春を待つ手紙 歌詞 吉田拓郎 ふりがな付

直子なおこより

追おいかけました あなたの姿すがただけ
幼おさないあの頃ころの 想おもい出であたためて
あれから幾年いくねん 友ともさえ 嫁とつぎ行ゆき
その日ひを 待まつように 父母ふぼも逝いきました

人間にんげんだから 求もとめてしまうけど
それこそ悲かなしみと 知しってもいるけれど

俊一しゅんいちより

変かわらぬ心こころを 素直すなおと呼よぶならば
オイラの気持きもちは 最終さいしゅう電車でんしゃだろう
涙なみだを見みせると 足あしもとが フラフラリ
めめしくなるまい 男おとこの意気地いくじなし

時間じかんが 僕ぼくらに別わかれをすすめてる
このままいる事ことで 寒さむい冬ふゆ越こえられぬ

直子なおこより

約束やくそくなんて 破やぶられるから 美うつくしい
誰だれかの言葉ことばが 身体からだをかすめます
あなたは あくまで 男おとこでいて欲ほしい
私わたしを捨すてても あなただけ 捨すてないで

傷きずつく事ことに 慣なれてはいないけど
ましてや 他人たにんなど 傷きずつけられましょか

俊一しゅんいちより

夢ゆめまたひとつ 二人ふたりで暮くらす町まち
通とおり通とおりゃんせ オイラだけ 通とおせんぼ
これが最終さいしゅうの ひとつ前まえの便たよりです
春はるには小川おがわに 君きみの櫛くし 流ながします

待まつ身みの辛つらさがわかるから 急いそぎすぎ
気きづいた時ときには 月日つきひだけ年としをとり

誰だれもが誰だれかを 恋こいしているんだね
それは あてのない 遙はるかな旅たびなんだね
旅たびする人ひとには 人生じんせいの文字もじ似合にあうけど
人生じんせいだからこそ ひとりになるんだね

ここでも春はるを待まつ 人々ひとびとに逢あえるでしょう
泣なきたい気持きもちで 冬ふゆを越こえてきた人ひと