深紅のエヴェイユ 歌詞 少女病 ふりがな付

「希望きぼうと絶望ぜつぼうを司つかさどる二ふたつの光彩こうさい。
この世界せかいでは決けっして等量とうりょうに降ふり注そそぐことのない光ひかりの雨あめ。
寂寞せきばくの音おとは波紋はもんに。
そして空そらを覆おおう赤あかき月つきの残光ざんこうは、いつしか残響ざんきょうとなって……」

「それは、幾多いくたの嘆なげきの中なか紡つむがれる、第二だいにの魔女まじょの物語ものがたり」

悲鳴ひめいの中なか降ふり注そそいだ 深紅しんくの雨あめに浮うかぶ 第二だいにの魔女まじょの影silhouette
日々ひびに飽あいた魔女まじょ 嗜たしなみしは残忍ざんにんな狂気folie
神託しんたくは堕おつ 不遜ふそん 不変ふへん 不滅ふめつの混沌chaosに飲のみこまれ
ただ冷ひえた死しだけが 支配しはいせし煉獄purgatoire

ah... 退屈たいくつだわ 血塗ちぬられた指ゆびを舐なめ
彼女かのじょは薄うすく哂わう 動うごかぬ玩具がんぐ踏ふみ潰つぶして

今いま 秩序ちつじょのなき 澱よどんだ古城しろで
反逆はんぎゃくの狼煙のろしを上あげるような無謀むぼうな者ものはいない
魔女まじょに跪ひざまずいて神かみを呪のろって
人々ひとびとが謡うたうは称賛しょうさんの嘆なげき(chagrin)

扇動せんどうして巻まき起おこした 戦争せんそうを眺ながめ
優雅ゆうがに食事しょくじを楽たのしむのもすぐに飽あきて
愛玩動物petの蛇へびと少女しょうじょだけを 暗くらく狭せまい蔵くらに入いれて
閉とじ込こめる遊あそびも 食傷しょくしょうしてしまった

ah... どれもこれも愉快ゆかいなのは最初さいしょだけ
彼女かのじょは苛立いらだちを 隠かくしもせず刃やいばを薙なぐ

さあ 刹那せつなの夜よる ここで生うまれる
仮初かりそめの生命いのちを 忌いまわしい物語ものがたりに残のこそう
魔女まじょはまた新あらたな 遊戯ゆうぎに耽ふけり
結末けつまつを想おもって快楽かいらくにふるえて 笑わらった――――

「描えがけた。不快ふかいで愉快ゆかいな、終おわりまでの軌跡きせき...」

穢けがれた狂信者fanatiqueの 祈いのりを受うけただ厳おごそかに
赦ゆるされざる魔法まほうで 紅あかき光ひかりに包つつまれゆく――――

「ふふっ。ねぇ、目めをそらさないで。
――――物語ものがたりがはじまるよ」

今いま 秩序ちつじょのなき 澱よどんだ古城しろで
反逆はんぎゃくの狼煙のろしを上あげるような無謀むぼうな者ものはいない
魔女まじょに跪ひざまずいて神かみを呪のろって
人々ひとびとが謡うたうは称賛しょうさんの嘆なげき(chagrin)

さあ 刹那せつなの夜よるに、ここで生うまれた
仮初かりそめの生命いのちを呪のろわしい物語ものがたりに宿やどそう
血ちの黙示録もくしろくに刻きざむ 終焉しゅうえんの覚醒eveil
幻想げんそうは静しずかにはじまりを告つげた...

「望のぞまぬままに開あけ放はなたれた棺ひつぎ」

「それは、消費しょうひされゆく凶夢きょうむの断章だんしょう。踏ふみ躙にじられた絆きずなの物語ものがたり」

「知しらないなら教おしえてあげる。本当ほんとうの終おわりの歌うたを――――」