恋に落ちた衝撃と駆け出す想い
2026年1月4日に配信リリースされた、YOASOBIの『アドレナ』は、同日より放送のTVアニメ『花ざかりの君たちへ』のOP主題歌として書き下ろされました。『花ざかりの君たちへ』は、1996年から2004年まで『花とゆめ』(白泉社)にて連載され、シリーズ累計発行部数が1,700万部を突破した、中条比紗也による大人気少女漫画。
憧れの人に会うために、性別を偽って男子校へ転入する主人公を描いた学園ストーリーは、日本のみならずアジア各地でドラマ化され、人気を博しました。
アニメ版となる本作のOPを飾る『アドレナ』は、津山冬の書き下ろし小説『Magical』を原作として制作されました。
主人公・芦屋瑞稀の不器用ながらも真っ直ぐな恋心を、コミカルなサウンドに乗せて届けるポップナンバーです。
“アドレナリン”を想起させるタイトルの通り、心の内から湧き出るような、活力を感じるパワフルなラブソングとなっています。
どのような内容となっているのか、歌詞の意味を考察していきましょう。
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そうあの日あの日
がらり変わったんだ
アタシアタシの世界
まるでまるでそれは魔法に
パッとかけられたような
鮮烈な出来事
≪アドレナ 歌詞より抜粋≫
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1番冒頭には、恋に落ちた瞬間の衝撃が描かれています。
それは「まるでそれは魔法にパッとかけられたような 鮮烈な出来事」で、自分の世界が180度変化したと思えるほど劇的な瞬間です。
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どうにもなんないよ
電光石火のインパクト
出会ってしまったの
遠い街のヒーロー
どうかしちゃっている?
そんなのとうに分かっている
閃くままに
飛び込んだアタシの
想いと想いと
裏腹に今日も
見つめているだけの横顔に
ねえいつか
そういつか
願うだけじゃきっと
ABCの最初にもイケナイ
(Mmm... My heart is burning up!)
ほら動き出せ!
≪アドレナ 歌詞より抜粋≫
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「電光石火のインパクト」を経験し恋心が走り出したら、もう自分でもどうしようもできません。
主人公は、自分の心を虜にした「遠い街のヒーロー」を追いかけます。
周囲に「どうかしちゃっている」と言われても、「そんなのとうに分かっている」と答えます。
自分が行動しなければ、その人は一生遠い人のまま。
だから、なりふり構わず「閃くままに」彼の世界に飛び込んでいきます。
とはいえ現実は厳しく、近くにいても横顔を見つめているだけです。
「いつか」と願うだけでは振り向いてはもらえないから、「ほら動き出せ!」と自分を鼓舞する気持ちが伝わってきます。
「ABCの最初にもイケナイ」のフレーズは、ドラマ版のOP主題歌『イケナイ太陽』のオマージュと思われます。
このようなさりげない遊び心もYOASOBIの魅力ですね。
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ABC 続かない そんなんじゃ ダメじゃない
だって ココロの奥は違うんぢゃない?
≪イケナイ太陽 歌詞より抜粋≫
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言葉にして伝えたい愛の気持ち

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そう 曖昧じゃ分かんない
ちゃんと言葉にしないときっと伝わんない
(でもでもまだ)
どうしたいのか分かんない
こんな笑顔見せるのは
君にだけなのに
やっとこうして隣に
いられる今に甘えてなんかいらんない
アタシ引く気はないのよ
君の本当のとこ
土足で遠慮はしないから
≪アドレナ 歌詞より抜粋≫
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曖昧な態度で示していても「ちゃんと言葉にしないときっと伝わんない」と自覚しています。
しかし、想いが募れば募るほど臆病になり、自分でも「どうしたいのか分かんない」と感じます。
「こんな笑顔見せるのは 君にだけなのに」ともどかしい気持ちを抱えていることがわかるでしょう。
それでも、主人公のポジティブな姿勢は変わりません。
「やっとこうして隣にいられる今に甘えてなんかいらんない」と奮起し、「アタシ引く気はないのよ」と力強く宣言しています。
「君の本当のとこ 土足で遠慮はしないから」というフレーズからも、少し強引にでも好きな人の心の中に入り込みたい気持ちが垣間見えます。
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さあ何回でもimagine
君に伝えたいのは?
Loving you!
もう答えは出てる
そう恋も愛もliberty
今にも溢れそうな
Love in me!
白黒つけるの
Yes or No!
Don’t stop the heart!
Yes or No!
Don’t stop the feeling!
Yes or No!
Don’t stop the rush!
Yes or No!
Don’t stop the love!
≪アドレナ 歌詞より抜粋≫
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伝えたいのは「Loving you!(大好き!)」の気持ち。
いつでも伝えられるように、繰り返しイメージしてその想いを強めています。
続く部分の「liberty」には、抑圧状態からの解放の意味があるため、恋や愛が自分の心を解放してくれるものだという考えが見えてきます。
恋をして愛を感じなければ気づかなかった自分の新たな一面に気づかされ、世界はもっと広がっていきます。
主人公は、今にも溢れそうな自分の中にある愛に、白黒つける覚悟ができているようです。
英語詞の部分では、好きな人に自分の想いに対する答えを求めています。
そして、心・想い・衝動・愛を止めないでと訴えます。
苦しくても怖くても、芽生えた愛と自分を突き動かす想いを否定せず受け止めてほしい、というメッセージが伝わってくるのではないでしょうか。
自分に魔法をかけて私らしく突き進む

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そう 曖昧で未完成な
この想いは
難解で未解明
でもねいつだって
君には笑っていて欲しい
そう願っているんだよ
思い切って短く切った髪は
自分にかけた魔法
私らしく
突き進むの
君のとこまで
≪アドレナ 歌詞より抜粋≫
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まだ生まれたばかりの「曖昧で未完成なこの想い」は、自分自身でさえ「難解で未解明」な領域です。
しかし、その奥で光るのは「いつだって 君には笑っていて欲しい」という純粋な願いです。
本当に好きだから、自分の想いを叶えること以上にその人の幸せを願う気持ちが大きくなっていきます。
「思い切って短く切った髪は 自分にかけた魔法」というフレーズに、新しい世界へ飛び込む決意が表れています。
髪を切って今までとは違う姿になった鏡の中の自分が、恋に向かって走る自分の背中を押してくれるかのようです。
常識外れでも「私らしく 突き進む」ことを大切にし、全力で恋をする主人公に胸が温かくなります。
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大好きなんだ
大胆に好き勝手に
恐れるなよ果敢に
さあ飛び込んで
(今すぐほら)
どうして一緒にいるだけで
こんな笑顔になるなんて
君だけなんだよ
ずっとこうして隣に
いられるように
いやもっともっと近くに
誰も止められないのよ
君の本当が知りたいから
踏み出せ何度でも
そうでしょ?
きっと いや絶対に
振り向かせて見せるから
≪アドレナ 歌詞より抜粋≫
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主人公は「大好きなんだ」という想いを胸に、「大胆に好き勝手に」行動するつもりです。
「恐れるなよ果敢に さあ飛び込んで」と自分を促します。
「ずっとこうして隣に いられるように」とあるように今の関係でも満足していますが、本当は「もっともっと近くに」いきたいと願っています。
この気持ちは「誰にも止められない」。
だから彼の本当の気持ちを知るために、何度でも踏み出します。
「きっと いや絶対に 振り向かせて見せるから」という宣言に、恋のパワーと熱い想いが感じられます。
恋心が加速するポジティブなラブソング!
YOASOBIの『アドレナ』は、アドレナリンが出るように、溢れ出る恋心を原動力にして前進する主人公の姿が描かれたラブソングです。片想いのもどかしさや不安を正直に明かしながらも、一貫して恋のときめきや幸せが表現された、ポジティブな雰囲気が漂っています。
アニメのストーリーとのリンクを楽しみながら、主人公と一緒に恋の気持ちを高めていきましょう!

