楽曲に弦楽器のサウンドを盛り込みたいけど、DAWに付属していたものでは物足りないという人も多いのではないでしょうか?
そんな人におすすめなのがストリングス音源です。
自分に合った製品を選んで導入し、使いこなしていけば弦楽器の豊かなサウンドが際立った素敵な楽曲も作れるようになりますよ。
この記事のもくじ
- 1 ストリングス音源の主な種類
- 2 ストリングス音源のおすすめの選び方
- 3 ストリングス音源のおすすめ10選
- 3.1 JOSHUA BELL VIOLIN
- 3.2 Hollywood Strings
- 3.3 IK Multimedia Miroslav Philharmonik 2 CE
- 3.4 BBC SYMPHONY ORCHESTRA
- 3.5 Anthology Strings Instrument for Kontakt VST-AU-AAX Samples
- 3.6 TOKYO SCORING STRINGS 3
- 3.7 SWAM Solo Stringsシリーズ
- 3.8 UVI Orchestral Suite
- 3.9 SPITFIRE AUDIO SPITFIRE SOLO VIOLIN
- 3.10 NOVO: MODERN STRINGS
- 4 安いけど高品質なストリングス音源
- 5 ストリングス音源で楽曲を華やかに彩ろう!
ストリングス音源の主な種類
ストリングス音源は収録内容や特徴によって、いくつかの種類に分類されています。
それぞれに得意とする分野が違っており、実際の作曲シーンでも欲しいサウンドや曲調に合わせて使い分けられていますよ。
また、価格や機能も違っているので、導入を考えているなら、まずストリングス音源の主な種類や、違いなどを把握しておきましょう。
はじめに、ストリングス音源の主な種類を、特徴と共に紹介します。
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アンサンブルストリングス音源
アンサンブルストリングス音源は、アンサンブル(合奏や重奏)の音のみを収録したタイプです。
バイオリンとヴィオラ、チェロ、コントラバスを使った、厚みのあるアンサンブルが手軽に再現できるのが特徴。
主にオーケストラ風のイントロや間奏の制作、歌のバックでストリングスが鳴っている曲を作るシーンで使われています。
バイオリンやチェロのソロには対応できませんが、ストリングス音源の雰囲気を十分に楽しめるタイプです。
ソロストリングス音源
ヴァオリンやヴィオラ、チェロ、コントラバスのいずれかの楽器の音を、単体で収録したものがソロストリングス音源です。
各楽器ならではの奏法を網羅しているだけでなく、1音1音の質も追求した設計になっているので、音楽的なソロフレーズも作りやすくなっています。
また、アンサンブル音源と組み合わせて、よりリアルなオーケストラサウンドを作るといった、個性的な使い方ができるのもポイント。
弦楽器の音を際立たせた曲を作りたい、細かな点までこだわって曲を作りたい人におすすめのタイプです。
どちらも収録されている音源
最近では、アンサンブルとソロの両方を収録したストリングス音源も登場しています。
オーケストラサウンドから各楽器のソロまで幅広く対応できるので、1つ揃えるだけでも本格的な制作環境が整えられます。
もちろん、アンサンブル音とソロを組み合わせた繊細な音作りもできるので、細部までこだわりたい人でも快適に使えるでしょう。
ソロの質はソロストリングス音源に劣る場合もありますが、本格的な作曲をするなら1つは持っておきたいタイプです。
ストリングス音源のおすすめの選び方
ストリングス音源の種類を把握したら、次は選び方をチェックしていきましょう。
もちろん、定番製品を選んで使ってみるのもおすすめですが、選び方を意識して自分に合った製品を導入すれば、より快適な制作環境を手に入れられます。
次は、ストリングス音源のおすすめの選び方を紹介するので、製品選びの参考にしてみてくださいね。
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音の傾向で選ぶ
ストリングス音源の選び方で重要なのが、音の傾向です。
大まかに分けるとホールの残響を残した生々しいサウンドのもの、残響が少ないドライな音質のものの2種類があり、それぞれにマッチするジャンルが違っています。
生々しいサウンドのものはクラシックや現代音楽のようなジャンル、ドライな音質のものは他の楽器が主役のインストや歌モノに使うのが基本。
ドライな音質に関しては、リバーブやディレイの設定、マイクのポジションを工夫すればリアルな音も出せるので、幅広く使いたいならこちらを選ぶと良いでしょう。
よりこだわりたいなら、1stバイオリンの人数やアンサンブルの規模を表す12型や8型などの数字、マイクのポジションや奏法の数などをチェックしてみるのもおすすめです。
PCのスペックに合わせて選ぶ
ストリングス音源が必要とするスペックと自身のPCのスペックが合っているかチェックすることも、製品選びの重要なポイントです。
主にチェックするのは音源の「容量」「推奨環境」の2点。
容量に関しては100GB~200GBの大容量タイプから、50GB前後や5GB以下の小容量タイプまで幅広いのでPCの空き容量に合ったものを選びましょう。
推奨環境とは快適に動作するCPUやメモリの仕様を表したもの。
動作できる「最小条件」をクリアしていればDAW上でも動きますが、ストレスフリーで作業したいなら自身のPCが推奨環境を満たしている製品がおすすめです。
基本的にCore i5やRyzen5以上のCPUと16GB以上のメモリ、大容量のSSDを搭載していれば快適に動きますが、より高い性能が求められる音源もあるので必ず確認しましょう。
予算に合わせて選ぶ
自分に合ったストリングス音源を見つけるコツは、予算と用途を意識することです。
音質や機能よりもコスパの良さを求めるなら、1万円前後のリーズナブルな音源がおすすめ。
ストリングスサウンドを使った歌モノや、他の楽器が主役のインストを中心に制作する場合は、5万円前後のミドルクラスの音源でも十分に対応できます。
高音質なオーケストラサウンドを使いたい、細かく編集してハイクオリティな曲を作りたいなら、10万円以上のストリングス音源を選ぶと良いでしょう。
基本的に音質や性能は価格に比例しますが、予算と用途に合った製品を選ぶだけでも十分に快適な制作環境を手に入れられますよ。
ストリングス音源のおすすめ10選
種類や選び方を把握したら、どんなストリングス音源が販売されているのか気になってしまうものですよね。
最近では、大手メーカーを中心に壮大な音が得意なものやソロに特化したもの、個性的な音が出せる製品など幅広いモデルが販売されていますよ。
選び方の次は、ストリングス音源のおすすめをプロ仕様から入門向けまで幅広く紹介します。
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JOSHUA BELL VIOLIN
「JOSHUA BELL VIOLIN」はグラミー賞の受賞歴もある1流バイオリニスト「ジョシュア・ベル」の演奏をもとに作られた、ソロストリングス音源です。
ストラディバリウスならではの、倍音豊かな温かみのあるサウンドが楽しめるのが特徴。
有名バイオリニストならではの表情豊かなアーティキュレーションや奏法も収録しているので、ソロバイオリンの音質にこだわりたい人なら快適に使えるでしょう。
MIDIキーボードを使ったリアルタイムレコーディングにも対応するなど、機能性にも優れたソロストリングス音源です。
Hollywood Strings
国内の作曲家から熱い支持を集めている、アンサンブルからソロにまで対応したオーケストラ音源が「Hollywood Strings」です。
ハリウッド映画のサントラのようなアツいオーケストラサウンドを得意とする音源で、簡単な打ち込みだけでも迫力満点のサウンドが楽しめます。
強弱を細かく設定する機能や多彩な奏法なども収録しているので、作り込み次第でよりリアルなオーケストラサウンドも演出できますよ。
落ち着いた雰囲気の「Soft Mode」や情熱的な「Epic Mode」などのモードや、マイクのポジション・リバーブの調節機能を使えば幅広い音作りができるのもポイント。
容量が最大で950GBほど、メモリは32GB~64GBが必要とマシンパワーを求められますが、壮大な曲を作ってみたいならチェックしてみてはいかがでしょうか?
IK Multimedia Miroslav Philharmonik 2 CE
「Miroslav Philharmonik 2 CE」はIK Multimediaが手掛ける、人気のストリングス音源の入門版です。
通常版と比べると楽器のバリエーションや音質は控えめですが、人気モデルならではの高品質なサウンドと使い心地を備えています。
パーカッションや金管楽器を収録しつつも、10GBと容量を抑えられているのでPCの容量が少ない人でも気軽に導入できるのも魅力的。
楽器や機能が豊富で、ハイレゾ音質も使える通常版へもお得にクロスグレードできるため、将来的に高性能なストリングス音源を買う予定の人にもおすすめです。
BBC SYMPHONY ORCHESTRA
世界的にも有名なBBC交響楽団の音をキャプチャしたストリングス音源が「BBC SYMPHONY ORCHESTRA」です。
繊細で表情豊かなオーケストラサウンドを得意とする製品で、特にマイクポジションの充実度が高く評価されています。
ラインナップは無料版の「Discover」と、楽器の種類や奏法が充実した通常版の「Core」、ソロ楽器の使用や細かな編集も可能なプロ仕様の「Professional」の3種。
スキルや予算、用途に合せて選べる仕様になっているので上級者はもちろん、初心者にもおすすめです。
セットになっている専用サンプラーの使い心地もバツグンなので、表現力と操作性の両方を重視する人はチェックしてみてくださいね。
Anthology Strings Instrument for Kontakt VST-AU-AAX Samples
「Anthology Strings」は50ドルとリーズナブルな価格ながらも、十分な音質と機能を備えたストリングス音源です。
66000以上のサンプルを使って制作されているので、ストリングスらしい滑らかな響きも十分に再現できます。
また、アンサンブルだけでなく、ソロも収録しているので幅広く使える製品が欲しい人にもピッタリ。
容量が約50GB、RAMの推奨は8GB以上なので、スペックが低めのPCでも気軽に導入できるでしょう。
高価なモデルと比べると音質が控えめ、有料版のKontakt Playerが必須というデメリットもありますが、機能性と価格のバランスに優れたストリングス音源です。
TOKYO SCORING STRINGS 3
アニメ・ゲームのサントラやJ-POPのようなストリングスサウンドが欲しい人におすすめの音源が「TOKYO SCORING STRINGS 3」です。
国内の音楽作品に多数参加している「室谷光一郎ストリングス」の音をサンプリングした音源で、日本のアンサンブルならではの表現力豊かなサウンドが楽しめるのが特徴。
ポピュラー音楽にマッチする8型編成なので、ポップスやゲーム音楽風のサウンドとの相性もバツグンです。
また、インターフーイスも操作性に優れた設計のため、作曲初心者でも気軽に使えますよ。
推奨環境がHDD/SDDの空き180GB以上、メモリ32GB以上とややPCのスペックが必要ですが、日本の音楽にマッチするストリングスサウンドを探している人は要チェックです。
SWAM Solo Stringsシリーズ
「SWAM Solo Stringsシリーズ」は楽器の鳴りや挙動をPC上で再現する、特殊なモデリング技術を使って作られたソロストリングス音源です。
ラインナップはバイオリンやヴィオラ、チェロ、コントラバスの定番楽器のほかに、全てを収録したパッケージも用意されています。
サウンドの傾向はモデリングならではの、素材らしさが際立ったドライなもの。
実際の演奏をキャプチャしていないため生々しさはありませんが、アーティキュレーションや奏法などが豊富なので設定次第ではリアルな音も作れますよ。
各音源の容量が15MB~270MBほどと、容量が極限まで抑えられているのもポイント。
音作りや設定のスキルに自信がある人、容量が少ないタイプを探している人に特におすすめのシリーズです。
UVI Orchestral Suite
ストリングスサウンドを気軽に使ってみたい人にピッタリの音源がUVIの「UVI Orchestral Suite」です。
ストリングスのアンサンブルとソロはもちろん、管楽器のアンサンブルやソロ、パーカッションなど幅広い楽器を収録しながらも、4GBと小容量になっているのが特徴。
価格は199ドルとリーズナブルで、さらに操作性にも優れた設計なのでDAW初心者でも気軽に導入できます。
やや音が軽めで、本格的なオーケストラサウンドには対応できないものの、使いやすさやコスパに優れた入門モデルが欲しい人なら快適に使えるストリングス音源です。
SPITFIRE AUDIO SPITFIRE SOLO VIOLIN
「SPITFIRE SOLO VIOLIN」は「BBC SYMPHONY ORCHESTRA」を手掛けるSPITFIREが販売している、ソロストリングス音源です。
世界的に有名なイギリス出身のヴァイオリニストのジャック・リーベックの演奏をキャプチャした、表現力豊かな音源に仕上げられています。
また、ノートの長さに合せて自動的に奏法を切り替えてくれる、便利な機能も備えているので初心者でも手軽にリアルなサウンドを演出できますよ。
充実したアーティキュレーション・奏法や99ドルというリーズナブルな価格も魅力の、使いやすいストリングス音源です。
NOVO: MODERN STRINGS
「NOVO: MODERN STRINGS」は近未来的なサウンドアイディアが盛り込まれたストリングス音源です。
高品質なストリングスだけでなく、アンビエントサウンドやシンセ風の音を作るためのモードを搭載しているのが特徴。
ループ音源専用のモードもあるので、HIPHOPやR&B向けの音源を作るときにも活躍しますよ。
感覚的に操作できる操作性に優れたインターフェースを採用しているので、シンセ系の音源に不慣れな人でも気軽に使えるのもポイントです。
個性的なストリングスサウンドが欲しい人に特におすすめなので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。
安いけど高品質なストリングス音源
低予算で作曲を楽しみたい、入門用の製品を探している人におすすめなのが、安くて高音質なストリングス音源です。
基本的に音質や機能は価格と比例しますが、安い背品のなかにも十分に使えるコスパに優れた製品もたくさんありますよ。
最後に、安いけど高音質なストリングス音源を紹介するので、気になる製品があったらぜひチェックしてみてくださいね。
Spitfire Studio Strings(無印版)
Spitfireが手掛ける人気ストリングス音源の廉価版モデルが「Spitfire Studio Strings(無印版)」です。
249ドルほどとリーズナブルな価格設定ながらも、サントラ風の曲やポップスにマッチする美しいストリングスサウンドを収録しているので入門用にもピッタリ。
マイクポジションは1種、編成は8型のみと機能に制限はありますが、収録奏法や設定の幅も広いので本格的なオーケストラ以外なら十分に対応できるでしょう。
容量が約13GBと軽いほか、お得に上位版にクロスグレードできるのも嬉しいポイントです。
HYPERION STRINGS ELEMENTS
「HYPERION STRINGS ELEMENTS」は「誰でも使える」をコンセプトに制作されたストリングス音源です。
1万円前後とリーズナブルな価格ながらも、アーティキュレーションや奏法などを工夫すれば壮大なオーケストラサウンドを演出できるようになっています。
無料版のKontakt Playerにも対応しているほか、エフェクトもしっかり効く設計なので、他の有料ソフトがなくても快適に作業できるのも魅力的。
もちろん、操作性も追求した設計になっているので、DAW初心者でも気軽に導入できますよ。
価格を抑えながらも壮大なサウンドを演出したい、気軽に使えるものが欲しい人におすすめの高コスパなストリングス音源です。
ストリングス音源で楽曲を華やかに彩ろう!
ストリングス音源は、楽曲に華やかな雰囲気や壮大な雰囲気をプラスしてくれる頼もしい存在です。
自分のスキルや予算、好みに合ったものを選んで、しっかりと音を作り込めばワンランク上の素敵な曲も十分に作れますよ。
まずは、この記事で紹介した製品や選び方を参考に、気になるものをピックアップしてみるのがおすすめ。
気になるものが見つかったら、サンプル音源やデモ版をチェックして自分に合ったストリングス音源で使い心地や音を確認してみましょう。
この記事のまとめ!
- ストリングス音源には、アンサンブルのみを収録したもの、ソロに特化したタイプ、両方を収録した製品の3種がある
- 必要なPCスペックや音の傾向に注目して選ぶと、自分に合ったストリングス音源が見つかる
- ストリングス音源には壮大なサウンドが得意なものから、個性的なサウンドのものまで幅広い製品が揃っている
- 費用を抑えたいときには、安くて高品質なストリングス音源がおすすめ