清水翔太「PUZZLE」母校の生徒たちとコラボ
清水翔太が2024年10月に配信リリースした楽曲『PUZZLE』がロングヒットしています。歌詞のテーマは人生観。
人生を「パズル」に例え、失ったもの、希望や夢をピースの様に当てはめて生きていく、というメッセージが感じられます。
デビュー以来、16年ぶりに大阪に活動拠点を移して制作された『PUZZLE』。
制作のきっかけとなったのは、清水が子どもの頃に通っていた「大阪・キャレスボーカル&ダンススクール」にて特別講師を務めた経験によるものです。
夢に向かって頑張る生徒たちの姿を見て制作されました。
『PUZZLE』は、スクールのテーマソングという枠を超えて、多くの人の希望となる楽曲になっていると感じます。
『PUZZLE』は、ゴスペルテイストの楽曲で、コーラスには母校の生徒たちが参加。
クラップ(手拍子)やボーカルの掛け合い、コーラス、ラップで彩られており心を揺さぶられます。
ゴスペルとは、キリスト教音楽のジャンルのひとつで、愛や希望が歌詞に込められており、多人数でのハーモニーや掛け合いが特徴です。
「パズルのピースを埋めてゆく」と歌詞にあるように、みんなで歌う事でそれぞれの声がピースの様にハマり、楽曲に強いメッセージを持たせているように感じます。
失くした夢の欠片をもう一度つかむ

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それはまるでおとぎ話のようで
誰もがいつか同じ景色見るんだ
叶えられなかった夢の置き場所
君も時々は思い出しますか?
≪PUZZLE 歌詞より抜粋≫
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子どもの頃や青春時代、誰もが何かに憧れ夢を見るでしょう。
漠然と「○○になる!」と夢見た幼い日。
少し大人になって本気で追いかけた夢。
でも、誰もが夢を叶えられるわけではないと気づいたあの日。
いつしか日々に追われ、記憶の隅に追いやられた夢の欠片。
「叶えられなかった夢の置き場所 君も時々は思い出しますか?」の問いかけに心がドキッとしませんか?
一瞬で、自分の夢の欠片を思い出し、遠いあの日に心が向かいます。
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何の為に泣いていたんだろう
何の為に走り続けたんだろう
全部を覚えてはいないから
1番強い想いだけが残ってく
≪PUZZLE 歌詞より抜粋≫
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夢に向かって頑張っていた日々が描かれています。
その日々の全部を覚えていないから、強烈な印象がある事だけが強く心に残っている。
人によっては楽しい事、辛い事、苦しい事とその種類はさまざまでしょう。
でも、一番強い想いとは、夢を叶えたいという気持ちではありませんか?
夢のために頑張っていた日々を思い起こさせる歌詞が印象的です。
『PUZZLE』を聴いて、改めてかつての自分の夢に気づかされる人もいるのではないでしょうか。
失くしたものへの希望を持ち続ける

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たったひとつの約束のために
僕らは歌ってる 今日もこの場所で
もしもあなたが居なくなったとしても
必ず帰ってくると信じてる
雨上がりの虹のように
いつかまた会えますように
夢の破片を集めて
パズルのように埋めてゆく
≪PUZZLE 歌詞より抜粋≫
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この部分の歌詞は「約束」がキーワード。
音楽スクールのテーマソングという事を考えれば、一度音楽の道を諦めた人に「また戻っておいで」というメッセージかもしれません。
もちろん、別の夢を諦めた人へのメッセージとも捉えられそうです。
しかし、それだけではなく、もっと大きな意味があるとも感じられるのです。
それは、失った人へのメッセージです。
距離が離れてしまった人、あるいはもっと深い意味で現実の世界ではもう逢えない人です。
「帰ってくると信じてる」と希望を持つ事で、自分の心のすき間を埋めて、人生のパズルを完成させようとしているのではないでしょうか。
信じる事 = その人をずっと想い続ける事。
諦めるのではなく、きっとまた逢えると信じる事が明日への希望となるなら、その想いを持ち続ける事の大切さを感じるのです。
「雨上がりの虹のように いつかまた会えますように」の歌詞には、いつ訪れるかわからない奇跡が描かれていると感じます。
虹はいつ出るかわからないもの。
だからこそいつかまた会えたら・・・という、はかない希望を感じるのです。
本当は、諦めている自分がいるのもわかっている。
でも、希望や夢で心のすき間をパズルのように埋めていけば、救われる自分がいるのではないでしょうか。
人生はパズル 最後のピースは自分自身

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I remember なぜだろう
忘れられない下手な笑顔 その向こう
微かに見えた未来の自分達とできたハイタッチ
あの頃は
I remember Do you remember
何してんだろって 見つめる地面
たまに空 ほら、また、caught up
できそうだって思えるメロディーの中いま
≪PUZZLE 歌詞より抜粋≫
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過去の記憶をたどる歌詞。
「下手な笑顔 その向こう」の歌詞には作り笑いではなく、不器用だけど純粋に笑っていた日々が伺えます。
「その向こう」にあるのは友達や家族などを指すのかもしれません。
しかし、夢や希望など目に見えないものも指しているのでは、と考察します。
「未来の自分たちとできたハイタッチ」には、思い描いた自分に近づくつもりでいた事を想像させます。
でも「何してんだろって 見つめる地面」には挫折を想像させます。
よって、この歌詞の部分では夢への希望と挫折が描かれており、聴く人の琴線を揺さぶる展開となっている感じがします。
誰もが、未来は明るいものと信じていたでしょう。
でも、夢を叶えらずに現実を過ごしている人も多いはず。
多くの人の共感を得る部分ではないでしょうか。
しかし「たまに空 ほら、また、caught up」には明るい意味を感じます。
見つめる地面は俯いている様子ですが、空には顔を上げ進んでいこうとする姿が描かれています。
caught upには追いついたという意味があり、あの頃の自分の夢に追いついた、そしてできそうだって思える自分がいる、という前向きなメッセージを感じるのです。
このブロックの歌詞では、過去の自分を見つめなおし、挫折やさまざまな経験を自分の糧とし、未来への希望を見出そうとする姿を感じます。
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足りないピースを探して
終わりのない旅路を行こう
喜びも哀しみも全部詰め込んだ鞄
最後のピースはその中に
ずっとあったんだ
≪PUZZLE 歌詞より抜粋≫
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人生は終わりのない旅。
足りないピースを探して行こう、という歌詞は多くの人が共感する普遍的なメッセージです。
「喜びも悲しみも全部詰め込んだ鞄 最後のピースはその中にずっとあったんだ」が『PUZZLE』において、最も重要な詩の部分だと感じます。
鞄=自分自身だと考察します。
人生を形成するパズルのピース。
最後に当てはまるピースは、自分自身なのだという深いメッセージが込められてるのではないでしょうか。
さまざまな経験を経て出来上がる、自分だけの「パズル」。
最後のピースが当てはまる時に、なりたい自分であれたかどうか、それが一番たいせつなのかもしれません。
清水翔太「PUZZLE」は人生をパズルのピースにたとえ未来を描くゴスペルソング
清水翔太の『PUZZLE』は、人生をパズルのピースに例えて描かれた歌詞が、多くの人の共感を呼ぶと感じます。人生は、自分だけのピースを集めて形成される。
そして、最後のピースが当てはまった時にパズルは完成する。
その最後のピースは、自分自身の中にあるのだというメッセージを感じます。
自分がどれだけ納得して人生を生きたかが大切なのではないでしょうか。
ゴスペルに乗せて歌われる歌詞は、明るい未来への希望となります。