タイトル「パラサイト」の意味を考察
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ねえあたしのことが好きなら 気付いて 夢を見せてよ
どうしてわかってくれないの? 嫌いだ 二度と触れないで
≪パラサイト 歌詞より抜粋≫
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冒頭の歌詞からは、歌詞の主人公には好きな人がいるものの、相手が気持ちに応えてくれることはなく、「どうしてわかってくれないの?」と苦しんでいる様子が伝わってきます。
「嫌いだ 二度と触れないで」という歌詞のとおり、歌詞の主人公は、自分の気持ちをわかってくれないあなたに嫌気が差しているのでしょう。
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ぱーっと飲んで 誰かに埋めてもらえたら
あなたのこと忘れられると 思っていた
≪パラサイト 歌詞より抜粋≫
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「あなたのこと 忘れられると思っていた」という歌詞からは、好きな人のことを忘れられず、苦しんでいる様子が伝わってきます。
「嫌いだ 二度と触れないで」と言いながらも、心の中では「愛している また触れてほしい」と泣き叫んでいるのかもしれませんね。
楽曲のタイトルである「パラサイト」は、「他者に依存して生きる人」という意味の言葉です。
自分の気持ちに応えてくれないとしても、好きな人に依存し続けてしまう主人公の苦しみを表現した楽曲だからこそ、「パラサイト」というタイトルをつけたのだと考察できます。
寂しさを騙しながら生きるパラサイト
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ぱーっと飲んで 誰かに埋めてもらえたら
あなたのこと忘れられると 思っていた
“トモダチ”ってさ 都合よくない?
けど繋がってるなら悪くはないね 騙し騙し生きて病んじゃって
優しくされると余計にツライ けど冷たくされるの望んでないよ
≪パラサイト 歌詞より抜粋≫
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「誰かに埋めてもらえたら」「″トモダチ″ってさ 都合よくない?」
この2つの歌詞からは、主人公が好きな人に振り向いてもらえない寂しさを、都合のよい″トモダチ″に埋めてもらおうとしていることがわかります。
″トモダチ″と表記しているあたり、純粋な友達関係ではなく、肉体関係だけで繋がっている相手なのかもしれませんね。
″トモダチ″がくれるのは快楽を求めるだけの偽りの愛情であり、恋人や友達が与えてくれる本当の愛情ではありません。
「騙し騙し生きて病んじゃって」という歌詞は、「パラサイト」の主人公が″トモダチ″からの偽りの愛情で、寂しさを騙しながら生きている様子を表しているのだと考察できます。
偽りの愛情は寂しさを吹き飛ばしたり、癒したりできるものではなく、ただ寂しさを騙すことしかできない。
そう理解しながらも、″トモダチ″という繋がりを手放せないのです。
主人公は、好きな人だけでなく、″トモダチ″にも依存している「パラサイト」だといえるでしょう。
「パラサイト」は闇ソングなのか?
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ねえあたしのことが好きなら 気付いて 夢を見せてよ
どうしてわかってくれないの? 嫌いだ 二度と触れないで
ダサい感情は1…2の…散で流れ星 あの子とのコト呪ってあげるわ
ねえ愛した時間を返してよ 嘘つき でもまだ好きだよ
≪パラサイト 歌詞より抜粋≫
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歌詞に出てくる「あの子」は、好きな人が想いを寄せる相手なのだと想像できます。
自分ではなく「あの子」を選んだ「あなた」が憎く、「あなた」を奪った「あの子」も憎いのでしょう。
「あの子とのコト呪ってあげるわ」という歌詞に闇を感じます。
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ダサい感情は1…2の…散で流れ星 あの子とのコト祝ってあげるわ
ねえ最期にぎゅっとさせてほしい ありがとう これであなたも
≪パラサイト 歌詞より抜粋≫
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しかし楽曲の最後は「あの子とのコト祝ってあげるわ」という歌詞になっています。
もしも最後の「これであなたも」という歌詞の後に、「幸せになってね」という言葉が続くのであれば、この楽曲はパラサイトだった主人公が、パラサイトを脱出するまでの過程を表現した作品なのかもしれません。
逆に最後の「これであなたも」という歌詞の後に、「私と同じように不幸になってね」や「私に依存してね」という言葉が続くのであれば、パラサイトを脱出できない主人公を表現した闇ソングだといえるでしょう。
この作品が闇ソングなのかどうかは、最後の歌詞の解釈によって変わるのかもしれません。