ギター演奏をサポートしてくれる、便利な機材「スイッチャー」。
気になっているけど、使うメリットや人気モデル、特徴などが分からないので導入を迷っているという人も多いのではないでしょうか。
この記事のもくじ
スイッチャーとは
BOSS ( ボス ) / ES-5 Effects Switching System ループスイッチャー
スイッチャーとは、エフェクターを複数台使った演奏を快適にしてくれる便利な機材です。
シールドケーブルのように1方向に信号を伝える回路と、好きなタイミングでONにできるエフェクター用の入力・出力端子(ループ)の両方を搭載しているのが特徴。
この構造により、本体スイッチを操作するだけで、接続されたエフェクターのON/OFFが簡単にコントロールできるようになっています。
また、1つのループに数台のエフェクターをつなぐ、プログラム機能が付いた機種を使うなどの工夫をすれば複数のエフェクトのON/OFFができるのもポイント。
サウンドを大きく変えるものではありませんが、導入するだけで演奏環境を快適にしてくれるエフェクター好きにおすすめの機材です。
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スイッチャーの種類
スイッチャーの概要を覚えたら、次はどんな種類があるかをチェックしていきましょう。
どのタイプもエフェクトの切り替えがメインの機能ですが、それぞれに使い心地や付加機能などが微妙に違っています。
次は、スイッチャーの種類をそれぞれの特徴や機能と共に紹介するので、ぜひ機材選びの参考にしてみてくださいね。
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ループスイッチャー
ループスイッチャーはループ回路を3個以上搭載したタイプです。
多いものでは6個以上とラインセレクターよりもループの数が多い設計になっているので、複数のエフェクターを使って幅広いサウンドを出したいときに活躍します。
また、サイズは大きめなものの、スイッチのON/OFF操作のみのシンプル設計なので、複雑な操作が苦手な人でも気軽に導入できるのもポイント。
色々なエフェクターを使いたいけれど、操作が複雑なものは苦手な人にもおすすめできる使いやすいスイッチャーです。
プログラマブルスイッチャー
ループスイッチャーにプログラム機能を搭載したものが、プログラマブルスイッチャーです。
プログラム機能とはあらかじめ設定しておけば、1つのスイッチで複数のエフェクトのON/OFFができる便利なもの。
この機能により、スイッチを1つ踏むだけで大幅に音色を変えたり、特定のエフェクト以外をOFFにしたりできるようになっています。
マルチエフェクター感覚でエフェクトの操作をしたい、色々な音色を使い分けるスタイルが好きな人におすすめのスイッチャーです。
スイッチャーを使うメリット・デメリット
スイッチャーは、メリットとデメリットの両方を把握してから導入するのがおすすめです。
もちろん、気軽に導入しても問題ないケースもありますが、ライフスタイルによってはデメリットを多く感じてしまう可能性もあるので注意しましょう。
次は、スイッチャーを使うメリット・デメリットを紹介するので、導入すべきか迷っている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
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デメリット
持ち運びが大変
スイッチャーを使うデメリットは、持ち運びが大変なことです。
小型タイプでも400gほど、大型のスイッチャーなら2kgほどの重量があります。
パッチケーブルも直列でつなぐ場合よりも2倍の数が必要になるため、導入するだけでも機材全体の重量が増えてしまいがちです。
さらに、手持ちのエフェクトボードのサイズによっては、より大きく重いエフェクトボードへの買い替えが必要になる可能性も。
キャリーカートや車を利用すれば負担は軽減できるものの、持ち運びが大変になりやすいのがスイッチャーのデメリットです。
お金がかかる
直列つなぎよりも、お金がかかってしまうのがスイッチャーのデメリットです。
本体の購入だけでも6000円〜50000円ほど、高音質なパッチケーブルやシールドを使う場合には追加で20000円ほどが必要になります。
また、追加で電源用の機材やDCケーブルを購入するとなると、さらにお金がかかってしまいますよ。
普通のつなぎ方よりも、多くの予算が必要になってしまうのがスイッチャーのデメリットといえるでしょう。
配線や組み換えが難しくなる
スイッチャーを導入したエフェクトボードは、配線や組み換えが難しくなりがちです。
これは、スタンダードな直列つなぎよりも多くのパッチケーブルが必要になるため。
ケーブルの数が2倍以上になっているので、配線の手間も増加しセッティングも複雑になります。
また、ケーブルの長さが足りない、ペダルがボードに入らないといったトラブルが発生すると、さらに手間が増えてしまうでしょう。
最初のセッティングや組み換えが複雑になりがちなのが、スイッチャーのデメリットです。
メリット
音の劣化を防ぐ
音の劣化を気にせず、多くのエフェクターを使えるのがスイッチャーのメリットです。
スタンダードな直列つなぎは、ギターの信号がアンプに向かうまでに、いくつものエフェクターとパッチケーブルを通過します。
多くの音響機器は劣化を抑える設計になっていますが、やはり接点や回路の数が増えるので、ペダルの数に比例して音が劣化してしまうことも。
一方スイッチャーは、スイッチをONにした場合のみエフェクター用の回路に接続するので、通過する機材の数も最小限です。
そのため、多くのエフェクターをつないでも、音の劣化を最小限に抑えられるでしょう。
機能性に優れるだけでなく、音質面にもプラスの効果があるのがスイッチャーの特徴です。
音の自由度が高くなる
スイッチャーには、音の自由度が高くなるというメリットもあります。
複数のエフェクトを同時にON/OFFできるので、スタジオ練習やライブでも複雑なエフェクトが手軽に使えますよ。
また、沢山つないでも音の劣化が少ないので、数種類の歪ペダルを使い分けたい、アナログディレイとデジタルディレイの両方を使いたいときにも大活躍。
スタジオ練習やライブでも、色々な音色を使い分けたい人の希望を叶えてくれるのがスイッチャーの魅力です。
操作が楽になる
エフェクトの切り替え操作が楽になるのが、スイッチャーのメリットです。
1台から複数台のエフェクトが手軽にON/OFFができるのはもちろん、手前に置けば踏み間違いも防止してくれます。
さらに、多くのエフェクターを配置したときに起こる、奥のエフェクターが踏みにくいというトラブルを防いでくれますよ。
エフェクターの操作を簡単にし、演奏に集中できる環境を作ってくれるのがスイッチャーのメリットです。
エフェクターのトラブルが減る
スイッチャーを導入すれば、エフェクターのトラブルを減らすことができます。
操作が楽なので踏み間違いも減らせるほか、一部のエフェクターやケーブルにトラブルが起きた場合もOFFにするだけで演奏を続けられますよ。
また、エフェクターを接続したまま使用するものなので、エフェクター本体のジャックの消耗、スイッチの故障などのリスクが減らせるのもポイントです。
高価なエフェクターを大切に使いたい、演奏中のトラブルを減らしたい人におすすめの機材なので、気になる人はぜひ導入を検討してみてくださいね。
ギタースイッチャーのおすすめ6選
スイッチャーについて知ったら、どんなモデルがあるか気になってしまうものですよね。
最近では、定番の音響機器メーカーのプロ仕様モデルだけでなく、初心者でも気軽に使えるシンプルな設計のものも沢山登場していますよ。
最後に、ギター向けスイッチャーのおすすめをシンプルな高コスパモデルから、多機能モデルまで幅広く紹介します。
BOSS LS - 2 Line Selector
BOSS(ボス)の「LS - 2 Line Selector」は、シンプルなルックスながらも、機能が充実したスイッチャーです。
2つのループ回路を搭載したモデルで、スイッチ1つでAのループ、Bのループ、ループを通らないバイパスの3つが切り替えられるのが特徴。
さらに、本体のつまみを使えば「ABの切り替えだけ」「A+Bとバイパスだけ」といった、切り替えパターンの変更もできるようになっていますよ。
音質をループごとに調節できる、ボリュームノブを搭載しているのもポイント。
2種〜3種のサウンドを使い分けたい人に、特におすすめのスイッチャーです。
VITAL AUDIO / ENCOUNTER VAPS-4
スイッチャーとパワーサプライの両方を、お手頃価格で揃えたい人におすすめのスイッチャーがVITAL AUDIO(バイタルオーディオ)の「ENCOUNTER VAPS-4」です。
高性能なパワーサプライを搭載したモデルで、普通のDCケーブルを使えば5台、分岐ケーブルを使えば最大7台のエフェクターに電力の供給ができます。
プログラムできる数も4スイッチ分が5セット(5バンク)の合計20プリセットと充実しているので、色々な音色を使い分けたい人にもピッタリ。
踏み間違いを防ぐ1列のスイッチの採用、チューナー専用のアウト端子の搭載など、使いやすさも考えられたおすすめのスイッチャーです。
Vital Audio ENCOUNTER VAPS-4 プログラマブルループスイッチャー/エフェクトペダル用パワーサプライ【国内...
One Control / Minimal Series Black Loop
One Control(ワンコントロール)の「Minimal Series Black Loop」はリーズナブルな価格と、シンプルな使い心地が魅力の2ループタイプのスイッチャーです。
各ループにON/OFFができるスイッチを搭載することで、手軽にエフェクトの切り替えができるようになっています。
バイパスが使えるのはもちろん、2つのループを同時にONにすることもできるので幅広いサウンドに対応できますよ。
操作性とコスパの高さを両立した、ギター初心者にもおすすめのスイッチャーです。
One Control / Chamaeleo Tail Loop MKII
使いやすさと機能性を重視したい人におすすめのスイッチャーが、One Controlの「Chamaeleo Tail Loop MKII」です。
5チャンネルが3バンク分、合計15のプリセットが保存できるようになっています。
さらに、アンプのセンドアンドリターンに空間系をつないで、クリアな音を出したいときに便利なセパレートループも搭載しているので幅広い音作りが楽しめますよ。
チューナーアウトや高音質なバッファの搭載、スリムボディの採用など機能性や音質も考えられたおすすめスイッチャーです。
One Control ワンコントロール エフェクター 5ループスイッチャー Chamaeleo Tail Loop MKII
HOTONE / PATCH KOMMANDER LS-10
ミニペダルが有名な人気メーカー・HOTONE(ホット・トーン)が手掛ける、プログラマブルスイッチャーが「PATCH KOMMANDER LS-10」です。
幅40.3cm、奥行き5.6cmのスリムな設計ながらも、4チャンネル×3バンクの合計12のプログラムが保存できるようになっています。
加えて、シンプルなループイスイッチャーとしても使えるダイレクトモードも搭載しているので、好みや機材の数に合わせて使い分けられますよ。
スリムで十分な機能を備えたプログラマブルスイッチャーが欲しい人におすすめの、高コスパモデルです。
HOTONE PATCH KOMMANDER LS-10 4チャンネル・プログラマブル・ループ・スイッチャー[国内正規品]
BOSS / ES-5 Effects Switching System
BOSSの「ES-5 Effects Switching System」は幅33.7cm、奥行き9.7cmのコンパクトボディに多くの機能を詰め込んだスイッチャーです。
最大200のプログラムに対応しているのに加え、エフェクターの接続順や並列接続の有無などを細かく設定できるのが特徴。
さらに、ディレイの残響音を残す機能や、音質劣化を防ぐ回路も搭載しているので、機材の持ち味を活かしたピュアなサウンドが楽しめます。
フットスイッチ用の端子やチューナー端子、MIDI端子を搭載するなど端子類が充実しているのもポイント。
機能性とサイズの両方を重視したい人におすすめのスイッチャーです。
スイッチャー初心者ならラインセレクターもおすすめ
ラインセレクターとはABスイッチのような回路切り替え機能に加え、エフェクト用のループ回路も搭載したタイプです。
ループが1系統、もしくは2系統ほどと数が少なく、操作も1個〜2個のスイッチを踏むのがメインとシンプルな設計になっているのが特徴。
サイズもコンパクトなものが多く、価格もお手頃なので初めてスイッチャーを使う人にもおすすめですよ。
多くのエフェクターの接続には対応できませんが、モジュレーション系を使ったクリーンと歪、アンプ直の切り替えのみで十分という人なら快適に使えるでしょう。
スイッチャーはギター演奏におすすめ!メリット・デメリットを参考にエフェクターボードを組んでみよう
スイッチャーは、エフェクターを使ったギター演奏を快適にしてくれる機材です。
操作性が大幅に上がるだけでなく、音の劣化も防いでくれるのでエフェクターやギター本来の素敵なサウンドを楽しめます。
さらに、音色の幅も広げてくれるので、細かく音作りしたい人にもおすすめですよ。
ぜひこの記事で紹介した、メリット・デメリットやおすすめモデルを参考に自分好みのスイッチャーを見つけて、快適な演奏環境を手に入れてみてくださいね。
この記事のまとめ!
- スイッチャーとは、エフェクトの切り替えを簡単にしてくれる便利な機材
- 演奏環境を快適にしてくれるだけでなく、音色の幅も広げてくれるのがスイッチャーの魅力
- スイッチャーには持ち運びが大変、セッティングが難しいなどのデメリットがある
- シンプルな使い心地が好きな人には、2ループタイプのスイッチャーがおすすめ
- 細部までこだわって音作りしたいなら、多機能なプログラマブルスイッチャーを選ぼう