Mrs.GREEN APPLEのキーワード「アンテナ」
2022年に「フェーズ2開幕」として活動を再開したMrs.GREEN APPLE。
『ANTENNA』は、2023年7月に前作から4年ぶりにリリースされたフルアルバム『ANTENNA』のタイトルチューン。
「アンテナ」という言葉は、バンド結成時からメンバー間でよく口にしていた言葉とのこと。
「感受性」を意味する言葉として「アンテナを立てていこうぜ」とよく口にしていたそう。
その言葉は「集中しよう、気張っていこう」という意味でも使われていたとのこと。
生きていく上で、アンテナを張ることはとても重要。
自分にとって必要な情報や知識が入ってくるからです。
アンテナを張り巡らせ、感受性をコントロールして生きていこうというメッセージを感じる『ANTENNA』。
その歌詞の意味を考察します。
絶望も愛しあきらめずに進む大切さ

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Boys and Girls
妄想は当然だ
良し悪しじゃない好きな方角
どれもが奇跡
君だけのその世界
≪ANTENNA 歌詞より抜粋≫
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少年少女の全てを肯定するメッセージです。
夢や理想を掲げる若者たち。
「ああなりたい、こうなりたい」と妄想するのは当然のこと。
若いからこそできる冒険であり、可能性も感じます。
それは善悪で判断されるものではなく「好きな方向に向かっていけばよい」と感じる歌詞です。
「君だけの価値観が奇跡であり、君だけの世界を創っているんだよ」という自信につながるメッセージ。
自分だけの世界を持つことの重要性を感じます。
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愛してるよ ホープレス
「満ち足らない」こそね
わかりはしないから
いつもドキドキしていれるんでしょう?
アンテナコントロールして
憂鬱も抱きしめて
どこまでも行ける
そんな気がしてる
≪ANTENNA 歌詞より抜粋≫
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「ホープレス」とは絶望の意味。
なぜ、そのホープレスを「愛してるよ」と歌うのでしょうか?
逆説的に、希望が見えない日々も愛して進んで行こうという意味に捉えられます。
それこそが「ホープ=希望」なのだと伝えたいのではないでしょうか。
満ち足りない日々だからこそ、もっと上を目指していける。
先がわからないからドキドキしていられる。
感受性の強さゆえ、敏感すぎる自分に困っている人もいるかも知れません。
自分のアンテナをコントロールして、憂鬱なことも受け入れて気楽に生きていこうよ、というメッセージを感じます。

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少しずつと変わる
人や季節に疲れてしまうけど
私が私自身を諦めて
痛みに気づけない
未来がただ怖い
≪ANTENNA 歌詞より抜粋≫
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人生において起こるさまざまな環境の変化。
進学や就職、転勤など人生のイベントごとにおける人や場所の変化。
巡りゆく季節、それに伴う時間の変化。
生きていく上で日々同じ場所にはいられず、流され疲れてしまう。
そんな生活の中、自分を見失いそうになることもあるかも知れません。
そんな時でも、決して自分をあきらめないで、というメッセージ。
「痛みに気づけない 未来がただ怖い」の歌詞は、自分自身をあきらめることで起こる輝かない未来を想像させます。
自分を大切にし、自分自身をあきらめないことで、開けてくる未来への可能性を示唆しているのだと考察します。
「怖い」のささやくような歌い方にも注目。
自分自身をあきらめることの怖さが感じられる気がします。
自分のアンテナ=感受性をコントロールして生きる

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感じ取った? 理の電波
受け取った? 私の愛は
間違ったことなんて無いわ
君だけの存在の周波
≪ANTENNA 歌詞より抜粋≫
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他者や社会など、外部からのメッセージをきちんとキャッチできているか?という問いかけに感じます。
自分のアンテナできちんと情報をキャッチして、何が正しくて正しくないかなどを認識し、自分を成長させようという意味が込められているのではないでしょうか。
他者とのコミュニケーションの重要性も感じます。
きちんと相手の愛を受け取り、こちらからも愛を返す。
恋愛だけに限らず、大きな意味の愛です。
きちんと人と接することで生まれる愛情。
それを大切にしようというメッセージにも感じます。
他者や社会との交流で作られていく、自分という存在。
私という周波数を持つ人間は私しかいない。
自分という存在を大切にして生きようということではないでしょうか。
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やり直したい過去は無いけど
謝れたら良いな
過ぎ去ったものは戻らないけど
今日を生きる私の銀河
≪ANTENNA 歌詞より抜粋≫
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大きさの違いはあれど、誰にも過去の過ちはあるもの。
でも、過去は戻せない。
過ぎた日々は戻らない、という真実の下、今日を生きる。
過去は消せない、覆らないけれど、過ちを認め未来へと進みたい。
私たち人類が住んでいるのは「天の川銀河」または「銀河系」と呼ばれている場所。
今日を生きる私は、銀河系の中にあり、その中で私という銀河は唯一無二の尊い存在なのだ、という意味に捉えることができそうです。
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アンテナは動いてる
私たちは生きている
何をしていても
変わらない真実です
≪ANTENNA 歌詞より抜粋≫
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生きている限り、アンテナは動いている、感受性を失うことはない。
何をしていても、どんな時も。
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愛してるよ ホープレス
数知れない交差で
まだ見ぬ景色に
ドキドキ出来るんでしょう?
アンテナコントロールして
全てを抱きしめて
どこまでも行ける
そんな気がしてる
≪ANTENNA 歌詞より抜粋≫
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これから起こる数知れない交わり。
人との出会いや別れ、希望と挫折。
自分で選択していく人生の交差点や曲がり角。
この先いったい何が起こるのか?
そんなまだ見ぬ景色にドキドキできる自分でありたい。
自分のアンテナを信じて、自分の道を選択していこう、生きていこうという前向きなメッセージが伝わります。
勇気や希望を感じさせてくれる歌が多いMrs.GREEN APPLE。
『ANTENNA』を聴くと、とても前向きな気持ちになれる自分がいます。
『ANNTEA』はMrs.GREEN APPLEからのエール

Mrs.GREEN APPLEの『ANTENNA』は、自分のアンテナ=感受性を大切に生きていこうよ、というメッセージが込められた楽曲です。
Mrs.GREEN APPLEにとって「アンテナ」は、バンド内でよく使うキーワード。
彼らの人生観が詰まった楽曲、と言ってもいいかもしれません。
アンテナを駆使し自分だけの世界を創り生きていく。
『ANNTEA』は、希望も絶望も受け入れて、自分のアンテナ=感受性を信じて生きていこう、というメッセージが込められた楽曲ではないでしょうか。
大森元貴の歌声は、聴く人にとって力強いエールとなるでしょう。
【Mrs. GREEN APPLE PROFILE】 大森元貴 (Vo/Gt) 若井滉斗 (Gt) 藤澤涼架 (Key) 2013年結成。2015年EMI Recordsからミニアルバム「Variety」でメジャーデビュー。 以来、毎年1枚のオリジナルアルバムリリースと着実なライブ活動を続け、2019年12月から行われた初の全国アリーナツアー「エデ···
