ギターネックの反りは、気温や湿度など様々な原因によって起こります。
また、ネックの反りは、ショップでリペアすることはできますが、毎回ショップに持っていくのはお金がかかってしまいます。
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この記事のもくじ
ギターネックの反りの種類
ギターネックの「反り」とは、ネックが何らかの原因でねじれたり曲がったりすることを指します。
ネックの反りには大きく4つの種類があり、それぞれ演奏のしやすいさに影響を及ぼしてしまうのです。
また、ベースの方が弦の張力が強いためネックが反りやすい傾向があります。
以下では、ギターネックの反りの種類について紹介します。
順反り
順反りは、ギターネック反りの中で最も多いタイプであり、ギターネック中央部、7フレット〜12フレットあたりが変形している状態のことです。
順反りになっているギターを横から見ると、指板中央部と弦との距離が開き、弓なり状にネックが曲がって見えます。
順反り気味になってしまうと、弦がネックから浮いてしまい、弦高が高くなるため弾きにくくなってしまいます。
また、特定のポジションで音がビリつきやすくなることもあります。
逆反り
逆反りは順反りと反対の方向にネックが反ってしまうタイプで、ギターヘッドが弦と反対方向、つまり下がるように変形します。
少しくらいの逆反りなら演奏に支障はありませんが、反りが大きくなると音詰まりが起きたり、ビビりを感じやすくなります。
あまりに大きな反りだと演奏自体できなくなる場合もあるので注意しましょう。
逆反りは弦の張力と反対の方向に変形していく反りであるため、使用中のギターにはあまり見られず、しばらく使っていなかったギターによく見られる反りになります。
ねじれ・波打ち
ねじれ・波打ちは「順反り」や「逆反り」のようにネック全体に反りが起こるわけではなく、部分的に反りが発生する状態を指します。
中には、順反りと逆反りが混在しているような複雑なケースも見られます。
ねじれが起こる場合、多くは高音弦側が沈み込み、低音弦側が起き上がる形になります。
そのため、特定のポジションで音がビリつくときは、ねじれや波打ちを疑いましょう。
ハイ起き
ハイ起きとは、ネックのつなぎ目部分からネック部が上側に持ち上がってしまう状態のことです。
ハイ起きが起こると、ハイポジションでの音詰まりが発生します。
また、ハイ起きはトラス・ロッドが効かない部分が反っているため、修正するのは大変です。
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ネックが反る原因は?
ネックが反ってしまう原因は環境によるものと、弦のテンションによるものがあります。
原因を知ることができれば、ネックが反ってしまう前に対処することができますよ。
ここでは、ネックが反る原因について紹介します。
温度変化
ギターは木でできているため、温度変化によってギターの体積が変化してしまい、木に負担がかかることでネック反りが起こります。
温度変化によるギターネック反りを防ぐためには、20〜25℃前後の温度でギターを管理するようにしましょう。
湿度変化
湿度の変化もネック反りの原因になります。
湿度が高いとギターの体積が大きくなり、湿度が低くなると体積が小さくなります。
このように、湿度の変化によってギターが膨らんだり縮んだりすることで、ネック反りが起こってしまうのです。
湿度変化によるギターネック反りを防ぐためには、湿度を40〜50%に保つようにしましょう。
弦のテンション
ギターは、弦を張っているだけで相当な負荷がかかっています。
そのため、ネックが弦の引っ張りの力に負けてしまい、その結果ネックが反ってしまうことがあります。
短い期間に目に見えるほどネックが反ってしまった場合は、弦のテンションによる反りが考えられます。
弦のテンションで起こる反りを防ぐためには、保管するときに弦を緩めるようにしましょう。
外部からの衝撃
スタジオやライブなど、ギターを持ち運ぶ機会は多いですよね。
持ち運びの際に、他の楽器と重ねて運んだり、アンプと一緒に運んだりすることで、ギターネックの反りが起こることがあります。
ギターを運ぶときは、しっかりとしたケースに入れて慎重に運ぶようにしましょう。
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ギターネックの反り確認方法
ギターのネックは若干反りぎみの方が良いと言われることもあるため、少しくらいの反りは気にならないことが多いです。
しかし、弦高が高くて弾きにくい状態が続いたり、音がビリつきやすくなっているときはギターネックの反り具合を確認しましょう。
この記事では、自分でギターネックの反りを確認する方法を紹介します。
2点押さえて弦高を見る
正確にネック反りを確認したい場合に有効なのが、フレット2点を指で軽く同時に押さえて弦高を調べる方法です。
この方法を使うときは、ギターをしっかりとチューニングした状態で行いましょう。
ギターのチューニングができたら、まずギターの1フレットと最終フレットを同時に押さえます。
このとき、8フレット〜12フレットあたりでネックと弦の間に適切な隙間があるかどうかを調べます。
0.5mmくらいの隙間があればネック反りしていない状態と言えます。
また、弦高が変わってしまう原因はネック反りの他にも、ナットやサドル側に問題があるケースもあるということを頭に入れておきましょう。
反りがない場合
反りがない場合、フレット中央部(8フレット〜12フレットあたり)をタップしたときに、弦とフレットがぶつかってカチカチと音がなる状態になります。
2点を押さえたままで、ネックと弦の間に0.5mm程度の隙間が確認できれば正常です。
順反りの場合
2点を押さえた状態で、フレット中央部(8フレット〜12フレットあたり)のネックと弦の間に0.7mm以上の隙間が確認された場合、順反りが起きていると言えます。
順反り方向に反りが起きている場合、ビビり音やタッピングのようなはっきりした音が出ていることがあります。
逆反りの場合
2点を押さえた状態で、フレット中央部(8〜12フレットあたり)のネックと弦の間の隙間が0.4mm以下になってしまった場合は、逆反りが起きていると言えます。
逆反りが起きると、タップしてもカチカチという音が出なくなります。
ねじれ・波打ちの場合
フレットの場所によって弦とネックの隙間の間隔にバラつきがある場合は、ねじれや波打ちが起きている可能性があります。
1弦側と6弦側でネックの反り方向が違う場合はねじれ、ネックの場所ごとに反り方向が異なる場合は波打ちが起こっていると言えます。
目視でネックを確認
ネック反りを目視で確認する方法もあります。
明らかな反りがある場合や、ねじれや波打ちの確認には目視の方がわかりやすい場合も多いです。
ここからは、目視でネックの反りを確認する方法を紹介します。
真横から見る
ギターネックの反りを目視確認する場合、まずは真横からネックの状態を見ます。
このとき、ギターを目線の高さと同じになるようにしましょう。
わかりにくい場合は、定規を使ったり、写真に撮って状態を確認すると便利ですよ。
ヘッド・ボディ側から見る
目視でネック反りを確認するときは、真横から見る他にも、ヘッド側(ナット側)、ボディ側(ブリッジ側)からも必ず状態の確認を行いましょう。
このときも、目線の高さをフレットの面と同じくらいにするようにしてください。
トラスロッドでネックの反りを調整する方法
実際にギターネックの反りが確認できたら、反りの調整も自分でしたいですよね。
自分でネック反りを調整するときは、ネックの中に埋め込まれているトラスロッドと呼ばれる金属の棒を使います。
トラスロッドをパイプレンチで回すとことで、ネック反りを調整できます。
ただし、ギターによってはネックを外さないとトラスロッドが回せないものもあります。
ここでは、ネックを外してロッドを回す方法と、ネックを外さずヘッドからロッドを回す方法を紹介します。
ネックを外して調整するタイプ
特にアコースティックギターなどでは、トラスロッドがサウンドホール内のネックのつなぎ目部分にある場合があり、その場合はネックを外してロッドを回していきます。
手順は以下の通りです。
- 弦をヘッドから外す
まず全ての弦を緩めて、弦をヘッドから完全に取り外します。 - ネックをボディから外す
ギターを裏返したら、4本のボルトを取り外し、ボディからネックを取り外します。ボルトを取り外すときはネックを押さえながら作業するようにしましょう。 - トラスロッドを回す
ネックのつなぎ目に付いているロッドを回しながら少しずつネックの反りを調整していきます。順反りの場合は時計まわりに、逆反りの場合は反時計まわりに少しずつ回しながら反りを調整していきます。 - ネックをボディに戻して弦を張る
調整が終わったらネックをボディに戻し、ギターを裏返してボルトを取り付けます。そして、弦を張り付けましょう。
ヘッドから調整するタイプ
ギターのヘッドにレンチ穴がある場合は、ヘッド部でトラスロッドを回しながらギターの反りを調整することができます。
手順は以下の通りです。
- 弦を緩める
まずは全ての弦を緩めます。ここでは弦を取り外す必要はありません。 - トラスロッドカバーを外す
多くのギターはレンチ穴がカバーで覆われているので、カバーも完全に取り外しておきましょう。 - トラスロッドを回す
ロッドを回しながらネックの反りを調整します。順反りの場合は時計まわりに、逆反りの場合は反時計まわりに少しずつ回しながら反りを調整してきましょう。 - 弦とカバーを戻す
調整ができたら、弦とカバーを元の状態に戻して調整完了です。
トラスロッドの回しすぎには注意
ネック反りを確認しながらトラスロッドを回していると、つい回しすぎてしまうこともあります。
ただし、回しすぎるとネックが変形することもあるので、回したとしても45度〜90度までにしてください。
ネックが反らないように普段から温度や湿度に気を付ける事が大事!自分で調整するのが難しい場合はリペアショップに相談しよう
自分で確認・調整ができるギターネックの反りですが、普段から徹底した管理をしてネックの反りが起こらないように気をつけることが大切です。
ネック反りはよくあることなので、自分のギターネックが反ってしまったからといって慌てることはありません。
しかし、大きな反りや波打ち・ねじれなど複雑な反りの場合は、自分で調整するとギターを痛めてしまうこともあります。
難しい場合は、リペアショップに相談するのがおすすめですよ。
この記事のまとめ!
- ギターネックの反りには順反り・逆反り・ねじれや波打ちなどタイプがある
- 順反り・逆反りは自分で調整することができる
- ネックの反りは2点を押しながら弦高を確認する方法と目視する方法で確かめることができる
- 順反り・逆反りの場合にはトラスロッドを回すことで反りを調整できる
- 波打ち・ねじれなど複雑な反りがある場合は、無理せずリペアショップで修理するのがおすすめ