山やまが富士ふじなら 男おとこは次郎長じろちょう
あまた子分こぶんの いる中なかで
人ひとのいいのが 取とり柄えだが
喧嘩早けんかっぱやいが 玉たまに疵きず
森もりの…森もりの石松いしまつ いい男おとこ
「そこの若わけえのは
海道かいどう一いちの親分おやぶんは清水しみずの次郎長じろちょうだってねぇ
いい子分こぶんが居いるって言いうのかい
そうよ…一いちに大政おおまさ 二にに小政こまさ
三さんに大瀬おおせの半はん五郎ごろう
四番よばん増川ますかわの仙せん右衛門えもん 五番ごばん法印ほういん大五郎だいごろう
中なかでも一番いちばん強きょうえのが
遠州えんしゅう森もりの石松いしまつだい…
うれしいねぇ…呑のみねぇ 呑のみねぇ
寿司すし喰くいねぇ
江戸えどッ子こだってねぇ…」
やっと出でました 俺おれらの名前なまえ
清水しみず一家いっかの 暴あばれん坊ぼう
情じょうがからめば ついほろり
うれし涙なみだが こぼれます
男おとこ…男石おとこいし松まつ 泣なき笑わらい
「酒さけを呑のんだら虎とらになり
暴あばれ出だしたら止とまらない
あゝああ…馬鹿ばかは死しななきゃ癒なおらねえ…」
腕うでは強つよいが おっちょこちょいで
酒さけと女おんなと 喧嘩けんか好ずき
讃岐さぬき金刀かねとう比ひ羅うすもの 代参だいさんで
死出しでの旅たびとも 知しらないで
森もりの森もりの石松いしまつ ひとり旅たび
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あまたamata子分kobunのno いるiru中nakaでde
人hitoのいいのがnoiinoga 取toりri柄eだがdaga
喧嘩早kenkappayaいがiga 玉tamaにni疵kizu
森moriのno…森moriのno石松ishimatsu いいii男otoko
「そこのsokono若wakeえのはenoha
海道kaidou一ichiのno親分oyabunはha清水shimizuのno次郎長jirochouだってねぇdattenee
いいii子分kobunがga居iるってrutte言iうのかいunokai
そうよsouyo…一ichiにni大政oomasa 二niにni小政komasa
三sanにni大瀬ooseのno半han五郎gorou
四番yoban増川masukawaのno仙sen右衛門emon 五番goban法印houin大五郎daigorou
中nakaでもdemo一番ichiban強kyouえのがenoga
遠州ensyuu森moriのno石松ishimatsuだいdai…
うれしいねぇureshiinee…呑noみねぇminee 呑noみねぇminee
寿司sushi喰kuいねぇinee
江戸edoッxtu子koだってねぇdattenee…」
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清水shimizu一家ikkaのno 暴abaれんren坊bou
情jouがからめばgakarameba ついほろりtsuihorori
うれしureshi涙namidaがga こぼれますkoboremasu
男otoko…男石otokoishi松matsu 泣naきki笑waraいi
「酒sakeをwo呑noんだらndara虎toraになりninari
暴abaれre出daしたらshitara止toまらないmaranai
あゝaa…馬鹿bakaはha死shiななきゃnanakya癒naoらねえranee…」
腕udeはha強tsuyoいがiga おっちょこちょいでotchokochoide
酒sakeとto女onnaとto 喧嘩kenka好zuきki
讃岐sanuki金刀kanetou比hi羅usumono 代参daisanでde
死出shideのno旅tabiともtomo 知shiらないでranaide
森moriのno森moriのno石松ishimatsu ひとりhitori旅tabi