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WANDS「世界が終るまでは…」歌詞の意味は?スラムダンクのエンディングを考察

アニメ『SLAM DUNK(スラムダンク)』のEDテーマとして知られるWANDS『世界が終るまでは…』。2022年8月には、現WANDSメンバーによる新バージョンが配信リリースされました。今回はそんなアニメソング史に残る名曲の歌詞の意味を考察します。

TVアニメ「SLAM DUNK」エンディング曲

1990年から1996年にかけて週刊少年ジャンプで連載された大ヒット漫画『SLAM DUNK(スラムダンク)』

高校のバスケ部を舞台に選手たちの人間的成長が描かれる、井上雄彦(いのうえたけひこ)原作の大人気作品です。

WANDS『世界が終るまでは…』はそんな『SLAM DUNK』のTVアニメ版エンディングテーマ

作詞を手がけたのは旧ボーカル・上杉昇です。
▲織田哲郎&上杉昇-世界が終るまでは…【Animelo Summer Live 2012 -INFINITY∞- Day2】

2022年8月28日には、現メンバー(ボーカル・上原大史、ギター・柴崎浩)による新バージョン『世界が終るまでは… [WANDS第5期ver.]』が配信シングルとしてリリースされました。

サビのキラーフレーズ「世界が終るまでは」のメロディーは『SLAM DUNK』のファンでなくとも聴いたことがある人は多いのではないでしょうか。

今回は、そんなアニメソング史に残る名曲『世界が終るまでは…』の歌詞の意味を考察します。

愛する人との別れ


まずは1番の歌詞を見ていきましょう。

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大都会に 僕はもう一人で
投げ捨てられた 空きカンのようだ
互いのすべてを 知りつくすまでが
愛ならば いっそ 永久に眠ろうか…
≪世界が終るまでは… 歌詞より抜粋≫
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どうやら主人公は、大きな孤独感に襲われているみたいです。

自身を「投げ捨てられた 空きカン」と例えていることから、愛する人に捨てられて心が空っぽになっているのかもしれません。

また、主人公は「愛」について「互いを知り尽くすこと」と捉えているようです。

よって「投げ捨てられた 空きカン」という表現からは、自分は全てをさらけ出した一方、相手のことは十分理解できていなかったという状況が推測できます。

そうして孤独になった主人公は「いっそ永久(とわ)に眠ろうか…」と自暴自棄になっている様子。

続くサビの歌詞を見てみましょう。

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世界が終るまでは 離れる事もない
そう願っていた 幾千の夜と
戻らない時だけが 何故 輝いては
やつれ切った 心までも 壊す…
はかなき想い… この Tragedy Night
≪世界が終るまでは… 歌詞より抜粋≫
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「世界が終るまでは 離れる事もない」。

愛する人と一生一緒にいたいと願っていた主人公。

捨てられた今、それほど好きだった相手との思い出がちらついて心が掻き乱されているようです。

「愛」というものの儚さを痛感し、粉々になった心で迎える「Tragedy Night(トラジディナイト=悲劇の夜)」。

非常に大きな喪失感が伝わってくる1番でした。

「Tragedy Night」は世界が終わった後の夜?


ここからは2番以降の歌詞を見ていきます。

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そして人は 形を求めて
かけがえのない 何かを失う
欲望だらけの 街じゃ 夜空の
星屑も 僕ら を灯せない
≪世界が終るまでは… 歌詞より抜粋≫
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冒頭は「そして人は 形(こたえ)を求めて かけがえのない 何かを失う」。

目に見える態度や言葉で愛を確かめようとするあまり、互いへの信用や誠実さが失われていくといったニュアンスでしょうか。

そんなことを考える主人公にとって、大都会の明るい街並みは「欲望だらけ」。

わかりやすい欲望を追いかけるせいで、夜空の星々のような本当に美しいものを見失っていると言いたいのかもしれません。

続いて、サビの歌詞です。

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世界が終る前に 聞かせておくれよ
満開の花が 似合いのCatastrophe
誰もが望みながら 永遠を信じない
なのに きっと 明日を夢見てる
はかなき日々と このTragedy Night
≪世界が終るまでは… 歌詞より抜粋≫
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「満開の花が 似合いのCatastrophe(カタストロフィ=悲劇的結末)」という歌詞は、お互いに満ち足りた状態でなされる清々しい別れといった意味合いでしょうか。

自身が孤独で空っぽな「悲劇」に直面して、映画や小説で描かれるような美しい別れが本当にあるのかと嘆いているのかもしれません。

続く歌詞「誰もが望みながら 永遠を信じない」は、人は永続することのない愛をいつも渇望しているというように解釈できます。

そしてそれでも「明日を夢見てる」とのこと。

愛情が永遠でないと知りながら、当然のように明日も明後日も愛する人が離れないと思い込んでいる。

そんな人々の日常を思うと、愛する人を失った今の自分の悲劇は相当なもののように思われるのかもしれませんね。

最後のサビは1番と同様です。

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世界が終るまでは 離れる事もない
そう願っていた 幾千の夜と
戻らない時だけが 何故 輝いては
やつれ切った 心までも壊す…
はかなき想い… このTragedy Night

このTragedy Night
≪世界が終るまでは… 歌詞より抜粋≫
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周りの人と同じように、主人公は愛する人が当たり前にそばにいると思っていたのかもしれません。

そうでないと痛感させられた今、二度と返ってこない日々が疲れた心に追い討ちをかけます。

「Tragedy Night」とは、自分と愛する人との世界が終わった後の、孤独感や空虚感、喪失感に満ちた悲しい夜のことなのではないでしょうか。

「Tragedy Night」を乗り越えて

今回はWANDS『世界が終るまでは…』の歌詞の意味を考察しました。

孤独感や喪失感など、愛する人を失った後の情感が壮大に表現された楽曲でしたね。

同じような経験のある人なら「このTragedy Night」のイメージが、より鮮明に頭に浮かんだかもしれません。

主人公は「いっそ永久に眠ろうか」と絶望しているようでしたが、あくまで終わったのは主人公とその愛する人との「二人の世界」だと考えられます。

「Tragedy Night」を乗り越え、まだ終わっていない「自分の世界」を磨き上げられるかどうかが、人としての成長のカギなのかもしれませんね。

★WANDSメンバーPROFILE 上原大史 —— 第5期ボーカリスト。 関西のインディーズバンドをはじめ、様々な音楽プロジェクトに参加。その歌声、パフォーマンスがWANDSのプロデューサー・長戸大幸の目に留まり、WANDS第5期のボーカルに抜擢。 柴崎浩 —— 第1期、第2期のギタリストを務め、WANDS黄金期···

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