話題になった『Love so sweet』動画
ネットで注目を集めた動画を一つ紹介しよう。ドラマや映画の一場面で嵐『Love so sweet』をBGMで流すとどんな場面でも恋が始まる予感がするという動画だ。例えば…映画『カイジ 人生逆転ゲーム』。この作品の中で、"Eカード"というゲームをカイジ(藤原竜也)と利根川(香川照之)が緊迫した対決シーンを展開し、カイジが最後の一手を決めるというクライマックスシーンがある。
そこでいきなり『Love so sweet』を流してみると…。不思議なことに場面のダークなイメージが嘘のように、恋が始まるような高揚感が加わるという動画がある。
Twitterユーザーの高橋尚希さんが投稿したその動画は、投稿からひと月経った頃には、リツイートは7万4000、ファボは9万1000を超え。本人アカウントのフォロワーは当時、数百程度だったので、いかにこの動画が話題になったかが分かる。
花男の主題歌『Love so sweet』
----------------そもそも、『Love so sweet』は2007年に発売された楽曲。そして、この曲は、嵐の松本潤が主演を務めたドラマ「花より男子2(リターンズ)」の主題歌で、同シリーズは映画化されるほど話題になった。
思い出ずっと ずっと忘れない空 ふたりが離れていっても
こんな好きな人に 出逢う季節二度とない
光ってもっと最高のLady きっとそっと想い届く
信じることがすべて Love so sweet
≪Love so sweet 歌詞より抜粋≫
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2015年には、女優の早見あかりや歌手の大原櫻子が出演するキリン「午後の紅茶」のCMソングとして起用され、発売から数年経った今でも、なお人気の高い楽曲であることが伺える。
恋の音が満載
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そこからいつも見えるようにこの手を空に向け 広がる君との思い出
あの頑なで意地っ張りな僕を変えた君の手 Love Story 歩き出す
曲がりくねってた ふたつの旅路は
ここでひとつ 虹になれ
≪Love so sweet 歌詞より抜粋≫
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思い出ずっと ずっと追いかけた夢 ふたりが遠くへ行っても
どんな辛い夜も くじけそうな誓いでも
笑ってもっと最後のLady きっとそっと願い届く
明けない夜はないよ Love so sweet
≪Love so sweet 歌詞より抜粋≫
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イントロからキュンキュンな曲調だ。高らかで軽快なリズムが恋するときめきを表現する。嵐の5人の親しみやすい歌声も飾りすぎず聴きやすさを助長してくれる。
"恋をしている"という状態を音にしたらまさにこうなる!!
歌詞の世界観も恋する男の子のときめきでいっぱいだ。彼女との出会いで彼の世界は変わり、楽しかった思い出もツラかった思い出もたくさん彼女からもらった。
別れを想起させるフレーズがあった
ただ、「遠くへ行っても」や「離れていっても」など、"別れ"を想起させるフレーズがあることに気づいただろうか。よくよく歌詞を読んでみると……----------------
伝えきれぬ愛しさは
花になって 街に降って
どこにいても君を“ここ”に感じてる
≪Love so sweet 歌詞より抜粋≫
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思い出ずっと ずっと忘れない空 ふたりが離れていっても
こんな好きな人に 出逢う季節二度とない
光ってもっと最高のLady きっとそっと想い届く
信じることがすべて
明けない夜はないよ
信じることがすべて Love so sweet
≪Love so sweet 歌詞より抜粋≫
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そう、実は恋が始まるどころか、恋の終わりの歌だと分かる。「ずっと追いかけた夢」のために二人は別れる決意をしたのだ。
君より好きな女性に出会うことは二度とないよ。だけど、お互いの夢が叶うことを祈って君を"ここ"に感じて僕も頑張るから。ツラいことがあっても明けない夜はないんだから、君も頑張って。前向きな別れの歌だ。
ネット動画では恋が始まるようなときめきが見事に表現されているのが、なんとも皮肉なことだ。
花男に出演した松本潤と井上真央の恋仲も噂されているが、動画のように恋が実っているのか、はたまた歌詞のようにお互いの夢を追っているのか。
どちらにせよ、こんな前向きな別れの歌に出会う奇跡は二度とない。
TEXT:田中利知 https://twitter.com/toshichika8855
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