素晴らしいと絶賛される表現力
Mrs. GREEN APPLEの楽曲『ア・プリオリ』は、2018年8月1日にリリースされたシングル『青と夏』に収録されています。
「アプリオリ」という言葉は、ラテン語で「経験に先立って存在する」または「経験から独立して認識されること」を意味します。
『ア・プリオリ』は、皮肉を巧みに織り交ぜた歌詞で、現代社会に生きる人々へのメッセージを発信しているとも解釈できます。
ボーカルの大森元貴さんは、フレーズごとに声色を変えながら力強く歌い上げ、その表現力の幅広さが際立っています。
この曲を聴いた人からは、「表現力がすごい」「多重人格のようだ」「カメレオン歌手だ」といった称賛の声が上がっています。
その歌詞に込められた皮肉混じりのメッセージの意味を考察していきます。
----------------
あれだけ言ったのにバカね
期待をしたら惨めなだけと
≪ア・プリオリ 歌詞より抜粋≫
----------------
何度も助言したのに、耳を貸さず無視した相手へのメッセージが込められているようです。
期待しても無駄だと、自身の経験から分かっていたからこそ伝えた言葉。
相手がどんな結末を迎えるかを予感していたからこそ、生まれた言葉のように感じます。
これは、期待してしまう自分へのメッセージとも捉えることもできますね。
----------------
ねえ
君はなんでそんな
楽しそうに生きられるの?
人気者なのね
広く浅いの代名詞ね
求められてる人を妬ましく思う
"私"は哀れ
ホント哀れ
≪ア・プリオリ 歌詞より抜粋≫
----------------
人生を楽しんでいる人への嫉妬心がにじむフレーズです。
「人気者なのね 広く浅いの代名詞ね」という歌詞には、人気者だけれど所詮は浅い人気で、心からの人気ではないよね、といった皮肉が込められています。
それでも、そんな相手を妬んでしまう自分に、自己嫌悪に陥る様子が切なく響きます。
----------------
あれだけ言ったのにバカね
期待をしたら傷つくだけと
あれだけ言ったのにまた、ね
繰り返す意味
産まれた不思議
≪ア・プリオリ 歌詞より抜粋≫
----------------
何度失敗しても、繰り返してしまう。
人は傷つくと分かっていても、つい期待してしまう。
心の葛藤や、人間の哀れさを表しているようです。
聞く耳を持つことを忘れた大人

----------------
味を占めたのかしら
あらもう、そのモードで
聞く耳を持つこと忘れた大人
偉いもんね。
偉いもんね?
≪ア・プリオリ 歌詞より抜粋≫
----------------
聞く耳を持たない大人への、呆れたようなフレーズです。
たまたまの成功体験だけで、自分が偉いと勘違いし、正しさを疑わない大人に向けられた「偉いもんね?」という一言。
そこには、非常に皮肉たっぷりなメッセージが込められています。
----------------
付け上がらないで
地に足つけてね
「誰のせいだ!」
とか聞き飽きた
≪ア・プリオリ 歌詞より抜粋≫
----------------
偉そうにする相手に対して、「もっと謙虚になりなよ」とアドバイスしているような言葉です。
自分の不満や失敗を他人のせいにする姿勢に対して、そんな言い訳はもう聞き飽きて、うんざりしている様子が伝わります。
もういい加減、自分と向き合うべきだと言っているようです。
----------------
君が言うその考えは
誰かのものね
恥さらし者ね
「ホントの自分で居ると腐っちゃいそうです」
って、もう臭うんだよね。
≪ア・プリオリ 歌詞より抜粋≫
----------------
誰かの影響を受けて、自分の考えを持たない人。
自分を偽って恥ずかしくないの?恥を晒しているだけだよ。
「本当の自分」でいることを恐れていることくらい、周りのみんなは気づいている。
「臭うんだよね」とは、その偽りが周囲にバレていることを意味していると感じました。
悪人ではなく弱い人

----------------
悪い人ではなく弱い人
その違いが君には解るかな
虚しさの中で溺れる世は
こんな歌をまだ唄わせる
≪ア・プリオリ 歌詞より抜粋≫
----------------
現代社会への強いメッセージが込められたフレーズです。
悪意ではなく、他人の評価ばかりを気にする「弱い人」を指摘しています。
「自分が弱い人だと自覚しているのか?」と問いかけ、違いが分からない人が多いため、何度も「間違っている」と伝えなければならない現実が描かれています。
「もう、こんなこと言いたくないよ」と、現代社会の虚しさが感じられます。
----------------
あれだけ言ったのにバカね
期待をしたら惨めなだけと
あれだけ言ったのにまた、ね
皮肉にもただ君に恋する
≪ア・プリオリ 歌詞より抜粋≫
----------------
結局、何度言っても聞く耳を持たず、失敗しながらも楽しそうに生きる人。
自分とは正反対のその姿に、どこか羨ましさを感じてしまう。
そんな複雑な感情が表現されています。
----------------
あれだけ言ったのにバカね
汚い窓で何を眺める?
人の心はいつの時代も何かが足りない
諦めそうだ
≪ア・プリオリ 歌詞より抜粋≫
----------------
「汚い窓」は、何も期待できない世の中を表現しているように感じます。
期待しても無駄だと分かっていても、人はどうしても何かに頼ってしまう。
いつの時代も、人々の心は不安定で、その不安定さを何かに期待して支えようとします。
どれだけ必死に伝えても、聞く耳を持たない人々の前では、結局自分の心が折れてしまう様子が描かれているように思います。
ミセス「ア・プリオリ」LIVE映像も要チェック!
Mrs. GREEN APPLEの楽曲『ア・プリオリ』は、人からの評価を気にしてしまう現代社会を生きる私たちの心に深く響く一曲です。「なぜ人は、傷つきながらも誰かに期待してしまうのか。」
そんな問いかけが込められた歌詞には、共感せずにはいられないフレーズが散りばめられています。
さらに、LIVE映像では、歌声だけでは伝えきれない想いを、表情や全身の動きで力強く表現。
音楽とパフォーマンスが重なり、より一層心を揺さぶります。
ぜひ、一度LIVE映像もチェックしてみてください。
【Mrs. GREEN APPLE PROFILE】 大森元貴 (Vo/Gt) 若井滉斗 (Gt) 藤澤涼架 (Key) 2013年結成。2015年EMI Recordsからミニアルバム「Variety」でメジャーデビュー。 以来、毎年1枚のオリジナルアルバムリリースと着実なライブ活動を続け、2019年12月から行われた初の全国アリーナツアー「エデ···
