「breakfast」朝食を食べて今日も1日がんばろう!
Mrs.GREEN APPLEの『breakfast』は、2025年6月4日に配信限定シングルとしてリリースされた楽曲です。フジテレビの朝の情報番組「サン!シャイン」のテーマソングとして書き下ろされました。
『breakfast』を聴いて「今日も1日がんばろう!」と、家を出る人も多いでしょう。軽快なサウンドは、ちょうど歩くスピードにピッタリ。
イヤホンで聴きながら歩くと、出勤や登校の足どりも軽やかになりそう。
しかし、軽快なサウンドに詰め込まれた歌詞は、SNS社会への風刺ともとれます。
『breakfast』に込められた歌詞の意味を考察していきます。
歌詞に込められたSNS社会への風刺

『breakfast』は、SNS社会への風刺が込められている楽曲ではないでしょうか。
SNSに振り回される現代、それでも自分らしく1日を生きていこう、というメッセージを感じます。
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関係ない 居ない
目の前に居ない人を救う?
難しいことは考えずにいつだってスルー
何気ない言葉に傷つくくせに
あなたこそ正しく言葉を使えずにいる
≪breakfast 歌詞より抜粋≫
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SNS社会を意識したフレーズです。
「目の前にいない人」とは、ネット上にいる誰か。
遠くの誰かを助けようとしたり、正義感あふれる行為は本当に正しいことなのか?
その正義感は間違ってはいないのか?
など、さまざまな問題提起として受けとれます。
匿名で簡単に誰かを非難したり、援護したり、簡単に発信することができる今の世の中。
でも、難しい問題になるとスルー。
つまり、簡単に攻撃できる相手には簡単に言葉を発信してしまう、といった行為を批判しているように感じます。
自分が言われたときは傷つくくせに、他人への言葉には配慮がない。
軽い言葉で傷つき傷つけあうSNS社会の脆さを感じる部分です。
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愛想ばっかで芯を食った人がただ減る
簡単なことでも考えられずいつだってスルー
大事な事を言葉で伝えたいのに
いざって時にどう言っていいかわかんない
≪breakfast 歌詞より抜粋≫
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「芯を食った人」とは、物事の本質や核心部分を捉え、きちんと発言できる人のこと。
表面上だけのコミュニケーションや、SNS上での「いいね」など「愛想」ばかりの人間関係を描いていると思います。
うわべだけのコミュニケーションをしてきたため、大事なところで、どうやって言葉を伝えたらいいのかわからない。
ネット上での軽いやりとりに慣れていて、人間関係を深く築くことができない現代社会の問題点を描いていると感じます。
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冷めないうちにあったかいご飯を食べよう
行ってきますとご先祖に手を合わせよう
戻れない香りが漂ってきたら
とりあえず今日を生きよう
『私らしく「おはよう」』
あなただけの世界が
だけの世界が
今日も広がっていく
≪breakfast 歌詞より抜粋≫
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それでも、朝食を食べて、今日を生きようというあたたかいメッセージ。
みんな何かに疲れて、でも、楽しいこともあって日々生きている。
誰かの言葉に傷ついたり、誰かを妬んだり、誰かの言葉に励まされたり、みんなそうやって生きている。あたたかいご飯を食べられたら大丈夫。
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あなただけの世界が
だけの世界が
今日も広がっていく
他の誰でもない
何でもない
奇跡をあなたは持っている
≪breakfast 歌詞より抜粋≫
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自分の命は遥か昔から繋がれてきたもの。それだけで奇跡。
自分らしく私だけの世界を創ればいいのだ、という前向きになれるメッセージがあります。
承認欲求の脆さ

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脆いハイブリッドな
嗜好品をどうぞ
承認欲求が餌になっていく
≪breakfast 歌詞より抜粋≫
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「脆いハイブリッドな嗜好品」は、SNSそのものなのでは、と考察しました。
なんだかんだ言ってみんなSNSが大好き。
そこでの自己表現を描いているのかもしれません。だから「承認欲求が餌」という歌詞が、とてもしっくりきます。
誰かにわかってほしいという気持ちや「いいね」がたくさんつくうれしさ。誰にでもあるものですよね。
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強気も良いけど僕はちょっと
ヒビが入ってるくらいがいいぜ
知らんけど
≪breakfast 歌詞より抜粋≫
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SNSでは自分を大きく見せがち。
だけど、虚勢を張らずに「ダメな自分でもいいじゃん?」というメッセージを感じます。
ありのままの自分を出す方が人間らしくて、人々の共感を得やすいもの。
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馬鹿でも良いんだ
阿呆でも良いんだ
人のあったかい処を
わかっていれば良い
わかっていれば良い
愚かさを諦めなければ良い
≪breakfast 歌詞より抜粋≫
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人のあたたかい部分を感じとれる人間であれ、と伝えたいのではないでしょうか。
逆に言えば、人のあたたかさや優しさを感じとれる人間でありたい、という願望かもしれません。
自分の弱いところ、ダメなところ、不完全なところを認め、それでも向上心を持って生きていく。そうすれば、自分だけの世界が広がっていく。
自分という奇跡の存在を今日も生きていこう、というメッセージを感じます。
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あなただけの世界が
だけの世界で
『私らしく「おはよう」』
難しいことは
ここらでやめて
身支度を済ませて
陽の光を浴びて
朝食を済ませてゆく
≪breakfast 歌詞より抜粋≫
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「おはよう」と言って、朝ご飯を食べたらそれだけで元気になれる気がする。
難しい事は考えずに今日1日を生きよう。
とても前向きになれる歌詞で締めくくられています。
SNSで疲れたら、距離を置いてみるのもいいかもしれません。
SNSやネットはとても便利なツール。うまく使いこなせば無限の可能性があります。
でも、それに振り回されて本当の自分を見失っては意味がありません。
自分を大きく見せることも、小さく見せることもないのです。
自分の良いところ、ダメなところを認めて高めて、自分らしく生きることが大切なのでは、と思います。
太陽の光を浴びて出かければ、きっと自分だけの世界が広がる。
『breakfast』は、自分は自分だけの奇跡を持っているのだ、と思わせてくれる前向きなメッセージがつまった楽曲です。
「breakfast」はありのままの自分でいい、と前向きになれる楽曲
Mrs.GREEN APPLEの『breakfast』は、SNS社会への風刺を描きながらも、それに惑わされず、自分らしく生きることの大切さを歌った楽曲だと思います。SNSでは、何が本当なのかわからないことも多いもの。
人と比べることなく、ありのままの自分で生きていけばいいのだ、というメッセージを感じます。
今ここにいることこそが奇跡なのだから。朝ごはんを食べて、今日も元気に「行ってきます」と出かけましょう。きっと前向きな気持ちになれるはず。
【Mrs. GREEN APPLE PROFILE】 大森元貴 (Vo/Gt) 若井滉斗 (Gt) 藤澤涼架 (Key) 2013年結成。2015年EMI Recordsからミニアルバム「Variety」でメジャーデビュー。 以来、毎年1枚のオリジナルアルバムリリースと着実なライブ活動を続け、2019年12月から行われた初の全国アリーナツアー「エデ···
