その個性的なルックスがロック好きを中心に熱い支持を集める「変形ギター」。
購入を考えているけれど、人気モデルや種類などが分からないので迷っているという人も多いでしょう。
この記事のもくじ
そもそも変形ギターとは?
変形ギターとはストラトキャスターやレスポールのような定番モデル、セミアコやフルアコのような楽器的な見た目のモデル以外のエレキギターを指す言葉です。
明確な定義はないため、区別が難しいものもありますが、基本的に攻撃的なルックスのもの、デザイン性を重視した楽器などはこの「変形ギター」に分類されますよ。
ハードな音楽向きのパーツ、仕様を採用したモデルが多いのも特徴の1つ。
今の音楽シーンでは決してメジャーな存在ではありませんが、そのアグレッシブなルックスとサウンドは今なお、多くのロックファンを魅了しています。
変形ギターの種類
一言に変形ギターといっても、色々な種類があります。
ヴィンテージな雰囲気を感じさせるものから、メタルにピッタリの仕様のもの、芸術性を追求したものまでデザインやスペックもさまざま。
次は、そんな個性豊かな変形ギターの種類を紹介します。
お気に入りの種類を見つけたい人、どんな種類があるか知りたい人はぜひ参考にしてみてくださいね。
Vタイプ
「Vタイプ」は変形ギターの代名詞と言われるほどの定番タイプです。
V型のボディが印象的なフライングVが有名で、派生モデルとして鋭いデザインのキングV、左右非対称デザインのランディVなどがあります。
ステージ上での演奏を前提としたショーモデルとして開発されたタイプで、ギター的な鳴りや演奏性よりも見た目を重視した設計になっているのが特徴。
使い心地やサウンドに若干のクセがあるため、機能性を重視する人には不向きですが、ロック的な見た目のギターが欲しい人にはピッタリのタイプです。
エクスプローラータイプ
変形ギターを代表する、もう1つの定番タイプが「エクスプローラータイプ」です。
直線的な形状が特徴的なタイプで、大きく存在感のあるボディはルックスとサウンドの両方に重厚な雰囲気を与えています。
変形ギターながらも座って弾けるほか、全体の重量バランスも良いなど機能性に優れているのもポイント。
デザインと使い心地の両方を重視したい、重厚なサウンド・ルックスが好きな人は要チェックなタイプです。
モッキンバードタイプ
「モッキンバードタイプ」は、曲線美と攻撃性の両方を感じさせる味わい深いデザインが人気のタイプです。
1974年にB.C.Richが開発したタイプで、ガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュ、X.JAPANのhideが愛用したことでも知られています。
個性的な見た目とは裏腹に、優れた重量バランスとサウンドを持っているのも特徴の1つ。
ややマイナーなタイプなため商品数は少ないですが弾きやすく、ルックスのインパクトもバツグンなタイプなので、気になる人はチェックしてみてくださいね。
ワーロックタイプ
モッキンバードを手掛けるB.C.Richが開発した変形ギターが「ワーロックタイプ」です。
Xの字をデフォルメした、ダークで攻撃的なデザインが印象的。
一見すると弾きにくそうなデザインですが身体や腕に触れる部分が丸く加工されているため、立っての演奏はもちろん座って弾いても快適に演奏を楽しめますよ。
ルックスと演奏性の両方を重視したい、ヘヴィメタルに合う変形ギターが欲しい人にピッタリのタイプです。
その他のタイプ
変形ギターには、これまでに紹介したもの以外にも色々なタイプがあります。
エクスプローラーとフライングVの両方のエッセンスを感じさせる「ランダムスター」や「ML」。
エクスプローラーを攻撃的にアレンジした「ケリー」、THE ALFEEの高見沢敏彦が使用する「エンジェルギター」など有名なものだけでも沢山の種類がありますよ。
マイナーなメーカーや仕様違いまでチェックすると、さらに多くの変形ギターが見つかるでしょう。
それぞれに違った魅力があるので、こだわりたい人はぜひ色々とチェックして、自分好みのタイプを見つけてみてくださいね。
変形ギターを製造するメーカー・ブランド
変形ギターのルックスは好きだけれど、メーカーやブランドについてはあまり詳しくないという人も多いのではないでしょうか?
通常モデルと比べると、見かけることも少ないのでなかなか把握できないものですよね。
そこで次は、変形ギターを製造するメーカー・ブランドを紹介します。
メタル系メーカーだけでなく、有名メーカーや国内のブランドも紹介しているので、気になるところはぜひチェックしてみてくださいね。
Gibson
「Gibson (ギブソン)」はレスポールやSGなどの定番モデル、J-45といった有名なアコギの製造で有名なメーカーです。
変形ギターの先駆け的な存在としても有名で、1958年には世界初の変形タイプ「フライングV・モダーン・エクスプローラー」の3種を発表しています。
ギブソンらしいサウンド・設計を踏襲しつつも、ロックなデザインに仕上げられた変形ボディのモデルが揃っているのが特徴。
メタル寄りのモデルと比べるとヴィンテージな雰囲気ですが、その渋くかっこいい姿は多くのロックファンを魅了し続けています。
B.C.Rich
「B.C.Rich (B.C.リッチ)」は1969年に設立された、攻撃的なルックスのギターが人気のメーカーです。
モッキンバードやワーロックを開発したメーカーで、ほかにもアイアンバードやイーグルといった変形ギターの製造も手掛けていますよ。
派手なルックスながらも、ボディのバランスや演奏性に優れているのも魅力の1つ。
最近ではあまり市場に出回っていないようですが、攻撃的なルックスと優れた演奏性を備えた素敵な変形ギターが揃っているので、気になる人はチェックしてみてくださいね。
Jackson Guitars
メタル系ギタリストから熱い支持を集めるギターブランドが「Jackson Guitars (ジャクソンギターズ)」です。
ジャクソンの愛称でも親しまれているメーカーで、直線的なヘッドと攻撃的なデザインを採用したメタルにピッタリの変形ギターを多数製造しています。
人気の変形モデルはランディV、キングV、ウォリアー、ケリーの4種。
どれも演奏性が高く、耐久性や音質にも優れたモデルなので、デザイン性と使い心地の両方を重視したい人は要チェックです。
ESP
「ESP (イーエスピー)」は熟練のクラフトマンが作り上げた高品質なギターが、世界的に評価されている日本のブランドです。
ストラトの発展タイプのイメージが強いですが、実はVタイプのESP-ARROW、エクスプローラーに似たSTREAM GTといった変形ギターも取り扱っています。
また、レギュラーラインではありませんが、高見沢俊彦モデルとして「エンジェルギター」も製造していますよ。
オーダーメイドを利用すれば、自分好みの変形ギターを作ってもらえるのも特徴の1つ。
価格は全体的に高めですが、こだわり抜いた最高の1本が欲しい人はチェックしてみてはいかがでしょうか?
変形ギターのメリット・デメリット
魅力がたくさんある変形ギターですが実はメリットだけでなく、デメリットもあります。
デザインが好きならあまり気にする必要はありませんが、事前にデメリットを把握しておけば、購入後のトラブルも防げるのでぜひ把握しておきましょう。
次は、変形ギターのメリット・デメリットを紹介するので、購入を迷っている人は参考にしてみてくださいね。
メリット
インパクト抜群のルックス
変形ギターの最大のメリットは、ルックスのインパクトが抜群なことです。
ステージ上でも目立つのはもちろん、他のプレイヤーとも被りにくいのでライブでも圧倒的な存在感を示せますよ。
その攻撃的なルックスが、バンドの世界観をさらに引き立ててくれるのも魅力の1つ。
他の人と違うギターが欲しい、目立つギターが欲しい人の望みを叶えてくれるのがこの「変形ギター」です。
ハイフレット部分の演奏性に優れる
ハイフレット部分が比較的、演奏しやすいのも変形ギターのメリットといえるでしょう。
これは、ハイフレット部分が接合部のみの設計になっている、もしくはカッタウェイが深めの設計になっているから。
ハイフレットの演奏時に邪魔になるものが少ないので、ハードロックやメタルには必須となる高音フレーズやソロも快適に演奏できますよ。
定番タイプよりも圧倒的に弾きやすいわけではありませんが、安定してハイフレットを演奏できるのは十分に魅力的だといえます。
デメリット
変形ギターに対応したスタンド・ケースしか使えない
変形ギターのデメリットは、対応したスタンド・ケースしか使えないことです。
ギタースタンドに関しては、ヘッド部分を固定する吊り下げ式を使っていれば気にする必要ありませんが、ボディを乗せる汎用タイプのスタンドは使えないので注意しましょう。
また、ギターケースに関しても汎用のギグバッグ、ソフトケースに入らないものが多いため、基本的にそのギター・タイプ専用のものを用意する必要がありますよ。
このように、スタンドやケースを選ぶことが変形ギターのデメリットです。
汎用性は低い
通常タイプのギターと比べると、やや汎用性が低いのが変形ギターのデメリットです。
ヘヴィなジャンルであれば問題なく使えますが、やはりボディが特殊なぶんサウンド、特にクリーントーンにクセがあります。
そのため、ポップスやファンク、ジャズのようなクリーントーンの響きが求められるジャンルでは少し使いにくいでしょう。
また、おしゃれなジャンルでは、そのルックスが曲の雰囲気を壊してしまう可能性もあるので要注意です。
初心者にもおすすめのかっこいい変形ギター5選
メーカーや種類を知ると、どんな変形ギターがあるのか気になってしまうものですよね。
プロ仕様モデルが多いタイプでもあるため、全体的に高価なモデルが多いですが、初心者でも気軽に購入できるかっこいいモデルもたくさんありますよ。
次は、初心者にもおすすめできる、ルックスとサウンドがかっこいい変形ギターを紹介します。
Epiphone / Inspired by Gibson Flying V Ebony
気軽に楽しめるフライングVタイプが欲しいという人におすすめなのが、Epiphone (エピフォン)の「Inspired by Gibson Flying V Ebony」です。
1958年製のフライングVのデザインを意識したモデルで裏通しタイプのブリッジ、通常タイプよりも面積の狭いピックガードなど当時の仕様をしっかりと再現しています。
7万円以下とお手頃な価格ながらもボディ材に定番のマホガニー、ボリューム・トーンには高品質なCTSポットを使っているのもポイント。
ヴィンテージなルックスと、バランスの良い使い心地が楽しめる初心者にもおすすめの変形ギターです。
Jackson Guitars / Warrior JS32
Jackson ジャクソン JSシリーズ エレキギター Kelly ケリー JS32 / Ferrari Red フェラーリ・レッド
「Warrior JS32」は攻撃的なルックスが人気のWarriorを、お手頃な価格で楽しめるモデルです。
軽いタッチで弦を押さえられるジャンボフレット、指板のカーブを徐々に変化させるコンパウンドラジアス、薄めのネックを採用することで優れた演奏性を実現。
フレットも24Fまで用意されているのでハードなリフから、高音ソロまで幅広く対応できますよ。
フロイドローズタイプのブリッジによる激しいアーミングも楽しめる、デザイン性と演奏性の両方に優れた変形ギターです。
GrassRoots / G-EP
「G-EP」は、人気パンクバンド・HEY-SMITHの猪狩秀平モデルとして販売されている、エクスプローラータイプの変形ギターです。
製造はESPの傘下ブランドGrassRoots (グラスルーツ)が手掛けています。
コントロール部分がピックアップセレクターと1トーン1ボリュームのみとシンプルな設計になっているのが特徴。
ブリッジも扱いが簡単なレスポールと同タイプのものを搭載しているので、初心者でも快適に演奏を楽しめるでしょう。
マホガニーボディとマホガニーネックによる、マイルドで重厚なサウンドが楽しめるのも魅力のおすすめモデルです。
ZEMAITIS / ZVWA22
ZEMAITIS (ゼマティス)の「ZVWA22」は左右非対称のデザインと、木目を活かしたトップ材が目を弾くVタイプの変形ギターです。
裏通しタイプのブリッジと高出力ハムバッカー、マホガニーボディを採用により、ウォームでパワフルなサウンドを実現。
さらに、チューニングが安定しやすいロックタイプのペグ、トーンを保ったまま音量を落とせる回路も搭載するなど、使いやすさにもこだわった設計になっていますよ。
普通とは少し違うVタイプが欲しい、シックなデザインが好きな人にピッタリの1本なので、気になる人はチェックしてみてくださいね。
Killer / KG-Exploder SE
「KG-Exploder SE」は、高級モデルが有名なKiller (キラー)のエッセンスを、お手頃な価格で楽しめる変形ギターです。
ランダムスターを直線的にした、ヘヴィメタルサウンドにマッチするデザインが印象的な仕上がり。
フロイドローズと1ボリュームというシンプルな設計も、メタルらしさを感じさせてくれます。
Killerならではのバランスの良いサウンド、優れた演奏性も備えたメタル好きにおすすめの変形ギターです。
かわいい変形ギターのおすすめ2選
かっこいい、攻撃的な印象が強い変形ギターですが、かわいいモデルもいくつか販売されています。
それぞれがデザイン性に優れているだけでなく、サウンドにもこだわった設計になっているので、弾いても楽しめるようになっていますよ。
最後に、かわいい変形ギターを、通常サイズのモデルとミニギターから1種類ずつ紹介します。
ESP / BanG Dream! RANDOM STAR Kasumi Mini
「BanG Dream! RANDOM STAR Kasumi Mini」は手が小さな人や子どもでも気軽に演奏できる、ランダムスタータイプの変形ギターです。
メディアミックスプロジェクト「BanG Dream!」とのコラボモデルで、こちらはPoppin'Partyのギターボーカル戸山香澄モデルのミニギター版となっています。
お手頃価格のミニギターながらも、ボディにアルダーを使うなど音質にこだわった設計になっているのが特徴。
音程の安定性はやや低めですが、気軽な演奏なら十分に楽しめるかわいい変形ギターです。
Jackson Guitars / RRX24 Black with Neon Pink Bevels
ライブにも使える、本格サウンドのかわいい変形ギターが欲しい人におすすめなのが「RRX24 Black with Neon Pink Bevels」です。
スタイリッシュなランディVシェイプと、かわいらしいネオンピンクのインレイが印象的な仕上がり。
ピックアップには有名メーカーSeymour Duncanのモデル、ブリッジにはフロイドローズを採用することでメタルにマッチするパワフルなサウンドを実現していますよ。
ヘッドの向きが逆(リバースヘッド)になっているのもおしゃれポイントな、ルックスとサウンドの両方を重視したい人にピッタリの変形ギターです。
個性的なルックスの1本が欲しいなら変形ギターがおすすめ!気になるモデルを手に入れて楽しく演奏しよう
個性的なルックスの1本が欲しいなら、普通のモデルとは一味違った設計の変形ギターがおすすめです。
スタンドやケースを選ぶ、汎用性はやや低めというデメリットはありますが、その個性溢れるルックスはステージやスタジオで圧倒的な存在感を放ってくれますよ。
ハードな曲、ロックな曲の世界観を視覚的に引き立ててくれるのもポイント。
まずは、おすすめモデルやメーカー、種類を参考に気になるモデルを見つけてみてはいかがでしょうか?
見つけた人はぜひ手に入れて、ライブや演奏を楽しんでみてくださいね。
この記事のまとめ!
- 変形ギターとは定番モデル以外の、特殊なボディ形状のギターを指す言葉
- 一言に変形ギターといっても、Vタイプやエクスプローラータイプなど色々な種類がある
- GibsonやB.C.Rich、Jackson Guitarsなど色々なメーカー・ブランドが変形ギターを製造している
- 変形エレキギターは見た目にインパクトがあるぶん、使い心地やサウンドにクセがある
- 高価なモデルはもちろん、高コスパでかっこいいモデルやかわいいモデルなど色々な商品が販売されている