自分好みのスペックやデザインの楽器が欲しい、という願いをかなえてくれるのがオーダーメイドです。
オーダーを受け付けているメーカーも多く、それぞれが発注した人の希望と職人のこだわりが詰まった素敵な楽器を製作していますよ。
この記事のもくじ
オーダーメイドギター・ベースとは?
オーダメイドギター・ベースとはメーカーや工房がユーザーから直接依頼を受け、希望に沿って製作したオリジナルの楽器です。
ショップや工房だけでなく、ウェブ上でも受け付けているため、プロ・アマ問わず幅広いミュージシャンがオーダーシステムを利用していますよ。
完成したギターやベースの購入とは違った魅力があるのが特徴で、自分好みの楽器が欲しい、オリジナリティのある楽器が欲しい人には特におすすめです。
まずはじめに、オーダメイドで定番の2つのシステムについて紹介します。
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セミオーダー
セミオーダーとは、メーカーが販売するギターやベースの仕様を一部変更して製作してもらうオーダーメイド方法です。
カラーやパーツなどの変更が可能で、塗装を自分好みの色や素材で行ってもらう、好みのピックアップやブリッジに変えてもらうなどのカスタムができます。
ハイレベルな知識も不要で、長時間の打ち合わせなども不要なため、気軽に利用できるオーダーメイド方法です。
フルオーダー
ボディやネックなどに専用の設計や加工が必要とし、パーツや材などを全て選んで楽器を製作してもらうことをフルオーダーと呼びます。
オリジナルシェイプのギターやベースに特殊な形状のネックや、手にピッタリ合ったオリジナルネックを付けたいのであれば、基本的にフルオーダーとなります。
楽器デザインの作成、パーツや材選び、職人との細かな打ち合わせなどが必要なため、楽器の知識や強いこだわりがある人向けのオーダーメイドです。
ギター・ベースをオーダーメイドするメリット・デメリット
オーダーメイドはオリジナリティのある楽器が作れる点が注目されがちですが、メリットばかりではありません。
もちろん、デメリットもあり、場合によっては完成したエレキギター・エレキベースを弾き比べて選んだほうが良い結果になることもありますよ。
システムの次は、オーダーメイドのメリット・デメリットを紹介するので、オーダーを考えている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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デメリット
費用と時間がかかる
オーダーメイドのデメリットは、既製品のギター・ベースを購入するよりも費用と時間がかかることです。
楽器店で販売されている楽器は、スペックやパーツをあらかじめ決めておくことで生産コストを下げ、販売価格もバランスの良い価格になっています。
しかし、オーダーメイドは1本だけ特別仕様で製作するため、そのぶん人件費やパーツ代などが必要となり割高になりますよ。
また、セミオーダーは2ヶ月から4ヶ月ほど、フルオーダーは半年以上の製作期間が必要なため、既製品の購入のようにすぐ手に入れることができません。
オーダーをするときには、費用と時間が通常の楽器購入よりも多く必要であることを覚えておいてくださいね。
必ず良い音ではない
高価なものやヴィンテージの楽器が全ての人にとって良い音ではないように、オーダーメイドの楽器もお金や時間をかけても、自分好みの最高の音になるとは限りません。
加えて、理想のサウンドに近づけようとしすぎて極端なパーツばかり選んでしまうと、全体のバランスが悪いサウンドになる可能性もあります。
弾きやすさに関係する、ネックの薄さやフレット数などもサウンドに影響するため、演奏性を重視しすぎても自分好みの音から離れてしまう場合もありますよ。
ギターやベースなどは完成して音を出してみないと音の良さは分からないもので、オーダー通りに製作してもらっても、自分好みの良い音ではない可能性もあるので注意しましょう。
個体差がある
ギターやベースは天然の木材を使用しているため、同じ仕様でも個体差によって強度や音質のアタリ・ハズレが出てしまいます。
オーダーメイドの楽器も同じで、個体差によるハズレを引いてしまう可能性が0でないことがデメリットといえるでしょう。
もちろん、木材の種類や品質、職人さんの腕前などである程度のサウンドのクオリティは確保できます。
しかし、ごくまれにネックが反りやすい個体、木材の個性が控えめな個体などに当たってしまうこともありますよ。
オーダーをする前には、個体差があるというデメリットも考えておくことも重要です。
メリット
自分好みに作れる
木材やパーツ、塗装、加工などを自分好みにできるのが、オーダーメイドのメリットです。
セミオーダーであれば、好きなモデルの塗装をラッカーやオイルフィニッシュに変更する、好みのブリッジやピックアップを乗せるといったカスタマイズが可能。
フルオーダーであれば好みのボディやネック形状を持ち、自分で選んだパーツを搭載したギターやベースを作ってもらうことができますよ。
好きなメーカーや職人さんに、自分好みの楽器を作ってもらえるのもオーダーメイドの醍醐味です。
世界に1つだけのものを作れる
オーダーメイドのメリットは他の誰も持っていないような、世界に1つだけのギター・ベースを作れることです。
セミオーダーでも組み合わせを工夫すればオンリーワンの楽器になりますし、自分でデザインしたフルオーダー品であればよりオリジナリティが高まります。
フロイドローズとテレキャスターシェイプ、トレモロとFホールのような特殊な仕様も可能で、機能性やデザイン性を追求したギターやベースなども作ってもらえますよ。
市販ギター・ベースの不満を解消できる
握りやすいネックがない、好みの組み合わせがないなど、市販ギター・ベースで感じることの多い不満を解消できるのもオーダーメイドの魅力です。
市販のモデルに1つ、2つの不満があればセミオーダーで簡単に解消することができます。
高価なボディ材やトップ材を使ったギター・ベースが欲しいけれど、ハイエンドモデルには好みのデザインが無いときにはフルオーダーを利用しても良いでしょう。
音やデザイン、素材などにこだわることができ、自分に合った楽器を手に入れることができるのもオーダーメイドならではのメリットです。
ギター・ベースをオーダーメイドするときの注意点
オーダーメイドで最高のギター・ベースを手に入れるためには、いくつかの注意点を意識して対策をしておくことが重要です。
この対策をやっておくと、自分好みの楽器をオーダーでき、打ち合わせや購入前後のやり取りもスムーズになります。
次はオーダーメイドをお願いする前や、相談するときに意識しておきたい注意点を紹介します。
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要望を細かく伝える
ギター・ベースのオーダーメイドをするときには、要望を細かく伝えることが重要です。
ボディやネックなどは一度完成してしまうと加工や塗装の変更は難しいですし、パーツ類の交換などで追加料金が発生する場合もあります。
オーダーメイドの楽器はとても高価なので、購入後に後悔しないようにボディとネックの加工、電子パーツ、金属パーツなどの希望は相談前にまとめておきましょう。
また、自分の理想のサウンドや演奏スタイルもまとめておくと、職人さんに相談したときに前向きな提案をしてもらえるのでおすすめです。
予算を決めておく
予算を決めておくことも、オーダーメイドのギター・ベースを作るときの重要なポイントです。
値段の目安はメーカーのサイトに記載されていますが、高価な木材やパーツ、特殊な加工などが多ければそのぶん値段も上がってしまいます。
予算に上限がない場合には問題ないですが、無理な金額でも製作をお願いしたり、ローンを組んだりするとトラブルの原因にもなるので気をつけましょう。
オーダーメイドをお願いする前には、あらかじめ予算を決め、妥協したくない部分や妥協できる部分を明確にするのがおすすめです。
しっかりとリサーチをする
オーダーメイドをお願いする前には、素材やパーツについてやメーカーの評判や無料相談の有無、納品までの期間などをしっかりとリサーチしておきましょう。
高額なオーダーであれば、返品の条件や送料の負担の有無、配送業者なども調べておくと安心です。
これらをリサーチしておくと、自分に合った高品質な楽器を作ってもらえるだけでなく、購入前や購入後のやり取りもスムーズになります。
また、支払い方法もメーカーごとに違うので、振り込み以外を考えている人は支払い方法のリサーチもやっておくと良いですよ。
オーダーギター・ベースのおすすめメーカー
オーダメイドのギター・ベースの購入を決めたら、次はどのメーカーにお願いするか決めましょう。
国内メーカーでも多くのメーカーがオーダーを受け付けていますが、それぞれに得意分野や価格なども異なっていますよ。
基本的に実際に弾いてみて良いと思ったところがおすすめですが、難しい場合には人気モデルや得意とする加工、サウンドに注目して選ぶと良いですよ。
オーダーメイドを受付けるおすすめのメーカーを、特徴や価格帯を交えて紹介します。
FUJIGEN
FUJIGENは長野県松本市に本社工場を置く、弦楽器の委託生産やオリジナルブランド品の製造を行うギターメーカーです。
コスパに優れた高品質なギターやベースが人気で、公式サイトではセミオーダーの受注も行っています。
音程の安定性に優れる指板・フレット加工の「サークル・フレッティング・システム」が有名で、セミオーダー品にも標準搭載されていますよ。
価格をおさえながらも、高品質で弾きやすいギターやベースが欲しい人におすすめのメーカーです。
dragonfly
渋谷区に本社があるギターやベース、エフェクター、キャビネットなどを手掛けるブランドがdragonflyです。
20万円後半から50万円前後のハイエンドモデルを中心に作るブランドで、ヘヴィなサウンドを奏でるギタリストから支持されています。
自社製作のピックアップを基本搭載しているほか、Fender系ギターに採用されるロングスケール(648mm)よりも長い、666mmのスケールのモデルもあるなど個性的なメーカーです。
セミオーダーも受け付けており、木材やパーツ、塗装など細かなカスタマイズにも対応しています。
COMBAT GUITARS
COMBAT GUITARSはギターやベースのオーダメイドや修理、カスタマイズを手掛ける日本のメーカーです。
ストラトキャスターやテレキャスターのようなスタンダードな形状のモデルから、Fホールの空いたおしゃれなモデル、モダンなものまで幅広く製造しています。
価格は国産メーカーのミドルクラス~ハイエンドモデルと同程度ですが、価格以上の作りと弾きやすさが多くのギタリストやベーシストから高い評価を受けていますよ。
フルオーダーが中心ですが、キャンペーンでセミオーダーを受け付けていることも多いので、気になる人は公式サイトをチェックしてみてくださいね。
Bacchus
Bacchusはリーズナブルな価格と良質なサウンド、演奏性の高さが人気のギター・ベースブランドです。
ハンドメイドのモデルでも15万円~20万円ほどで購入できるのが特徴で、セミオーダー品も同じくらいの価格で製作してくれます。
楽器の経年変化を再現するレリック加工や、個性的なサウンドのフレットレス加工のような、特殊な加工にも対応しているのもポイント。
Bacchusファンや上級者だけでなく、オーダメイドの楽器が欲しい初心者や中級者にもおすすめのブランドです。
Sugi Guitars
国内外で高い評価を受けるギター職人の杉本眞が設立した、ハイエンドギターメーカーがSugi Guitarsです。
木材やパーツだけでなく、見た目の美しさや弾きやすさにもこだわられたギター・ベースは多くのミュージシャンを魅了しています。
オーダメイドはセミオーダーのみを受け付けており、オリジナルモデルの木材やカラー、パーツ、ヘッド角などを変更することができますよ。
こだわり抜かれた高品質なギター・ベースが欲しい人におすすめのメーカーです。
GUITAR WORKS
GUITAR WORKSはリペアやオーダメイド、リペア関連商品の販売などで人気のメーカーです。
プロギタリストとしても活動していた伊藤邦雄が立ち上げたメーカーで、ギターが大好きなオーナーならではの丁寧な作りのサウンドが体験できますよ。
オーダメイドは基本フルオーダーで、ボディや組み込み、配線、塗装を含めて15万以上、追加の加工やセットネックなどは追加料金となります。
デザイン性の高い加工のギターから、ハイグレードな素材を使用したシンプルなものまで幅広く受け付けてくれるギターメーカーです。
ESP
日本で最初にオーダメイドのギター・ベースの製造をはじめたメーカーがESPです。
高見沢俊彦のエンジェルギターや、尖りのある独特な形状フォレストシリーズなどデザイン性の高いギターを多数製造しています。
素材やパーツも高品質で、職人の技術も高いため、サウンド面のクオリティも高いです。
オリジナルデザインの製作も可能なフルオーダーに対応しており、素材やパーツなども自由に選べるようになっています。
価格は高めですが、デザインとサウンドの両方にこだわりたい人にピッタリのメーカーです。
ギターやベースをオーダーメイドで自分好みの1本を作ろう!ただし失敗する場合もあるので注意
オーダーメイドは自分好みのギターやベースを作れる、素敵なシステムです。
市販のモデルとは違った世界で1本だけの楽器なので、愛情を持ってギターやベースと接することができ、さらに音楽が楽しくなりますよ。
しかし、思っていたサウンドを得られな可能性もあり、市販のギター・ベースを弾き比べて選んだほうが理想のサウンドに出会えることも多いので注意が必要です。
オリジナリティを重視したい人、ネックの形状にこだわりたい人には十分に魅力的なので、まずは気軽に問い合わせてみて、自分だけの楽器を手に入れてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- オーダーメイドには、既製品の仕様を変更するセミオーダーと完全オリジナルのフルオーダーがある
- オーダーメイドには費用や時間がかかる、完成した楽器が自分にとって最高の音質ではない可能性があるなどのデメリットがある
- 自分好みの弾きやすさ、ルックスを持ったオリジナリティのある1本を手に入れられるのがオーダーメイドの魅力
- 事前リサーチをしっかり行い、打ち合わせで伝える内容をまとめておくと自分好みの楽器を手に入れやすくなる
- オーダーメイドをお願いするメーカーは、予算や得意分野、オーダーの種類で選ぼう