甲子園テーマソングで人気の代表曲を徹底解釈!
野球に関わるテーマソングを多く手がけている3人組男性レゲエボーカルユニット・ベリーグッドマンの代表曲のひとつに『ライオン』があります。2016年開催の第98回全国高校野球選手権地区大会のテーマソングで、同時期から西武ライオンズの守護神・増田遠至投手の登場曲としても使用されてきました。
また2023年8月には岩谷産業の企業CM「鳥人間コンテスト2023 支えがあるから羽ばたける」篇のCMソングにも起用され、日本中の頑張る人たちを元気にしてきた楽曲です。
実はこの曲は元々増田投手に向けて作られました。
当時前田健太投手から楽曲提供の依頼を受けた際、プロ野球選手で初めて自分たちの楽曲を登場曲に使ってくれた増田投手を差し置いては失礼だと感じ、増田投手への感謝を込めて楽曲を作ることにしたそうです。
そして増田投手がマウンドで強打者と対峙する姿に、アーティストとして励む自分たちの努力の日々を重ねて『ライオン』という楽曲が誕生しました。
どのようなメッセージが込められているのか、歌詞の意味を考察していきましょう。
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負けない気持ちがあるから また君の力になれる
戦う気持ちは雲突き抜け 今日もまた日が昇る
≪ライオン 歌詞より抜粋≫
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冒頭からパワフルな想いが綴られていますね。
「負けない気持ち」という勇敢さを持っていれば、大切な誰かの力になれます。
「戦う気持ち」は言い換えれば諦めない心のことで、どんなに強い相手と対峙するとしても諦めず努力を重ね挑戦し続けるなら望む未来を掴むことができると伝えています。
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磨り減った靴が辛い日々を物語る
あと少しはこのまま歩けるかな
「心強くあれ」と無理でも踏み出せる
そんな自分を誇りに思える
≪ライオン 歌詞より抜粋≫
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「磨り減った靴」を見れば、その人がどれほど厳しい練習に耐えて頑張ってきたかが見えるものです。
その日々の中には苦しくて立ち止まりそうになったこともあるでしょう。
それでも「心強くあれ」と自分に言い聞かせながら歩き続けたなら、そんな自分を誇っていいのです。
ライオンのような心で戦い続けろ
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磨り減った靴が辛い日々を物語る
あと少しはこのまま歩けるかな
「心強くあれ」と無理でも踏み出せる
そんな自分を誇りに思える
≪ライオン 歌詞より抜粋≫
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ライオンは力や勇気、勝利を象徴する動物です。
「ただがむしゃらに」挑む自分自身をライオンに例えて、心を鼓舞しているのかもしれません。
どんな相手と戦う時も、その本質は自分の弱さや諦めの気持ちとの「孤独な戦い」です。
その戦いに終わりはありませんが、諦めない限り未来は続いていきます。
周囲の環境が障害となって足を止めさせようとしても「ここでは終われない」と走り出して乗り越えていく力が必要です。
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Try again 誰だって時につまずいて
立ち上がって 「あぁ、もうダメだ」って
思った時からすでに2回戦が始まってる
Try again 絶対に負けないで 今の自分には負けないで
その信念を曲げないで One for all,All for one
≪ライオン 歌詞より抜粋≫
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この部分では全ての人が失敗する現実を認めています。
「あぁ、もうダメだ」と思っても、戦いはそんな自分を待っていてはくれません。
だから挫折しそうな「今の自分には負けないで」、「その信念を曲げないで」と力づけてくれています。
自分との戦いは孤独ですが、誰もがみな戦い続けているという意味では仲間です。
「One for all,All for one(1人はみんなのために、みんなは1人のために)」という言葉を掲げ、懸命に戦う君をいつでも支えるから頑張れと励ましてくれているように感じます。
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1日の終わりに君は何を思うだろう?
「もう少し先まで歩けたかな」
後悔を嘆くより ぶれない決意を
明日の君は今日の君を超える
≪ライオン 歌詞より抜粋≫
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その日一日を終え、思うようにできなかったと感じて後悔することもあるでしょう。
しかし過ぎたことを後悔するよりも、「ぶれない決意」を固めることの方が重要です。
そのようにしてポジティブな気持ちを持ち続けることが成功への近道となるはずです。
大切な人を想う気持ちが力になる
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誰にも言えない悩み抱え ライバルが先に夢を叶え
不器用な自分を嫌いになったが 自分の代わりはいなかった
「絶対負けない」雲の上 またあいつの分まで頑張って
噛み付く勇気と忍耐で 「ここでは腐れない」と走り出す
どんな困難も立ち向かう
≪ライオン 歌詞より抜粋≫
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「誰にも言えない悩み」に苦しみ、「ライバルが先に夢を叶え」たことに嫉妬して「不器用な自分を嫌いになった」ことがあるでしょうか?
そうだとしても「自分の代わりはいなかった」とあるように、自分の戦いは自分だけのものです。
「絶対負けない」と自分に誓い、戦い続けるならよりよい未来を引き寄せられるでしょう。
続く「雲の上 またあいつの分まで頑張って」というフレーズも印象的ですよね。
ベリーグッドマンはソロ活動から結成されたユニットのため、それぞれが歌うパートは自身で作詞しています。
このパートを歌うMOCAは高校時代、友人を亡くすという衝撃的な出来事を経験しました。
そのつらい過去が今の戦う原動力になっていて、亡くした友の分まで頑張らなくてはという思いに奮い立たされるそう。
誰かのために頑張ろうとする気持ちが人を強くするというのはきっと野球選手も同じでしょう。
ライオンのように勇ましく、目の前の障壁に「噛み付く勇気と忍耐」を持って挑む姿は周囲の心まで力づけます。
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今はこれ以上 戦えない もう無理 怖じ気づき
部屋でうずくまる 感じる鼓動と体温
涙がこぼれるのはなぜ?
泣いて悩みもがき苦しむ中で
ようやく今の仲間に出会えた
だから今日も立ち止まらずまた走り出す
ライオンのように強くなりたいから
≪ライオン 歌詞より抜粋≫
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努力を続けても思い描くような結果が得られず、「今はこれ以上 戦えない もう無理」と極限状態まで追い込まれることがあるかもしれません。
そんな風に涙がこぼれるのは、それだけ真剣に向き合い本気で戦ってきたからです。
不器用なりにもがき続けたからこそ本当に信頼できる仲間を得ることができたはずです。
「ライオンのように強くなりたい」という真っ直ぐな想いを持ってまた走り出す人は輝いています。
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幸せを願ってるから また君の力になれる
明日も君のために戦う自分になる
≪ライオン 歌詞より抜粋≫
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大切な人の幸せを願う温かい気持ちは、その人を支え踏み出す勇気を与える力になります。
自分のためだけに戦うよりも、大切な誰かのために戦う方が力を発揮できるでしょう。
強さと優しさを持つライオンのような心で一緒に戦っていこうと背中を押してくれています。
「ライオン」は人生の応援歌!
ベリーグッドマンの『ライオン』は日々を懸命に生きる全ての人を勇気づける応援歌です。どんな人生を歩んでいるとしても、努力のいらない人生はありません。
青春真っ只中の人も今の自分を変えたい人も、明日へ踏み出す力がほしいならぜひおすすめしたい楽曲です。