プロセカに追加され、愛され続けている曲
まふまふは歌唱・作詞・作曲・編曲・演奏・エンジニアリングまでをひとりで行うことが多いマルチクリエイター。自称「何でも屋さん」とのこと。
儚げな中に力強さのこもった声で、独自の世界観の曲を歌いあげています。
また、ゲーム、アニメ作品や様々なアーティストへの楽曲提供もしているクリエイターでもあります。
今回歌詞を考察していく『携帯恋話』は、プロセカというゲームに存在する「25時、ナイトコードで。」というグループの楽曲として2020年に発表されました。
東雲絵名(CV.鈴木みのり)、暁山瑞希(CV.佐藤日向)、初音ミク(Original CV by 藤田咲)の3人が歌うMVも公開されています。
この曲は、携帯電話をベースに切ない恋の様子が描かれています。
ここから『携帯恋話』の歌詞の意味を詳しく見ていきましょう。
少しの甘さを残した切ない恋模様
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いつまでも手放せない感情は
ひとさじの甘さで薄汚れている
憧れの物語と違うのは
どうしても 不安になる以上の感触が
足りない
≪携帯恋話 歌詞より抜粋≫
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「手放せない感情」と始まるところから、これは上手くいっていない恋を表しているのではないでしょうか。
「甘さ」と言いながら「薄汚れている」と続いているのは、甘い部分も主人公にとってはモヤモヤとした感情に変わっているのだと思いました。
また、不安が大きいことで、憧れていたような恋とは違う物語になってしまっているのでしょう。
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チクタク チクタク
君と交わす とりとめのない言葉 結わいて
チクタク チクタク
お別れの頃合いになっただけ
口元に残る甘さはどこへやろう
≪携帯恋話 歌詞より抜粋≫
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時間が経ち、相手とたわいのない会話を重ねていく様子が分かります。
「お別れの頃合いになっただけ 口元に残る甘さ」は携帯電話を切る頃に、相手と話してきた幸せを最後に噛みしめているかのようです。
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ねえ 愛してを繋いで 嘘だって笑って
どこへいたって受話器越し
手頃な恋話 決まりの台詞 息をひそめて
「愛してるよ」
≪携帯恋話 歌詞より抜粋≫
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「どこへいたって受話器越し」からは、相手との距離や越えられない壁を感じさせます。
「愛してるよ」と息をひそめて言うのは、自分に自信がないという気持ちの表れでしょうか。
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口をつけずに冷めた紅茶を
捨てられないような恋でも
心以上の言葉で君を聞かせて
もしもし
≪携帯恋話 歌詞より抜粋≫
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この恋は、口をつけずに冷めてしまった紅茶を捨てることが出来ないときの気持ち(=もう美味しくはないのにもったいなくて取っておく)のようだと言っています。
2人は晴れやかな関係ではないと予想しました。
それでも、「相手には想っている以上の言葉を自分にかけて欲しい」という主人公の気持ちが伝わってきます。
主人公の想いが高まるとともに暗闇に沈んでいく
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思い出と今を繋ぐ回線が
いつからか解れかけていたんでしょう
ひとりきり 慣れてしまう手違いに
いつまでもささくれ立つ心が止まない
≪携帯恋話 歌詞より抜粋≫
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「思い出と今」は普通なら地続きになっているものですが、それがどこかで途切れてしまったのでしょう。
手違いを繰り返すことで、主人公の感情がとげとげしくなっていっています。
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どうせならもう君が 最低な言葉で壊して
悪戯な優しさに 胸がおかしくなるの
苦しくなるの
≪携帯恋話 歌詞より抜粋≫
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「(どうせなら)この関係を終わらせるために、相手から最低な言葉をかけてほしい」と考えてしまうほどに、主人公は辛い場所にいます。
相手の中途半端な優しさが、主人公をさらに苦しめているのだと思いました。
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チクタク チクタク
君を探す 秒針握ったまま 迷って
チクタク チクタク
どうせまた おやすみになったフリ
もういいよ それならばもういいよ
が今日も言えないや
履歴にないような囁きはいらない
≪携帯恋話 歌詞より抜粋≫
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まるで主人公が迷路に迷い込んだかのように、相手の心を探している場面でしょうか。
「もういいよ」と終わりにしてしまうことが、主人公はできずに立ち止まっています。
履歴を記憶だとすれば、「記憶に残らないような小さな言葉だったらいらない」と主人公は考えているようです。
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ねえ 愛すなら愛して 厭ならば嫌って
白黒つかないダージリン
瞼のいらない嘘の言葉に 愛をせがんでしまう
「いかないでよ」
≪携帯恋話 歌詞より抜粋≫
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自分のことを愛すのか、嫌うのか、はっきりして欲しいと主人公は考えています。
白黒つかないままにずるずると関係を続けていくうちに、また主人公は相手に愛を求めてしまっているようです。
泥濘にはまるように相手から離れられない主人公
今回は、まふまふの『携帯恋話』について歌詞の意味を考察しました。主人公の様子はまるで、泥濘にはまってしまった人のようです。
ぜひ今回の解釈を参考にしながら、あなたなりの考察をしてみてくださいね。