じれったい乙女心を表現した「シンデレラ」
『シンデレラ』の歌詞にはどのような意味が込められているのでしょうか。
まずはサビのフレーズを見てみましょう。
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じれったいな ハロー残念なあたし 困っちゃってイヤイヤ
じれったいな 決まんないの前髪が 怒っちゃってイライラ
だっだっだ 大好きは もっと可愛くなって 言いたいのに
だっだっだ だいじょばない ちょっと蛹になって出直すわ
≪シンデレラ 歌詞より抜粋≫
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「決まんないの前髪が」や「もっと可愛くなって 言いたいのに」という歌詞から、自分の容姿に自信がもてない様子がうかがえます。
「だっだっだっ だいじょばない」という歌詞からは彼女の必死さが伝わってきますね。
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あ...えと、いや...なんでもない
言いたいこと言えたことないや
目と目 止められないの
逸らしちゃって まーた自己嫌悪
≪シンデレラ 歌詞より抜粋≫
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この歌詞からは、好きな人に近づきたいけれど、相手と目を合わせられるだけの自信も勇気もなく自己嫌悪に陥ってしまう、というループに陥っていることがわかります。
相手のことが本当に好きだからこそ、臆病になってしまうのでしょう。
そのじれったい乙女心が可愛らしく、思わず背中を押してあげたくなりますね。
「シンデレラ」と「ヴァンパイア」の関係
DECO*27の楽曲に『ヴァンパイア』という曲があるのをご存じでしょうか?
MVで使用されているイラストが『シンデレラ』と近いテイストで描かれており、2つの歌詞の一人称が両方とも「あたし」であることから、同一人物なのではないかと噂されています。
とはいえ『ヴァンパイア』は恋愛に貪欲で、小悪魔的な女の子を連想させられるような歌詞の楽曲で『シンデレラ』とは真逆な印象です。
2つの楽曲に関連性があるのかを『シンデレラ』の歌詞から考察していきます。
いろいろな解釈のできる歌詞なので、これはあくまで1つの考察として受け取ってくださいね。
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だっだっだ だいじょばない ちょっと蛹になって出直すわ
愛とか恋とか全部くだらない
がっかりするだけ ダメを知るだけ
あたし馬鹿ね ダサい逆走じゃん
≪シンデレラ 歌詞より抜粋≫
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「がっかりするだけ ダメを知るだけ」という歌詞は、恋に疲れてしまった人の思考に聴こえます。
しかし『シンデレラ』の歌詞の主人公は、恋に疲れているというよりも恋に一生懸命なイメージです。
もしかしたら冒頭の歌詞は『シンデレラ』の歌詞の主人公ではなく、『ヴァンパイア』の歌詞の主人公視点なのではないでしょうか。
恋に貪欲だったヴァンパイアが疲れ果て、蛹(サナギ)になって出直そうとしているのかもしれません。
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じれったいな ハロー残念なあたし 困っちゃってイヤイヤ
じれったいな 入んないのこの靴が 怒っちゃってイライラ
≪シンデレラ 歌詞より抜粋≫
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「入んないのこの靴が」という歌詞がありますが、「この靴」がシンデレラのガラスの靴だとすると、彼女はまだシンデレラにはなれていないのだと考えられます。
苦しい恋愛を経験したヴァンパイアが幸せな恋愛を求めて蛹に戻り、蛹からシンデレラに生まれ変わることを目指しているのだとしたら…
『シンデレラ』の歌詞の主人公は「シンデレラになりたい蛹」だと解釈できそうです。
可愛くなって、自信をもって好きな人=王子様に「大好き」だと伝えられるときがきたら、蛹である彼女は羽化し、シンデレラに生まれ変わるのかもしれません。