King Gnu「一途」は「劇場版 呪術廻戦 0」主題歌
ヒット曲『白日』や、テレビアニメ『王様ランキング』のオープニングテーマ『BOY』などで知られるアーティスト『King Gnu』。
そんな『King Gnu』が、2021年12月10日(金)に新曲『一途』を配信リリースしました。
『一途』は人気漫画を原作とした映画『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌。
原作になぞらえた歌詞もあり、原作ファンの方はもちろん、漫画・映画を知らない方も聴きごたえのある楽曲でしょう。
King Gnu自身が「全部サビみたいな曲」と発言しているように、疾走感あふれるナンバー『一途』の歌詞の意味を考察していきます。
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最期にもう一度
強く抱きしめて
その後はもう
何も要らないよ
僕の未来も
過去も何もかも
あなたで満ちれば
後悔は無いよ
≪一途 歌詞より抜粋≫
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楽曲タイトルの『一途』には、「1つのことに打ちこむさま」「ひたむき」などの意味があります。
曲冒頭で気になるのは「最期にもう一度強く抱きしめて」の歌詞。
「最期」は「命がつきる時まで」の意味を持つため、冒頭の歌詞からは「一生をかけてあなたを想う」という純愛さが伝わってくるのではないでしょうか。
まさに、『一途』な気持ちを表現したフレーズと言えそうですね。
決意が感じられる歌詞
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生きてる証刻むの
悴む心震わして
天秤なんて必要ないの
矛盾に脳を惑わして
≪一途 歌詞より抜粋≫
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続く「生きてる証刻むの」の歌詞からは、主人公の「自分がやれることをしたい」という気持ちが伝わってくるようです。
寒くて手足が悴んでしまうと、思うように動けないですよね。
「悴む心震わして」からは、「今まで行動できていなかった自分を奮い立たせる」といった意味が込められているように思います。
「天秤なんて必要ないの」の歌詞がありますが、何を天秤で測らないとしているのでしょうか。
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正義と悪など
揺らいでしまう程
生き急いでいた
エンドロールは
きっと神様の
身勝手な悪戯
汚れ役だろうと
厭わないよ
≪一途 歌詞より抜粋≫
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続く歌詞から、先ほど天秤にかけないとしていたのは「正義」と「悪」だと解釈できそうです。
「汚れ役」は、世間から好ましくないと思われる役柄のこと。
これから自分が起こす行動は、もしかしたら多くの人から「悪」と捉えられることなのかもしれません。
しかし「汚れ役だろうと厭わないよ」の歌詞からは、「周りから非難されるとしてもやめない」と決めた心情が感じられるようです。
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矛盾だらけ
お互い様ね
不幸話の背比べ
首の皮一枚
瀬戸際に
足掻いてちゃ
白々しいね
≪一途 歌詞より抜粋≫
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「首の皮一枚」の歌詞から、King Gnuの楽曲『白日』のサビを思い起こした人もいるのではないでしょうか。
不幸話をする人には、「不幸を乗り越えた自分を褒めて欲しい」という心理があると言われているそうです。
本当は「自分が不幸だ」という話をしたいのではなく、「自分がすごい人物だと思われたい」という欲求があると言い換えられるでしょう。
そんな様子は、見ていて不快に思う人もいるかもしれませんね。
先ほど登場した「生きてる証刻むの」の歌詞を踏まえると、「自分がすごい人だと思われるためには、それなりの行動を起こすべきだ」というメッセージに繋がるのかもしれません。
歌詞のテーマは呪術廻戦の主人公・乙骨の純愛?
『一途』は『劇場版 呪術廻戦 0』の主題歌として書き下ろされた楽曲。
そのため、『一途』の歌詞には呪術廻戦にまつわる言葉が多く登場します。
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ひとひらの想いよ
届け届けと血を巡らせて
一途に見つめます
理由なんて必要は無いの
≪一途 歌詞より抜粋≫
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映画のあらすじに触れると、主人公の乙骨憂太は、幼馴染の祈本里香とかつて結婚を誓っていました。
しかし、里香は事故で亡くなってしまい、乙骨に怨霊となって取り憑きます。
「一途に見つめます」の歌詞は、今でも2人がお互いを想いあっている気持ちを表現しているように思えるでしょう。
あわせて、「人を好きになるのに理由なんてない」という恋愛に関してのメッセージも含まれているようですね。
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涙の理由も知らずに
愛が体を喰いちぎった
正しさを振りかざさないで
事実が理由を喰いちぎった
≪一途 歌詞より抜粋≫
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映画のストーリーを踏まえると、「愛が体を喰いちぎった」は里香が乙骨に取り憑いた様子を表していると解釈できそうです。
また、恋をすると常に相手のことを考えてしまったり、相手の好きな自分でいようと努力したりするもの。
そんな風に、人が恋愛感情を抱くことで変わっていく様子を表しているとも捉えられそうですね。
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鼓動が止まぬように
喧騒に薪を焚べんだ
帳を張る事すら
無粋な気がしてんだ
≪一途 歌詞より抜粋≫
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呪術師の五条悟によって呪術高専に入った乙骨は、里香の呪いを解こうと決心しました。
そんな中で、呪術師だけの世界を作ろうとする呪詛師・夏油傑が現れます。
「喧騒に薪を焚べんだ」の歌詞は、これから待ち受ける戦いに備えて力をみなぎらせる乙骨を表していると捉えられるでしょう。
なお、「帳」は作品中に登場する結界を指していると解釈できそうです。
ちなみに、King Gnuの楽曲『Vinyl』にも「喧噪に上がる煙に薪をくべろ」の歌詞が出てくるため、曲を知っている方はニヤリとしてしまうかもしれませんね。
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さあ来世に期待ね
光れ閃け猛スピードで
一途に向かいます
余力を残す気は無いの
届け届けと血を巡らせて
一途に愛します
永遠なんて必要は無いの
≪一途 歌詞より抜粋≫
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「来世」「余力を残す気はない」からは、戦いに命をかけて臨む乙骨の心情を表しているようです。
そして、印象的なのは「永遠なんて必要は無いの」の歌詞。
「花は散るからこそ美しい」という言葉があるように、終わりがあるからこそ楽しかったことを思い出に残しておけるものでしょう。
いつか別れが来るからこそ、相手と一緒にいられる日々もより大切に思えるのかもしれません。
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最期にもう一度
強く抱きしめて
その後はもう
何も要らないよ
見えない未来も
消せぬ過去さえも
あなたで満ちれば
後悔はないよ
最期にもう一度
力を貸して
その後はもう
何も要らないよ
僕の未来も心も体も
あなたにあげるよ
全部全部
≪一途 歌詞より抜粋≫
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「見えない未来も 消せぬ過去さえも」の部分に変更が見られますが、ラストには冒頭のフレーズが再び現れます。
永遠の別れを意識しながらも相手を想う、主人公の気持ちが伝わってくるのではないでしょうか。
なお、原作漫画には「僕の未来も心も体も全部里香にあげる」という乙骨のセリフがあり、歌詞はここから引用されたものと考察できます。
まさに、呪術廻戦の世界を描いていると解釈できそうですね。
呪術廻戦へのリスペクトが感じられる歌詞
King Gnu『一途』の歌詞の意味を考察しました。呪術廻戦へのリスペクトを感じつつ、もちろんKing Gnuの楽曲としても非常に楽しめる作品でしょう。
取り上げた以外にも、歌詞中には『劇場版 呪術廻戦 0』に登場するキャラクターの心情を表しているような部分が見受けられます。
映画を見た後で歌詞を見ると、また新たな気づきがあるかもしれません。