平成に誕生した卒業式の定番ソング
透明感のある声から「天使の歌声」と称されている、シンガーソングライター・川嶋あい。
複雑な生い立ちでありながらも、路上ライブを1000回、自主制作CD手売り5,000枚、渋谷公会堂でのワンマンライブを達成するという偉業を成し遂げました。
さらに、当時人気を博していた「I WiSH」のボーカルaiの正体であったことから、邦楽業界では川嶋の多才な魅力に衝撃が走りました。
『旅立ちの日に・・・』は、2006年に発売された曲。
実は、I WiSHの『明日への扉』の原曲であり、メロディーがそのまま使われているのです。
当時はもちろん、令和に変わった今でも色褪せることなく卒業ソングとして語り継がれています。
それぞれのフレーズに注目してみましょう。
思い出が詰まったアルバムのようなストーリー性
----------------
桜舞う4月の教室で
波打つ胸をはずませながら
出会った永遠の仲間達
あどけない手交わしたね
あの日かけまわった校庭
笑顔によく映えた光る汗
時に素直になるの嫌って
ぶつかり合ってケンカもしたね
放課後行った常連の店
いつもの駄菓子屋 忘れてないよ
指切りをして 交わした約束
みんなきらめく陽だまりの粒
≪旅立ちの日に… 歌詞より抜粋≫
----------------
ここでは、入学〜在校していた頃の想い出について表現しているのが分かります。
大切な仲間たちとの出会いやスポーツや部活で汗を流しながらも頑張る姿、大切だからこそぶつかり合うための喧嘩に、放課後寄り道した駄菓子屋など。
どれも青春そのもので、きっと「懐かしい!」と思った方もいるのではないでしょうか?
その時には感じられなかった感情も、卒業式の日に次々と思い出す様子に思わず感情移入します。
----------------
週末にはよく遊んだね
時に夢中な恋も知って
絶えぬおしゃべり 怒られた朝
泣いたあの日も 覚えているよ
あなたがくれた 冷めぬこの熱は
私の胸で息づいている
≪旅立ちの日に… 歌詞より抜粋≫
----------------
学校生活以外にも、プライベートで親しかった様子が描かれています。
特に、女子同士だと恋の話は付き物ですよね。
片思いや両思い、失恋などその時によって出会いと別れを繰り返すと思うと、人生はまさに山あり谷ありであることを痛感します。
そんな過ぎ去った日々もまだ、冷めず記憶の中にあるようです。
ついに訪れた、卒業式当日
----------------
いつのまにか 時は流れ
もう今日は卒業の日
人はいつか旅立つもの だけど
いつの日にか またどこかで
会える気がするからね
輝く日々を忘れないで
≪旅立ちの日に… 歌詞より抜粋≫
----------------
いつの間にか時間があっという間に過ぎ、いよいよ卒業式を迎えることになりました。
この日でみんなそれぞれ自分の道に旅立ちますが、この先絶対に会えないということではなく、「またいずれどこかで会いましょう」というポジティブな感情が伺えます。
----------------
今新たな扉開き
はるかな年月経て
つぼみから花咲かせよう
≪旅立ちの日に… 歌詞より抜粋≫
----------------
「つぼみから花咲かせよう」は、新しい人生・新しい自分に生まれ変わり、少しずつ成長していこうといった心情が込められているのでしょう。
これから先の未来、何が起きるかは全くわからないけれど、自分を信じて前向きに歩き進む姿勢がとても大切です。
たくさんの素敵な想い出とともに、未来へ羽ばたこう。
春の訪れを感じられる名曲
今回は、川嶋あい『旅立ちの日に・・・』の歌詞の意味について考察しました。まさに卒業ソングにもってこいの曲でしたね。
時代を超えてもなお、愛され続けていることを知り、思わずほっこりしました。
これから楽しいことや不安なことがあるかと思いますが、春の訪れを感じられる素晴らしい曲なので、一人でも多くの方に聞いていただきたいです。