ギターでコードの練習をしているけど、音が思うように鳴らなくて悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
押さえ方には基本の形とコツがいくつかあり、それらを意識しながら練習を続けていくと思い通りに弾けるようになりますよ。
この記事のもくじ
ギターコード(和音)の押さえ方を確認する前に
ギターコードの押さえ方を確認する前に、手を柔軟にするエクササイズや弦を押さえる基礎練習を行いましょう。
これらの準備をしておくと、練習でのケガを防止できるだけでなく、スムーズにコードが押さえられるようになりますよ。
おすすめのエクササイズを2つ紹介するので、ギターの練習メニューに取り入れてみてくださいね。
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手首のエクササイズ
ギターコードの押さえ方の練習に入る前に、手首の柔軟性をアップさせるエクササイズを行うのがおすすめです。
まず手首を内側に曲げ、もう片方の腕で軽く引っ張り手首回りの筋肉をほぐします。
次は外側に手首を曲げ、指先を反対の手で曲げた方向に軽く押して、腕の内側や手首の内側を伸ばしましょう。
伸ばすときには、できるだけゆっくりと行い、時間をかけるのがポイントです。
手首のエクササイズを行うことによって、手首を痛めにくくなり、指が開きやすくなりますよ。
指を開くエクササイズ
手首のエクササイズを行ったら、簡単な練習フレーズを弾いて指の開き方、ギターのフレットの感覚を覚えていきましょう。
押さえ方や指の感覚を覚えるトレーニングなので、ゆっくりと正確に行うのがポイントです。
また、手に違和感や痛みを感じたら無理をせずに休憩を取るようにしてくださいね。
クロマチック
クロマチックは1フレットに人差し指、2フレットに中指、3フレットに薬指、4フレットに小指を割り当て、人差し指から順番に音を出していく練習フレーズです。
これを6弦から1弦まで順番に弾いたら2~5フレットに移動し、1弦から6弦に向かって小指スタートの音が下がるパターンを弾きます。
次は3~6フレットに移動し、6弦から音を上昇させるパターンを繰り返していき、小指が12フレットにくるまで続けましょう。
指を大きく動かさないのがポイントで、音階を上昇させるパターンでは音を出した指を押さえたままにして、弦移動の際に離すようにすると綺麗に指が動かせますよ。
ストレッチフレーズ
ストレッチフレーズとは、指の間隔が1フレット以上空いた押さえ方で、特に指の開き方を覚えるのにおすすめの練習フレーズです。
6弦3フレットを人差し指で押さえて音を出し、6弦5フレットを中指、6弦7フレットを小指と押さえながら音を出します。
小指まで弾いたら5弦から1弦に向かって同じ指、同じフレットを使って弾いていきましょう。
ポイントは人差し指を支点にして伸ばすことで、この伸ばし方はコードを押さえるときにも役立ちますよ。
ギターコード(和音)の押さえ方
ギターコードがうまく弾けないのは、手に負担のかかるフォームや指使いを無意識に行っている場合がほとんどです。
手の大きさも多少は関係しますが、指の伸ばし方、負担の少ない弾き方をすることで十分にカバーできますよ。
正しいフォームや押さえ方のコツを紹介するので、コードがうまく鳴らない人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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フォームを確認する
正しいフォームでかまえているかの確認は大切です。
フォームは指の開きやすさや手首の動かしやすさに影響します。
演奏のときに握るネック部分を少し前に出し、お腹の右側部分にギターのボディが当たるように持ちます。
左手の肘の角度は90度以内にし、ギターヘッドと顔の距離は左手首が真っすぐになるように調整してあげると弾きやすくなりますよ。
また、ギター演奏に不慣れなうちはフォームが崩れやすいので、座って弾く場合でもストラップを付けてフォームを安定させながら練習するのがおすすめです。
フレット近くを押さえる
ギターで音を出すときには、フレットの近くを押さえるのが基本です。
フレットとはギターのネックの表面に打ち込まれた金属の棒のことで、正確な音程を出す役割があります。
押さえるときにフレットから遠すぎると、弦とフレットの当たり方が弱いため、音程やサウンドが不安定になってしまうので注意しましょう。
また、押さえる力もさらに必要になるので、疲れやすくなってしまいます。
コードフォームによっては難しい場合もあるので、できるだけ近くを押さえることを意識するようにしましょう。
指を立てて押さえる
ギターコードの押さえ方で重要なのが、指を立てることです。
指を立てると他の弦に指が触れて音が詰まるトラブルを防止でき、綺麗にコードを鳴らせるようになります。
指の腹部分ではなく指先を使うのがコツで、手首や指の関節を使いながら指の角度を調節するとうまく指を立てられますよ。
また、腕全体を使って弦を押さえるイメージを持つと、ムダな力が抜けて押さえやすくなるので、すぐに手が疲れるという人は試してみてくださいね。
斜めに指の力を入れる
ギターコードを押さえるときには、指先がボディ側に向くように斜めに指の力を入れるようにしましょう。
ギターの指板に対して真っすぐに押さえてしまうと力が入れにくく、指も開きにくくなってしまいます。
指の第一関節が指先よりもヘッドに近い位置にくるのが基本で、メロディを弾くときに使う単音弾きの場合も同じです。
演奏が上手い人は曲中のほとんどで指を斜めにした押さえ方をしているので、好きなギタリストの手元もチェックしてみてくださいね。
親指の位置を確認する
親指の位置は指の開きやすさ、力の入れやすさに大きく影響するポイントです。
親指は人差し指や中指の向かい側に置くのが基本ですが、DやAのコードを弾くときには親指を6弦に軽く触れさせたほうが押さえやすいという人もいます。
手の大きさや形は人それぞれなので、指が開きやすい場所、弦を押さえる指と親指の力のバランスが取りやすい場所を探してみてくださいね。
定番コード(和音)の押さえ方一覧
押さえ方の基本を覚えたら、次は実際に定番コードを弾きながら練習してみましょう。
指の使い方がシンプルなものが多いですが、フォームが崩れたり指が立っていなかったりすると、すぐに音が詰まってしまうので基本を思い出しながら弾いてみてくださいね。
使用頻度が高く、弾き語りからバンド演奏まで幅広く使える、定番コードの押さえ方について紹介します。
C
Cは弾き語り曲にもよく登場する、定番のギターコードです。
押さえるのは難しいですが、ギターの押さえ方の基本を覚えるにはピッタリなので少しずつ練習していきましょう。
弦を押さえる指を立て、他の弦に触れさせないようにするのがポイントで、特に中指と人差し指は上下の弦に当たらないように気を付けてくださいね。
6弦は薬指の先で触れたり、避けて弾いたりして鳴らさないのが基本ですが、Cメジャーの構成音でもあるので、押さえ方に慣れるまでは弾いてしまっても大丈夫ですよ。
G
指を大きく開いて、6本の弦を同時に鳴らすのがGコードです。
弦を押さえずに音を出す開放弦を3つも含んでいるので、弾き語りにピッタリの厚みのあるサウンドですよ。
薬指と中指、小指を使った押さえ方が基本で、中指と小指を他の弦に触れないように立てるのがポイントです。
また、6弦の3フレットを中指、5弦の2フレットを人差し指で押さえるパターンや、1弦を薬指で押さえるパターンもあるので、基本の押さえ方が難しい人は試してみてくださいね。
D
Dは、指をあまり開かずに押さえられるので初心者でも押さえやすいコードです。
フレットの近くを押さえる、指を立てる、力を斜めに入れるなど押さえ方の基本を試しやすいコードなので、ギター初心者におすすめですよ。
5弦の音は基本的に鳴らしませんが、Dの構成音でもあるので右手のコントロールに慣れていない場合、独特な音が欲しいときなどには弾いてしまっても良いでしょう。
Dも6弦を鳴らしてしまうと響きが大きく変わってしまうので、避けて弾いたり、親指の先を触れさせたりして弾かないようにしてくださいね。
Em
シンプルな押さえ方で、低音から高音までバランスよく響くコードがEmです。
Eの横についている「m」はマイナーを意味するもので、暗い雰囲気の響きを表しています。
押さえ方は5弦と4弦の2フレットを2本の指で押さえるシンプルなもので、初心者でも簡単に押さえられるコードです。
Dと同様に押さえ方の基本を覚えるのにピッタリなので、指の角度や親指の位置などを意識しながら練習してみましょう。
Am
CやGが多く登場する曲で、よく見かけるマイナーコードがAmです。
3本の指をあまり開かずに押さえるコードなので、DやEmと同様に押さえ方の基本を意識しながら練習してみてくださいね。
人差し指や薬指は下の弦に触れてしまうことが多いので、指を立てて他の弦に触れないようにするのがポイントです。
また、Amも6弦の音を鳴らしてしまうと響きが重くなってしまうので音を出さないようにしましょう。
【Fコード】セーハの押さえ方
Fコードは、人差し指で複数の弦を押さえるセーハ(バレー)を使うコードです。
押さえるのが難しいため、初心者は挫折しやすいですが、コツをつかんで練習すれば押さえられるようになりますよ。
一度押さえられるようになると、他のバレーコードも弾けるようになるので、焦らずにゆっくりと取り組んでいきましょう。
次に、Fコードを押さえるためののコツを紹介します。
省略フォームから挑戦する
Fがどうしても弾けなくて、好きな曲を演奏できないと悩んでいる人は、上記の指板図のような省略フォームから挑戦してみましょう。
6弦の1フレットを省略し、2弦と1弦だけを人差し指で押さえたフォームで、元のFコードよりも少ない力で押さえられるようになっていますよ。
正式なコードネームはF/Cですが、Fのバリエーションの1つであるため響きだけでなく、コード進行内での音程を安定させる機能も似ています。
このため、楽譜にFと記載されているときに省略フォームのコードを弾いても違和感が少ないです。
人差し指は6・2・1弦だけを意識する
Fコードを押さえるときには、人差し指で6本全てを押さえず、6・2・1弦だけを押さえることを意識するのがおすすめです。
実は音が出ているのは6・2・1弦のみで、他の弦は薬指や中指、小指が押さえています。
このため、5弦〜3弦は人指し指で押さえられている必要はなく、弦に触れているだけの状態でも問題ありません。
発展的なコードでも、1本しか人差し指で押さえる弦は増えないので、まずはバレーコードに慣れるために指板の上と下をしっかり押さえる意識をしてみてくださいね。
人差し指の側面を使う
Fコードをはじめとするバレーコードでは、人差し指の側面部分を使って押さえるのが基本です。
指の中心部分を使ってしまうと力を入れにくく、指も開きづらくなってしまうので注意しましょう。
側面を使うためには人差し指を少し斜めに入れ、指の左半分で押さえるようにするのがポイントです。
また、指を真っすぐ伸ばすのではなく、指を少し曲げることを意識すると押さえやすくなりますよ。
ギターの弦高を調べる
押さえ方以外でFコードが押さえられない原因として考えられるのが、ギターの弦高が高すぎることです。
弦高とは、フレットと弦の間隔を意味するもので、高すぎると弦を押さえるために大きな力が必要になります。
調整されたギターであれば、ちょうど良い弦高に設定されていますが、古いギターや高温で湿気が多い環境で保管されていたギターは弦高が高くなっている可能性があります。
弦高は、6弦12フレットの弦とフレットのすき間を測るのが一般的です。
エレキは6弦が1.8~2.0mm、1弦が1.5~1.8mm、アコギの場合は6弦が2.5~2.7mm、1弦が2.2~2.5mmが定番の弦高ですよ。
測り方や調整のやり方が分からないという人は、ギターに詳しい人やギターを買ったお店に相談してみてくださいね。
ギターのコード練習におすすめな曲
弾き語りやバンドで曲を演奏してみたいと思い、ギターをはじめた人も多いのではないでしょうか。
今回紹介したCやG、Em、Fなどのコードを使って演奏できる曲もたくさんあるので、コードの押さえ方を覚えたら曲の練習をはじめるのがおすすめです。
おすすめの練習曲を3曲紹介するので、好きな曲を選んで実際に演奏してみましょう。
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STAND BY ME / ベン・E・キング
ベン・E・キングの「STAND BY ME」は、テレビでもよく流され、ジョン・レノンやミッキー・ギリーがカバーしたことでも有名なソウルミュージックの名曲です。
登場するコードはAやF#m、D、Eの4つで、ギターの指板に挟んで音程を調整する「カポ」を2フレットに使うとG、Em、C、Dのフォームで簡単に演奏できますよ。
シンプルな楽曲なので、音の切り方を工夫してリズミカルにしたり、音を出すパターンを変えてみたりと、音楽的にアレンジしてみるのもおすすめです。
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Stand By Me 歌詞 Ben E. King ふりがな付 - うたてん
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チェリー / スピッツ
軽快なリズムと優しいメロディが楽しめる曲がスピッツの「チェリー」です。
FやB♭などのバレーコードも登場しますが、CやG、Am、Emといった簡単なコードを中心に構成されています。
ジャカジャカとかき鳴らすストロークがピッタリな曲で、ゆっくりとコードを鳴らしながらバラード風に弾き語りをしてみても楽しめます。
楽譜によってはAm7やFM7のようにセブンスコードが記載されている場合もありますが、7の表記がないAmやFで代用できるので試してみてくださいね。
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チェリー 歌詞 スピッツ ふりがな付 - うたてん
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ヒロイン / back number
「ヒロイン」はback numberを代表する、切ないバラード曲です。
「ターンタンタカ」という弾き語りの基本リズムで演奏されている楽曲なので、弾き語りに挑戦したい人はギターのリズムも真似してみてくださいね。
BmやFなどのバレーコードが登場する以外は、CやD、Gなどの基本コードで構成されています。
D/F#というオンコードもありますが、この部分はDを弾いても大丈夫で、手の長さに余裕がある人は親指で6弦2フレットを押さえると表記通りの音が出せますよ。
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ヒロイン 歌詞 back number JR SKISKI CMソング ふりがな付 - うたてん
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ギターのコードを押さえるときは力の向きに注意!正しいフォームを意識して練習しよう
ギターコードを押さえるときには指の形だけでなく、力の向きや指の当て方を意識すると楽に押さえることができます。
手の大きさや形は一人ひとり違うため、最適なコードの押さえ方も人それぞれですが、指を立てる、フレットの近くを押さえるなどの基本は同じです。
まずは正しいフォームを意識しながら練習して、気になる点があったら基本を思い出したり、指やギターの位置を変えてみたりと工夫してみましょう。
この記事のまとめ!
- ギターコードの押さえ方を練習する前には、手首や指のエクササイズをやるのがおすすめ
- 指の角度やフォームなど、押さえ方の基本を意識しながらギターコードの練習をしよう
- 定番コードはシンプルなものが多いので、正しい押さえ方を意識しながら弾いてみよう
- Fコードのようなバレーコードは、人差し指の使い方を工夫すると押さえられるようになる
- 簡単なコードだけで構成された曲も多いので、基本コードを覚えたら実際に曲を弾いてみよう