≪SABOTEN 歌詞より抜粋≫
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全てを投げ出していた1番のサビとは違って、2番のサビでは自分なりの答えが見つかっているようです。

できない自分、うまくやりこなせない自分、人に優しくできない自分を責めては責めていた。

しかし人の痛みを知ることができた時には、同じくらいの優しさを手に入れていると感じます。

素直になることができたり、人の傷を知ることができたという事は、棘だけではなく花も咲くというサボテンの魅力にまで目を向けられるようになったという事ではないでしょうか。

大切なのは、無理に言葉を吐かせるのではなく言葉を発することができる環境を作ることだと考えます。

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余裕がなくて うまくいかなくて
どうしようもなくて 叫んで 閉ざして
それでも それでも 生きていたくて
必死で抱きしめてたものはなんだ
≪SABOTEN 歌詞より抜粋≫
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自分に余裕がない時って、うまくいかないのではなく、うまくいかないことばかりに目を向けてしまうからだと思うんです。

どうしようもない状況に苦しくなって誰かに助けを求めるように叫んでは、人を信じる事が難しくなって心を閉ざしてしまう。

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それでも それでも 生きていたくて
≪SABOTEN 歌詞より抜粋≫
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この歌詞が全てだと感じます。

生きることへの救いそのものなのです。

今まで必死に抱きしめていたものって、意外と人それぞれで、みんながバラバラなのかもしれません。

愛を感じて感謝を感じてきたそれ。

恩を返したいそれ。

音楽にもその力があるように、この先、Abusolute areaの曲を抱きしめていたいと思う人が沢山生まれていくはずです。

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誰の為だ? 全部嘘だ 
ただのエゴだ! それでもきっと 
素晴らしいだなんて
笑えてくるな どいつもこいつも
≪SABOTEN 歌詞より抜粋≫
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何が正解か間違いかなんてずっとわからない世界ですが、その場しのぎだったり、世間の目を気にして上手いこと物事をまとめ上げたり、無理やりポジティブな方へと運んでいくのは今の時代に合っていないような気がします。

正確に、誠実に。

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何度も何度も消えたいと思った
どうせこんな空虚な人生ならば
あまりにくだらない不毛な世界なら
もういらないいらないや

それでもそれでも自分を責めてた
鏡に映る滑稽な姿を
本当に欲しいのは許しじゃなかった
君と同じくらいの傷だ

もう消えない消えないや
もういらないいらないや
≪SABOTEN 歌詞より抜粋≫
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最近、同業者の友達に「何があってそんなに頑張れてるの?」と聞かれる事がありました。

その時に私は「今こうやって音楽活動をやれている事自体が頑張れている源なのでよくわからない」と。

消えたいと思ったことも自分の価値観を見失ったことだって沢山ありますが、それ以上の幸せと抱きしめていたいものがあります。

そして今でもきっと棘がある。

自分で感じるほどには中々解けないくらいですが、棘が覚悟へ、棘が思いやりに変わる事があります。

消えないを大切に

いらないを大切に

どうか、みなさんの心のサボテンに花が咲きますように。



どうでしたでしょうか?

Absolute areaさんの音楽には独特な魅力がありますが、それが唯一無二な存在としてこの先も咲き続けるはずです。

早くライブを観てみたい。

是非ミナホで!

ではまた。

You rock!!

[しゅかしゅんINFO]

【リリース】
■最新アルバム『BRAVE SOULS』 CD発売中&配信中

【イベント】
※国及び各都道府県からの要請に基づき変更となる場合もございますので、イベントの実施に関しましては各所ホームぺージ、SNS等でご確認の上、ご参加下さい。

■EONソロLIVE『せやかてEON ~vol.2~トークにクイズにスペシャルゲストも!』
[日程] 2021年9月12日(日)
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[時間] 13:00開場 13:30開演

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[日程] 2021年9月12日(日)
[会場] 阿倍野ROCKTOWN
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[日程] 2021年9月21日(火)
[会場] 阿倍野ROCKTOWN
[時間] 18:30開場 19:00開演
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【TV】
■サンテレビ『#Nuts Porker』
※EON準レギュラー出演中!
毎週土曜日深夜24時00分~
※放送時間は週により変更になる場合がございます。
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■CSテレ朝チャンネル1/スカパー!オンデマンド『六本木アイドルフェスティバル2021』
[日程] 2021年9月19日(日) 午前11:00〜
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【RADIO】
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2021年9月17日(金) 21:00~21:30
※MAINA、EON毎月第3週準レギュラー出演。
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※MANA連載コラム「今たべてほしい! 京都・滋賀おいしいもん巡り」掲載

■『おとめ失格』コミックス第1巻(2021年5月14日発売)の帯にYUNA、RUNAが登場!!
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【大阪☆春夏秋冬 / 春風 -Collaboration MV-】
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■WEB【SPICE】インタビュー掲載中
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■2020年6月に実施したオンライン単独ライブ『MABU~From LIVEHOUSE~』ライブ映像YouTube公開中
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この記事を書いた人

YUNA(ユウナ)



1999年5月26日生まれ(双子座 /A型/一人っ子)

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5人組ガールズ ダンス&ヴォーカルユニット! 圧巻の歌唱力と、4人の個性溢れるコーラス&ダンスワークで、ROCK・ファンク・POPS・バラードと幅広い音楽を、歌とダンスで表現する驚きのパフォーマンス。音源だけでは満足できない、本物の LIVEアーティスト。 ▷大阪☆春夏秋冬オフィシャルHP ▷大阪☆···

この特集へのレビュー

男性

黄色いカラス

2021/09/09 20:27

『サボテンの棘の部分は葉や茎が変化したものであると考えられている。』

大人になるにつれて自分を強く見せるため自分を守るために考え方だったり表現の仕方が変化して、他の人と同じだったはずだったのにいつの間にか棘に変わってしまった鏡に映るその滑稽な姿を見て自分を責める。

かと言って棘があることが悪いことではなくて、棘があったから守ってこれた物、続けることができた物もあると思う。

ここ最近考えてることに刺さって色々考えてしまうね。

でも最後の「もう消えない消えないや」で傷ついたことも傷つけたことも全部受け止める覚悟、「もういらないいらないや」でこれ以上傷つきたくないし誰も傷つけたくない、そんな切なさを感じた。

そんな曲でした。

男性

まーくん

2021/09/08 19:15

何かになりたいけど、何者にもなれていない、踏み出しきれないもどかしさと葛藤が堪らなく刺さった

よっぽど下手な管理しない限り枯れることのないサボテンのように、しぶとくしつこく生きてこう

そう思える楽曲とコラムだった

ミナホ、今年こそは行きたい!

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