ねぇ メリディエ
あなたがいつかね
何なにもかもを そう 捨すて去さってしまっても きっと傍そばにいるわ
人ひとはあなたを
畏おそれるかもとも
知しれないけれども その心こころの何なによりも美うつくしいこと 知しっているから―――
「生うまれながらにして、王女おうじょの友人ゆうじんであることを運命付うんめいづけられていた。貴族きぞくの娘むすめ、メイメイ。」
「光ひかりを通とおさぬ漆黒しっこくの髪かみ、 感情かんじょうを閉とじ込こめた昏くらい瞳ひとみ、国くにの唯一ゆいいつの跡継あとつぎと目もくされた。王女おうじょ、メリクルベル。」
「二人ふたりはいつしか。ただの役割以上やくわりいじょうに、惹ひかれ合あう。」
「密ひそやかな告白こくはく。二人ふたりの影かげは、寄より添そうように。」
突つき刺ささる 違和感いわかん
何故人なぜひとは こんなにも
生いきるほどに醜みにくく その身み 朽くちていく
この身以上みいじょうの 美びなど
許ゆるしはしない されどなお
汚けがれていく全すべてのモノ達たちが 疎うとましく
心こころのどこか その声こえは
いつしかはっきりと 語かたりかける
とめどなく 肥大ひだいする―――
それは内うちに宿やどした神かみの囁ささやき
憎悪おでぃお
全すべての堕落だらくに向むけた かくも強つよきその感情おもい
全すべての美うつくしきものを手てに 有ありの儘まま 穢けがれぬ様ように
渦巻うずまくは神かみの声こえ この偽いつわりなき聲こえを聞きけ
「あの日ひ、私わたしの心こころに舞まい降おりたのはなんだったのか。
私わたしはもう、前まえのままの自分じぶんではないのかもしれない。
でも、それは私わたしの意志いし。
―――ねぇ、貴女あなたはどうするの?」
浸潤しんじゅんする 価値観かちかん
この人ひとは こんなにも
望のぞむほどに次第しだいに その身み 壊こわしていく
全すべてを撃うち棄すてても
願ねがうものが あるのなら
その願ねがいのままにならぬものが 呪のろわしく
その幸しあわせを 思おもうなら
この身みにできることを為なそうと
ただ傍そばに その傍そばに―――
道みちを阻はばむ全すべてのモノを許ゆるさない
憤怒いら
全すべての腐敗ふはいに向むけた かくも強つよきその誓ちかい
愛いとしき意志いしの望のぞみのままに その道みちを ともに歩あゆまん
共振きょうしんする神かみの声こえ その偽いつわりなき聲こえと共ともに
村むらを焼やいて
国くにを焼やいた
全すべてその望のぞみのままに
欺瞞ぎまんを塗ぬりし
虚偽きょぎを被かぶせた
全すべてその望のぞみのままに
魔女まじょと呼よぶならば僕ぼくとなれ
「メリクルベル」の聲こえを聞きけ
悲哀まえろる
私わたしの愛いとしき魔女まじょよ かくも哀かなしきその願ねがい
全すべてがいずれ朽くちるとしても その時ときまでは その傍そばに
あなたの心こころの何なによりも 美うつくしいことを私わたしは
誰だれより知しっているのだからと その手てをそっと握にぎり締しめ
共ともに唱となえる神かみの声こえ
この偽いつわりなき聲こえを抱だいて
「メイメイ。魔女まじょとともに歩あゆむその命いのち。
人ひとを殺あやめるときも、人ひとを破滅はめつに堕おとすときも。
終ついぞ変かわらぬ誓ちかいだけが、その胸むねに。」
「メリディエ、哀あわれな人ひと。世界せかいの全すべてに傷きずついて。」
「でも、私わたしだけは。いつまでも――貴女あなたとともに。」
ねぇnee メリディエmeridie
あなたがいつかねanatagaitsukane
何naniもかもをmokamowo そうsou 捨suてte去saってしまってもtteshimattemo きっとkitto傍sobaにいるわniiruwa
人hitoはあなたをhaanatawo
畏osoれるかもともrerukamotomo
知shiれないけれどもrenaikeredomo そのsono心kokoroのno何naniよりもyorimo美utsukuしいことshiikoto 知shiっているからtteirukara―――
「生uまれながらにしてmarenagaranishite、王女oujoのno友人yuujinであることをdearukotowo運命付unmeiduけられていたkerareteita。貴族kizokuのno娘musume、メイメイmeimei。」
「光hikariをwo通tooさぬsanu漆黒shikkokuのno髪kami、 感情kanjouをwo閉toじji込koめたmeta昏kuraいi瞳hitomi、国kuniのno唯一yuiitsuのno跡継atotsuぎとgito目mokuされたsareta。王女oujo、メリクルベルmerikuruberu。」
「二人futariはいつしかhaitsushika。ただのtadano役割以上yakuwariijouにni、惹hiかれkare合aうu。」
「密hisoやかなyakana告白kokuhaku。二人futariのno影kageはha、寄yoりri添soうようにuyouni。」
突tsuきki刺saさるsaru 違和感iwakan
何故人nazehitoはha こんなにもkonnanimo
生iきるほどにkiruhodoni醜minikuくku そのsono身mi 朽kuちていくchiteiku
このkono身以上miijouのno 美biなどnado
許yuruしはしないshihashinai されどなおsaredonao
汚kegaれていくreteiku全subeてのtenoモノmono達tachiがga 疎utoましくmashiku
心kokoroのどこかnodokoka そのsono声koeはha
いつしかはっきりとitsushikahakkirito 語kataりかけるrikakeru
とめどなくtomedonaku 肥大hidaiするsuru―――
それはsoreha内uchiにni宿yadoしたshita神kamiのno囁sasayaきki
憎悪odio
全subeてのteno堕落darakuにni向muけたketa かくもkakumo強tsuyoきそのkisono感情omoi
全subeてのteno美utsukuしきものをshikimonowo手teにni 有aりのrino儘mama 穢kegaれぬrenu様youにni
渦巻uzumaくはkuha神kamiのno声koe このkono偽itsuwaりなきrinaki聲koeをwo聞kiけke
「あのano日hi、私watashiのno心kokoroにni舞maいi降oりたのはなんだったのかritanohanandattanoka。
私watashiはもうhamou、前maeのままのnomamano自分jibunではないのかもしれないdehanainokamoshirenai。
でもdemo、それはsoreha私watashiのno意志ishi。
―――ねぇnee、貴女anataはどうするのhadousuruno?」
浸潤shinjunするsuru 価値観kachikan
このkono人hitoはha こんなにもkonnanimo
望nozoむほどにmuhodoni次第shidaiにni そのsono身mi 壊kowaしていくshiteiku
全subeてをtewo撃uちchi棄suててもtetemo
願negaうものがumonoga あるのならarunonara
そのsono願negaいのままにならぬものがinomamaninaranumonoga 呪noroわしくwashiku
そのsono幸shiawaせをsewo 思omoうならunara
このkono身miにできることをnidekirukotowo為naそうとsouto
ただtada傍sobaにni そのsono傍sobaにni―――
道michiをwo阻habaむmu全subeてのtenoモノmonoをwo許yuruさないsanai
憤怒ira
全subeてのteno腐敗fuhaiにni向muけたketa かくもkakumo強tsuyoきそのkisono誓chikaいi
愛itoしきshiki意志ishiのno望nozoみのままにminomamani そのsono道michiをwo ともにtomoni歩ayuまんman
共振kyoushinするsuru神kamiのno声koe そのsono偽itsuwaりなきrinaki聲koeとto共tomoにni
村muraをwo焼yaいてite
国kuniをwo焼yaいたita
全subeてそのtesono望nozoみのままにminomamani
欺瞞gimanをwo塗nuriしshi
虚偽kyogiをwo被kabuせたseta
全subeてそのtesono望nozoみのままにminomamani
魔女majoとto呼yoぶならばbunaraba僕bokuとなれtonare
「メリクルベルmerikuruberu」のno聲koeをwo聞kiけke
悲哀maeroru
私watashiのno愛itoしきshiki魔女majoよyo かくもkakumo哀kanaしきそのshikisono願negaいi
全subeてがいずれtegaizure朽kuちるとしてもchirutoshitemo そのsono時tokiまではmadeha そのsono傍sobaにni
あなたのanatano心kokoroのno何naniよりもyorimo 美utsukuしいことをshiikotowo私watashiはha
誰dareよりyori知shiっているのだからとtteirunodakarato そのsono手teをそっとwosotto握nigiりri締shiめme
共tomoにni唱tonaえるeru神kamiのno声koe
このkono偽itsuwaりなきrinaki聲koeをwo抱daいてite
「メイメイmeimei。魔女majoとともにtotomoni歩ayuむそのmusono命inochi。
人hitoをwo殺ayaめるときもmerutokimo、人hitoをwo破滅hametsuにni堕otoすときもsutokimo。
終tsuiぞzo変kaわらぬwaranu誓chikaいだけがidakega、そのsono胸muneにni。」
「メリディエmeridie、哀awaれなrena人hito。世界sekaiのno全subeてにteni傷kizuついてtsuite。」
「でもdemo、私watashiだけはdakeha。いつまでもitsumademo――貴女anataとともにtotomoni。」