沖縄の曲は、リズムやメロディが独特で一度聴くと忘れられない魅力が詰まっています。
そんな沖縄の曲を楽しみたいなら、民謡や歌謡曲などいろいろなジャンルの曲を聴いてみましょう。
この記事でわかること
沖縄の歌・有名な民謡3選
沖縄の民謡は12〜15世紀頃に誕生し、5つの音で構成された琉球音階という独自の音階が特徴的です。
演奏には三線や、3枚の板を鳴らして音を奏でる三板、堤太鼓などが使われます。
そんな沖縄民謡の中には、沖縄の人ならみんな知っていると言っても過言ではない、有名な楽曲が多数存在します。
ここでは、ポピュラーな沖縄民謡を3つピックアップしました。
てぃんさぐぬ花
「てぃんさぐぬ花」は古くから愛されている沖縄の歌です。
沖縄を代表する民謡ともいえるこの曲は、リトル沖縄と呼ばれる大阪の大正駅で発車メロディに採用されています。
タイトルの「てぃんさぐぬ」とは、沖縄弁で鳳仙花(ほうせんか)のことです。
鳳仙花から出る赤い汁は爪につけるとマニキュアのように色づくのですが、曲中では「鳳仙花の汁が色づくように、親の教えを心に染めなさい」と歌われています。
子どもに向けて、親が伝えることの大切さを言い聞かせる教訓のような歌詞ですね。
家族や親族を大切にする沖縄らしい、温かく慈愛に満ちた曲ですね。
ヒヤミカチ節
「ヒヤミカチ節」は、三線の早弾き曲として、とても有名な沖縄の歌です。
この曲の歌詞は、今帰仁村の平良新助という男性が読んだ琉歌が元になっています。
タイトルにある「ヒヤミカチ」とは、沖縄弁で「えい!と気合をいれる」という意味。
平良新助は第二次世界大戦後にアメリカの強制収容から沖縄に帰り、沖縄戦で荒れた故郷に胸を打たれました。
そのときに、周囲の人々を励ますために琉歌を詠んだのです。
元々は早弾き曲ではありませんでしたが、応援の気持ちを勢いよく伝えるために徐々に早弾きになったといわれています。
豊年音頭
「豊年音頭」は戦後に作られた新唄(みーうた)と呼ばれるジャンルの沖縄の歌で、あまり沖縄弁が使われていないので本州の
人でも馴染みやすい曲です。
メロディーは、有名な民謡の一つである「唐船ドーイ」を少しアレンジした雰囲気。
曲名の通り、農家の人々が豊作を祈ったり、豊作になったことを感謝したりするときに歌われます。
NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」がヒットした2001年に、紅白歌合戦で沖縄民謡メドレーが披露されました。
その際、メドレーの中に豊年音頭も取り入れられています。
沖縄出身の男性歌手が歌う琉球ソング3選
沖縄民謡のテイストを取り入れた琉球ソングは、他にはない独特な空気を楽しめます。
ここでは、沖縄出身の男性歌手がリリースしている琉球ソングを3つピックアップしました。
どの曲も沖縄らしさが楽しめるので、ぜひしまんちゅの気分を味わってください。


琉球愛歌 / MONGOL800
「琉球愛歌」は、MONGOL800が2001年にリリースしました。
この曲は沖縄だけでなく日本、そして世界中に向けて平和の大切さを歌っています。
「すべての国よ、うわべだけの付き合いやめて」というフレーズは、繰り返される紛争への訴えに聞こえます。
沖縄の壮大な空気で育ったからこそ、世界を視野に入れた世界観の名曲が生み出せるのでしょう。
島人ぬ宝 / BEGIN
「島人ぬ宝」は、2002年にBEGINがリリースした楽曲です。
「いーやーさーさー」という沖縄感たっぷりな掛け声が印象的で、琉球ソングをあまり知らなくても聴いたことがある人は多いのではないでしょうか。
元祖沖縄バンドとも呼ばれるBEGINらしく、沖縄を感じる独特で耳障りが良いサウンドが魅力的ですね。
ちなみに、この曲はBEGINの同級生で先生をしている友人から頼まれて作ったのだそう。
子どもたちに向けた思いが込められた歌詞からは、沖縄を大切にしている気持ちが伝わってくるようですね。
アンマー / かりゆし58
かりゆし58が2006年にリリースした「アンマー」は、母親への感謝や愛を素直な言葉で語っています。
この曲は、日本有線大賞にもノミネートされた有名な琉球ソングです。
しかし、この曲がヒットするまでかりゆし58はデビュー作の売上が伸びず、解散の危機を迎えていました。
そんなかりゆし58の崖っぷち状態を救ったのが「アンマー」なのです。
母親はいつの時代も子どもを大切に思うもの。
深い母の愛を受け止め、素直な気持ちを返したこの曲だからこそ、かりゆし58の音楽生命を救えたのでしょう。
沖縄出身の女性歌手が歌う琉球ソング3選
琉球ソングの幻想的な雰囲気には、女性歌手の透き通った歌声もよくマッチします。
穏やかさや優しさを堪能したいときは、沖縄出身の女性歌手が歌う曲を聴いてみましょう。
ここで紹介するのは、特に有名な沖縄出身の女性歌手が歌う琉球ソング3つです。


涙そうそう / 夏川りみ
「涙そうそう」は、2001年に夏川りみがリリースした楽曲です。
有名女性歌手の森山良子が作詞、そして、琉球バンドのBEGINが作曲を手がけたこの曲からは、ゆったりとした沖縄感が感じられます。
夏川りみの透明度が高い歌声で語られる歌詞は、今は亡き相手への愛情と、かつての思い出が切々と語られています。
どこか郷愁を感じるこの曲は、穏やかな沖縄の海を眺めながら聴きたくなりますね。
童神 / 古謝美佐子
親が子どもに歌って聞かせる子守唄の「童神(わらびがみ)」は、民謡歌手の古謝美佐子さんが1997年にリリースした楽曲です。
三線の穏やかなメロディーと、独特な沖縄なまり(ウチナーグチ)がどこか懐かしい雰囲気を生み出しています。
歌詞も、母親や祖母が子どもに対して「生まれたことへの感謝」や「守りぬく決意」を伝えているので母子でゆったりと聴きたくなる名曲ですね。
NEVER END/安室奈美恵
「NEVER END」は、2000年に沖縄女性歌手の代表ともいえる安室奈美恵がリリースした楽曲。
「NEVER END」は第26回主要国首脳会談(九州・沖縄サミット)のイメージソングとして作られたこともあって、沖縄との関わりが強く感じられます。
この曲は、人同士、そして国同士のつながりやコミュニケーションの大切さについて歌われています。
一度は憎しみ合っていても、負の連鎖を断ち切って「優しさ」でお互いを受け入れることが大切。
そんな大きな愛を描くこの曲は、国と国とつなぐサミットにふさわしい名曲ですね。
カラオケで盛り上がる沖縄の歌3選
みんなが知っている琉球ソングを歌えば、カラオケで盛り上がること間違いなし。
沖縄の歌には、有名で歌いやすいものがいくつかあるので覚えてカラオケの定番ソングにしましょう。


島唄 / THE BOOM
「島唄」は、THE BOOMが1992年にリリースした楽曲です。
沖縄を囲む大海原のような雄大な雰囲気を感じるメロディには、反戦に対する祈りと願いが込められています。
沖縄らしい琉球音階に力強い歌声が映える名曲です。
ちなみに、この曲は教科書にも掲載されたことがあり、まさに国民的ソングとして多くの人から愛されています。
花 / ORANGE RANGE
「花」は、ORANGE RANGEが2004年にリリースした楽曲で、映画「いま、会いにゆきます」の主題歌に起用されました。
映画を観て曲を知った人も多いのではないでしょうか。
ORANGE RANGEといえば、以心伝心や上海ハニーなど盛り上がれる名曲がたくさんありますが、沖縄のおおらかな雰囲気を感じたいなら「花」が一押しです。
メロディーもわかりやすく、サビも合わせやすいのでみんなで歌って楽しみましょう。
海の声 / 浦島太郎(桐谷健太)
2015年7月にau「三太郎シリーズ」のCMソングで有名な「海の声」。
作詞はauのCMプランナーの篠原誠、作曲はBEGINの島袋優が担当しています。
2016年の日本レコード大賞優秀作品賞にも受賞しており、誰もが知る名曲です。
三線の音と、力強くも穏やかな桐谷健太の声色が見事にマッチしていますよ。
沖縄の歌で南国気分をでーじ(たくさん)楽しもう
沖縄の歌を聴いたり歌ったりすると、おおらかで優しい沖縄の人々と同じ気持ちになれそうですよね。
どの曲も一度覚えればとても歌いやすく、うちなーぐち(沖縄弁)も覚えられるので、ぜひ好きな曲を覚えてカラオケで披露しましょう。
沖縄の歌で、青い海に囲まれた南国の気分を堪能してくださいね。
この記事のまとめ!
- 沖縄の民謡は琉球音階という独自の音階で作られている
- 「ちゅらさん」がヒットしたときは紅白歌合戦で沖縄民謡メドレーが披露された
- 2000年の主要国首脳会談(九州・沖縄サミット)では、安室奈美恵の楽曲がイメージソングに選ばれた