12弦ギターが気になっているけれど、特徴や弾き方などが分からないので挑戦すべきか迷っているという人も多いのではないでしょうか?
弦が6本あるだけでも難しいのに、12本となるとより難しいのではと不安になってしまうものですよね。
この記事のもくじ
12弦ギターの魅力や特徴とは?
12弦ギターの特徴は、なんといっても弦が12本あることです。
普通のギターと同じ音程の弦(主弦)が6本あるのに加え、副弦とよばれる弦が6本ある特殊な構造になっています。
この構造により普通のギターには出せない、広がりを感じさせるサウンドが楽しめるようになっていますよ。
とくに、副弦が通常弦よりも1オクターブ高い音程になっている6弦〜3弦部分の響きは12弦ギターならでは。
もちろん主弦と副弦の音が同じ音程になっている2弦〜1弦の音も、コーラスエフェクターをかけたようで素敵ですよ。
特殊な構造のため弾きこなすためには慣れが必要ですが、上手く使えれば唯一無二のサウンドを演出してくれるので、気になる人はぜひチャレンジしてみてくださいね。
12弦ギターが難しいと言われる理由
広がりのあるサウンドが魅力の12弦ギター。
個性的なサウンドを演出してくれるこのギターですが、実は6弦ギターよりも難しいと言われています。
次は、12弦ギターが難しいと言われる理由を紹介します。
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押弦に指力が求められる
12弦ギターが難しいと言われるのは、押弦に多少の力が求められるからです。
これは、主弦と副弦を1本の指で押さえる構造になっているため。
圧倒的な指の力や握力が求められるわけではありませんが、普段より多少しっかり目に押さえないと上手く鳴らない可能性もありますよ。
慣れれば気にならないという声もありますが、それまでは多少の弾き辛さを感じることもあると覚えておきましょう。
また、バレーコードに関しては押さえるのが大変なため、12弦ギターではあまり使われません。
ネックが太くて厚いのでやりづらい
ネックが普通のアコースティックギター・エレキギターのものより太く厚くなっていることも、12弦ギターが難しいと言われる理由の1つです。
基本的にギターのネックは、ほどよいサイズ感のものが弾きやすいと言われています。
しかし、12弦ギターのネックは全体的に太く厚いため、弾き心地も太いネック特有のクセが強いものになっていますよ。
もちろん極端に太い・厚いわけではありませんが、慣れの度合いやネックの握り方によっては弾きにくいと感じてしまうでしょう。
弦交換・チューニングに手間取る
12弦ギターは弦が通常のギターの2倍あるため、弦交換やチューニングも手間取りがちです。
慣れればスムーズにできるようになりますが、やはり本数が多い分時間がかかってしまうでしょう。
副弦が細く、弦交換の際に切れてしまいやすい点も要注意ポイントの1つ。
このように、演奏面だけでなくメンテナンス面にもクセがあるため、12弦ギターは難しいと言われているのです。
12弦ギターのチューニング方法・弾き方
難しいと言われがちな12弦ギターですが、チューニング方法や弾き方を覚えて練習を重ねれば、十分に弾けるようになります。
もちろん、ある程度の時間は必要になりますが、しっかりと練習すれば弾けるようになるので、12弦が気になっている人は怖がらずに挑戦してみましょう。
次は、12弦ギターのチューニング方法と、弾き方のポイントを紹介します。
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チューニング
12弦ギターのチューニングは6弦から、EEAADDGGBBEEとなります。
主弦1本と副弦1本を1セットとする「コース」で考えたものがこちら。
- コース6→副弦・オクターブ上のE、主弦・E
- コース5→副弦・オクターブ上のA、主弦・A
- コース4→副弦・オクターブ上のD、主弦・D
- コース3→副弦・オクターブ上のG、主弦・G
- コース2→副弦・ユニゾンのB、主弦・B
- コース1→副弦・ユニゾンのE、主弦・E
音程に関しては、主弦の音程は6弦ギターと同じ。
副弦は6コース〜3コースがメインの弦の1オクターブ上、2コース・1コースは同じ音程のユニゾンとなりますよ。
副弦と主弦の並びは普通の12弦ギターであれば副弦が上、6弦側からみると「副・主・副・主~」の配列になります。
チューニング方法に関しては通常のギターと同じで、チューナーで音を確認しながらペグを回して合わせるのが基本です。
弾き方
12弦ギターの弾き方は、6弦ギターとほぼ同じです。
違う点は、1コースを1本の指で押さえるという点。
そのため、新たに挑戦するときはコース単位で押さえる練習をすると、早く12弦の雰囲気に慣れられるでしょう。
ある程度慣れてきたら、開放弦を使うコードを多用するようにすると、12弦の魅力をより引き出せるので、意識してみてくださいね。
また、楽器の構造上バレーコードを押さえるのが難しいため、色々なキーで演奏する予定なら12弦用のカポを持っておくことをおすすめします。
12弦エレキギターで有名なのは「Rickenbacker(リッケンバッカー)」
アコギのイメージが強い12弦ギターですが、実はエレキギターにも12弦タイプがあります。
とくに有名なのが、アメリカのメーカー「Rickenbacker(リッケンバッカー)」のモデル。
ビートルズのジョージ・ハリスンの使用により有名になって以降、多くのギタリストが愛用しています。
主弦が上になる、独特な配列を採用することで唯一無二のサウンドを生み出しているのも魅力の1つ。
DanelectroやSchecter、Gretschなどのメーカーも12弦を販売していますが、やはり12弦エレキといえばリッケンバッカーです。
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12弦ギターのおすすめ5選
弾き方や魅力を知ると、どんな12弦ギターがあるのか気になってしまうものですよね。
そこで次は、12弦ギターのおすすめモデルを5つ紹介します。
それぞれのサウンドや仕様などもあわせて紹介しているので、お気に入りの1本を見つけたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。
YAMAHA(ヤマハ) / APX700II-12
YAMAHAの「APX700II-12」は、演奏性の高さが人気のエレアコ「APX700II」の12弦モデルです。
APX700IIと同様にカッタウェイの入った薄型ボディを採用しているのが特徴。
これにより、優れたハイポジションの演奏性と取り回しの良さを実現しています。
ナチュラルなサウンドを出力してくれる、A.R.T.ピックアップを搭載しているのもポイント。
スプルース単板のトップ材による豊かな鳴りも楽しめる、高コスパな12弦ギターです。
TAKAMINE(タカミネ) / EF381SC
ワンランク上の12弦ギターが欲しい人におすすめのモデルが、TAKAMINEの「EF381SC」です。
こちらはカッタウェイの入ったドレッドノートタイプのボディと、高性能なピックアップを採用したエレアコタイプのモデル。
ボディはやや大きめですが、フィットしやすい形状になっているほか、ネック周りもバランスの良い設計になっているので快適に演奏できるでしょう。
スプルース単板のトップとメイプルのサイド&バックによる、パワフルで歯切れの良いサウンドが楽しめるのも魅力の1つです。
FENDER(フェンダー) / Villager 12-String Black
「Villager 12-String」はエレキギター・エレキベースで有名なFENDERが手掛ける12弦ギター。
スプルーストップ、マホガニーサイド&バックの組み合わせによる、ふくよかで心地の良いトーンが楽しめるモデルです。
ヘッドの形状にヴィンテージモデルにも使用された、ホッケースティックヘッドストックを採用しているのも特徴の1つ。
高性能なFishman製プリアンプを搭載しているので、幅広いシーンで活躍するでしょう。
FENDER(フェンダー) / Villager 12-String Black
Epiphone(エピフォン) / 12弦ギター DR-212 NAT
有名ギターメーカーGibson(ギブソン)の傘下ブランド・Epiphoneが販売している、高コスパな12弦ギターが「DR-212 NAT」です。
お手頃な価格ながらもバランスが良く、抜けも良いサウンドを実現。
ボディはしっかりと響くドレッドノートタイプとなっているので、幅広いジャンルで活躍するでしょう。
ピックアップは非搭載ですが、気軽に楽しめる12弦ギターが欲しい人なら十分に満足できるおすすめのモデルです。
GUILD(ギルド) / F-2512E BLD
「F-2512E BLD」はMartin(マーチン)やGibsonとは一味違った、個性的なギターが人気のメーカー・GUILDが手掛ける12弦ギターです。
12弦ギターの代表モデルF-512Eの廉価版的な位置づけのモデルで、本家と同様にジャンボボディと、バック材が軽く湾曲したアーチドバックを採用しています。
力強くも豊かな響きを持った、GUILDサウンドもしっかりと引き継いでいるので、GUILDの魅力を体験してみたい人にもピッタリ。
高性能なピックアップも備えているので、ちょっとした演奏はもちろん、ライブやレコーディングにも使える1本が欲しい人にもおすすめです。
GUILD (ギルドギター) 12弦 エレアコギター ジャンボタイプ ピックアップ付 F-2512E Maple BLD【国内正規品】
12弦ギターを使った名曲とアーティスト
最後に、12弦ギターを使った名曲とアーティストをチェックしていきましょう。
6弦ギターと比べるとマイナーな存在の12弦ギターですが、このギターを使った名曲はたくさんありますよ。
Eaglesの「Hotel California」、Led Zeppelinの「Stairway to Heaven」といった定番曲以外の名曲を紹介していきます。
知らない曲や気になる曲があったらチェックしてみてくださいね。
The Temples / Shelter Song
イギリスのバンドThe Templesの「Shelter Song」は、12弦ギターを使ったサイケデリックかつレトロなサウンドが楽しめる1曲です。
話題となったアルバム「Sun Stractures」の1曲目に収録されている楽曲で、イントロやサビ、間奏などで12弦の響きを活かしたサウンドが楽しめます。
60年代のブリティッシュロックをイメージさせるバンドサウンドと、エフェクトが強くかかった歌が独特な世界観を築き上げているのもポイント。
ブリティッシュロックが好き、サイケデリックな雰囲気が好きな人にピッタリな曲なので、気になる人はぜひチェックしてみましょう。
The Beatles / Ticket to Ride
「Ticket to Ride」は表題曲がそのまま名前となった有名なアルバム「Help!」に収録されている楽曲です。
曲の各所で12弦ギターが使われている楽曲で、12弦ならではの個性的な響きを存分に楽しめます。
リッケンバッカーの12弦らしい、爽やかでコンプ感のあるサウンドが聴けるのも魅力の1つ。
ジョージ・ハリスンの12弦フレーズが好き、12弦の響きをしっかり楽しめる曲を聴きたい人に、とくにおすすめの楽曲です。
ユニコーン / すばらしい日々
人気ロックバンド・ユニコーンが、1993年の解散の直前に発表したシングル曲が「すばらしい日々」です。
こちらは、軽く歪ませた12弦ギターのアルペジオフレーズが曲の各所に登場するナンバーとなっています。
奥田民生による個性的な歌声と、12弦ギターの独特なフレーズが印象的な仕上がり。
どこか悲しげでノスタルジックな歌詞も味わい深い、12弦ギターが使われた名曲です。
12弦ギターは6弦にはない魅力的な音色が出せる!難しいけどぜひチャレンジしてみよう
12弦ギターは6弦ギターには真似できない、個性的なサウンドを演出してくれる素敵な楽器です。
弾き心地にはややクセがありますが、チューニング方法や基本の弾き方を覚えた上でしっかりと練習すれば弾きこなせるようになりますよ。
気になっている人はぜひチャレンジして、その魅力的なサウンドを存分に楽しんでみてくださいね。
この記事のまとめ!
- 広がりを感じさせる、個性的なサウンドを演出できるのが12弦ギターの魅力
- 12弦ギターは弾き心地や使い心地にクセがあるので難しいと言われている
- チューニング方法と基本の弾き方を覚えて練習すれば、弾きこなせるようになる
- 有名メーカーを中心に色々なメーカーが12弦モデルの製造を手掛けている
- 12弦ギターを使った名曲もたくさんある